「この作品を機に、きちんと実情を知った上での発言を」「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品を機に、きちんと実情を知った上での発言を
大川小学校の児童74人が津波で亡くなった件に関しては、真偽不明の情報を流したり、訴訟に至らざるを得なかった保護者をその経緯も知らずにバッシングしたりという、一部の心ない人たちの行動が目に余るレベルでありました。
この映画からは、子供たちが亡くなった状況すら不明瞭にしかわからない中で、学校、教育委員会、石巻市、いずれも核心に迫る情報を隠し、時には文書を廃棄し(またここでも!)、検証を妨げ続けた様子がよくわかります。
「津波に遭うことなど想定できないのだから判断を誤っても仕方ない」という声をよく耳にしますが、だからこそ、何がこの事態を招いてしまったのかという検証が必要です。そのために正確な情報の提供は不可欠でした。
それは、今後も我々が襲われるかもしれない災害の際に、何を間違えてはいけないかを教えてくれるものです。特に教職にある人は全員が学ぶべきだと思います。
しかしそれでもまだ不明の部分が残ります。訴訟には勝っても、亡くなった10人の教員たちがどういうわけで1分で到着する裏山に避難するという判断をし損なったのかは、結局、わかりません。
少なくとも生き残った唯一の教員は山に逃れて助かったわけです。
今後に活かすにはそここそ明らかになる必要があると思いますが、難しいようです。
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