「真実を探求し、明らかにしたい人と闇に葬りたい人とのせめぎ合い」「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち 松村 訓明(まつむら のりあき)さんの映画レビュー(感想・評価)
真実を探求し、明らかにしたい人と闇に葬りたい人とのせめぎ合い
東日本大震災時の津波により小学生を亡くした親が真実を求め、活動するドキュメンタリー映画です。私自身、この問題に心を痛め、これまで「津波の霊たち」「あのとき、大川小学校で何が起きたのか」という本も読んできました。今回の映画はその本の内容に書かれてあることを映像化したもので貴重な内容だと思っています。唯一生き残った先生である教務主任(映画内では実名あり)の映像を観ることができたことは、大きな驚きと発見がありました。
話は変わりますが、学校での事件といえば、いじめ自殺などがありますが、亡くなった子供の親と学校側が向き合った場合、学校側が誠実に対応しないケースが往々にしてあります。今回の件もその内容と同様、学校側に誠実な態度が見られず、最高裁で学校側が敗訴するという結末となっています。私は一刻も早く一人ひとりの命を大切にして、問題が起これば誠実に向き合う社会になって欲しいと思っています。
今回の映画は、生とは死とは、そして真実とは、子を全て亡くした親はどうしたらよいのか考えさせる素晴らしい映画でした。この映画を製作した監督、スタッフ及び製作会社の方に深く感謝いたします。ありがとうございました。
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