怪物のレビュー・感想・評価
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タイトルに引っぱられたが、、、
胸糞悪い感じが続き、あぁーやっぱりタイトル通り怪物たちが畳みかけてくるんだなぁと思ってましたが。ひとつの視点から始まり、違う視点に移っていく。見事にストーリーが、カタチづいていきどんどん、惹き込まれていく。最後には、清々しくピュアでとてもキレイな自分の心の中に気づいてグラグラに揺さぶられて、涙した。ストーリーの構成と脚本がお見事過ぎて、あえて見返したくない映画となりました。瑛太さんも素晴らしいのですが、何より子ども達2人のこの時、この瞬間、この年齢期にしか表現出来なかったと思うしこの映画の要でした!高畑充希の必要性だけは、?でしたが。
余韻が残りまくる深い映画
全編通して、今は亡き坂本龍一の音楽が素晴らしい。モンスターペアレントがテーマと思いきや、さすがの是枝ワールド。子供の頃、自分もやった基地遊びも出てきて、創造性豊かな幼少期を思い出しました。
ゲイとして自分がこの社会で生きるということ
間違いなくゲイとして日本で生きる自分にとってオールタイムベストに入りこんでくるとても大切な作品になりました。
「海外の賞レースを狙って、あとは見る人が見ればいい」という映画や、当事者への気持ちに寄り添うと言いながらこういった関係性を好む人たちに消費させる事で興行を成立させる映画ばかりの中で、この国の閉塞さを支える根本的な全体の問題に絡め取られている一つの要素として当事者も当事者以外の人たちにも多くの人に真剣に見てもらうという覚悟と気迫をこの映画から感じ、まずそこに勇気づけてもらいました。自分の身を削って自傷的な表現をしてでも真剣にテーマに向き合う作り手の人たちに自分に関連するテーマを描いてもらうとこんなに心強く感じるんだな。
ラストシーンに関しても、自分が映画を見た時は全く「死んで理想の世界に行った」なんて思うこともなく、2人がこれからもずっと一緒に生きていくという2人の決断と覚悟を祝福してるようにしか見えませんでしたし、第二幕の母親と教師の様子を見ても、あの後に湊と依里の告白を受けても真剣に悩み考えてくれそうな雰囲気を感じました。
もちろん、取り返しのつかないことも、解決していないこともありますが、それを安易な形で映画の中に収めず2人の決断そのものが最も重要なことで、それを受けて自分たち大人はどうすればいいのかという問いを観客に渡す姿勢はとても誠実に映りました。
そして、監督や脚本家の2人もラストシーンに関して強い口調で「2人とも死んでいない」「最後に流れたaquaも坂本龍一が娘に送った祝福の曲で、そういった明るさをイメージして採用した」と答えていて、余白のあるラストシーンですがそこをはっきりとしてくれたことも嬉しかったです。もし、ここでラストシーンに関して「みなさんの想像にまかせます」とインタビューに答えていたら5点満点から3点に下げてしまっていたかもしれません笑
また、決定稿であるシナリオブックを読むと、時間の都合で削られた部分には自認や三幕目に関してさらに丁寧に掘り下げている描写が多くあり、ラストシーンもさらに明確に明るく描かれていたので脚本も買ってよかったです。当初、脚本家の方が構想して書き上げていたという3時間verのシナリオや映画も見てみたいとおもいました。
久しぶりにディレクターズカット版がどうしてもみたい映画に出会えたことがとても嬉しく、映画を観終わったあともこの映画に関する続報にワクワクしています。
ホリセンセイハイイヒトダヨ。
予告の「怪物だ~れだ」が頭から離れず、子供達に陰で酷いことする大人を探し当てるストーリーだと思い込んで映画館へ。正直これはやられた。
小学校で起こるある出来事を多面的に捉えた時、次々と浮かび上がる真実。何が本当で何が嘘なのか。一方通行で誰もが辿り着けない中、その答えを知っているのはもしかしたら私達観客だけかもしれない。母親、教師、子供達、それぞれが背負う生々しい痛みを感じながら嵐のクライマックスへ。
光の中を自由に走り回るラストシーン。この場面をどう解釈するかはこの物語をどう受け取ったかで変わってくると思う。不完全だけどここしかない、私は好きな終わり方でした。
子供達の演技の素晴らしさにただただ感動。本当の事が言えない世界でみんな必死で自分を守っている。そして誰の中にも怪物はいると思い知らされる。展開も早くて、私が今まで観た是枝監督の作品の中では一番良かったです。
是枝監督版のスタンドバイミー
レビューをざっとみたら、「視点を替えたら見え方が異なる。」的なのが多かったけど、そんな事を伝えたかった訳では無いだろう。タイトルが『怪物』なので、その正体はテーマになり得るが、じゃテーマ設定が余りにも一般的だ。怪物の正体は世間であり、普通という価値観だ。
真実なんてどーでもいい事なの みんなが思う幸せが本当の幸せなのよ、という校長のセリフがそれをよく表していたとは思う。それが本当にこの映画のテーマ?なら、じゃ切口をもっと斬新にして欲しかった。
・星野と麦野との関係性、性指向に目覚めるのが小学五という設定、LGBTQ的な取り上げ方。大事だけど切口にはなりにくい。
・学校の描き方、子どもたちの様子、イジメともはっきりは言えない関係性。中途半端で余りにも一般的、ステレオタイプ。
・母親像の描き方、あれがモンスターペアレントか? 私には全くそうは思えない。むしろ常識的で協力的。
・管理職 校長、教頭、の描き方も中途半端。管理職と市教委は利害関係が一致してるのでもっと一体的だし、保護者に対してあんなふうに冷たくはしない。
・担任の守り方、切り捨て方はもっと段階的で、じわじわ。担任を追い詰めて行く場面も中途半端。
私が思ったこの映画、監督のテーマ設定は、
・人が、子どもが育つとはどういう事なのか、です。そこには真実も正解も色々。だから関わる周りの人、大人も子どもも地域も、行政もマスコミも、丁寧に、ゆっくり、当人達を見守るしかないんだということ。
・現代社会においてそれはなかなかできないよ。だからこそ、[自然に帰れ]のルソーなんですよ。星野と麦野は最後の場面で大地を走り回ってた。目指すものを見つけた様に。周りの大人達が、もちろん、保護者、教員も、あれやこれやと口を出さなかったら、市教委や文科があれやこれやと口出ししなければ、マスコミが人を煽らなかったら、紆余曲折はあるだろうけど、二十歳になれば、まずまずの所に落ち着くのが子どもですよ。
私がこの場面は良いなーと思った所は、
・真実を見ようとしても、嵐で秘密基地の電車が倒れ、次から次へと泥が流れ込む。拭っても拭っても泥で汚れていく。でも、そこにポツポツと風穴を開けるのは人の手、瑛太とサクラ二人の手ではなく、雨粒であり、おそらくトローボーンとホルンの音、だからこそ怪物の正体は『バイアス』のかかった作為的な行為。「自然状態」こそが自立に導く唯一の方法。そう伝えたかったんだと思いました。
大人たちは「フリ」でしかない
凄いものを見たという気にはならないがクレバーな仕掛けを見たという気にはなる。驚きやワクワクはないけれど、へぇ、みたいな。
是枝作品らしい出来事を追っかけてくタイプのドラマではなく、羅生門方式の坂元脚本を使って、割とテクニカルな構成で描く、エデンの園なのか、誰も知らない知られてはいけない2人だけの世界。
ひとり息子が常軌を逸した行動に出始め、各セクションで怪しき人たちがうろうろ出てくるのだけど、結果的にみな大きな「フリ」で、中心に横たわってるのはボーイミーツボーイ。ちっちゃい子のファムファタールぶりがなかなかのもの。ただ、モンスターペアレント、子どもに向き合わない学校(死んだ目の)、この辺りが結果的に現代の記号・標本のようで、もちろん、それも裏から見れば、という視点が用意されてるのだけど、この構成ではあくまでフリ、になってしまうのがどうも。「こちらあみ子」みたいな壮絶な子ども時代ものを観ると、なんかゆるいドラマにみえる。それと、少年失踪の謎を別の角度から見ていくと、というパートに入っていくと、いろんな答え合わせにはなるのだけど、結局は大人は邪魔なだけじゃん、となるので、この複雑な構成は何か意味があったのか、と思わざる得ない。
隣に来ないような場所を予約したのに空席ほぼなしの超満員。左のおっさ...
隣に来ないような場所を予約したのに空席ほぼなしの超満員。左のおっさんはスマホ鳴らすわ、右の男は恋人にチュッチュッしたくてじっとせんわ、最悪。
作品も私的には今一つ。変。まともな登場人物皆無。三様の視点で描かれているので多少の矛盾は仕方ないが、根幹に関わるところが変。こんな変な子どもや教員ばかりの学校あるわけないし、おとなたちも軒並み変。おまけにBLかよ、流行り?そしてラストはお前たちにわかるか、さあ考えよのフランス方式。むかつくぜ(笑)
おまけに帰りの電車はオリックス戦のためか超混雑。今日は運なし(笑笑)
スクリーンは最小の10、読み違えやろOS
座席B-5、前すぎた
変わっていく視点。
時系列が前後するので混乱する人も出ると思いますが、映画に慣れてる人なら問題ないでしょう。
同じテーマなのに視点が変わるだけで「いい人」「悪い人」の印象が変わります。
最初は母親視点からの学校へのモヤモヤ。
なんとも言えない学校の対応の悪さにイラッとしました。が、一点。
同じ話でも視点が変わると親がモンスターに見えて校長が学校好きな先生に見えて。
イラっとした先生がとっても生徒思いの先生に見えて。
かと思うと子供から見た親の身勝手にもやっとしたり…。
一体誰が「怪物」なのか。。。。。
見方、感じ方でいろんなエンドが想像できるなーと思いました。
予想を裏切らない展開
是枝監督作品にハズレなし!
坂元裕二脚本に名言あり!
坂本龍一音楽が追い討ちをかける彩り。
劇中の効果音?楽器の音とか叫び声とか
もとても怪物を表現していた。
俳優も子役もみんな現実かと思うくらい
素晴らしい演技だった。
隣にある現実かも。
わたしも怪物。(I'm monster.)
あなたも怪物。(Your monster too.)
大人の型抜き
怪物では大人が子どもに対して「こうなってほしい」「こう育ってほしい」「こうだからダメだ」みたいにある種の押し付けを行う。それは私たち観客も同様で、お母さんの視点、先生の視点、校長の視点、子どもたちの視点を知るにつれて、誰が悪者なのか...怪物であるのかを探ってしまう。どの作品においても、こんなストーリーになってほしいと望んでしまう。少なくとも私はそのように捉えている。それは見えているものからしか、考えることができない、相手を思うことができない人間の性だと思う。大人になると視野が広がったようで、実は狭くなってしまってるのかもしれない。
何気ない一言でも、子どもたちにとっては視野を狭めてしまう一言である。だからといって大人は慎重になりすぎる必要はない。ただ、子どもの考えや価値観をみんなの幸せの一つとして受け入れてあげる。
小説みたい
誰一人怪物なんていないともいえるし、誰もが怪物であるともいえるのだなあと思いました。視点を変えれば誰もが怪物に見える。これはただのフィクションではなく、現実社会でも日常的に起こり得る話なのではないかと思いました。
ラノベの悪影響
各登場人物の人間性を無視した行動を取らせることで、観客をミスリードし、早とちりした観客があとからこういうことだったのかと気づいていく構成だが、まあ無理矢理な展開で深みもなく、あり得ない行動に辟易する
坂本龍一まで担ぎ出せる金満映画。最初にコンセプト描いたやつが戦犯だな。
凝った構成ですが、エンディングは、、、
凝ったストーリーで、物語前半の伏線を後半怒涛の回収を行います。でも最後は、、、で何。小学校のイジメ、親による児童虐待、重いテーマを扱ってますが、何も解決しないまま終わりですか。観客には真実が明かされますが、教師、保護者は全く勘違いしたままで終わってます。これから明るい兆しがあるのかなみたいな終わり方ですが、個人的には解決の兆しを見せてほしかった。
居心地の悪かった作品
まるで、様々なぼろ布を繋ぎ合わせたキルトの様で、個々の視点が変わる度に振り回され動揺し、何が真実なのかが視えなくなる。担任教師以外の校長を取巻く教師の保護者やマスメディアへの恐怖心から来る人間性の劣化…
タイトルの“怪物”とは何か?!を考えさせられたなんと無く後味のスッキリしない作品でした。
また、作品(映画・主題曲)そのものが坂本龍一氏へのレクイエムとも感じた作品。
構成力◎
子役の僕ちゃんの演技がうますぎてビビる。
人の見方によって他者の不安定な心情を読み切れない状況が生まれる事を解りやすく映像化している。
結局瑛太が1番不幸。
ちょい役の高畑充希は存在感なし。
面白かった!
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