怪物のレビュー・感想・評価
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深い映画であった
死生感を小学生が考える世界こそ怪物なのかも
怪物は誰なのか探さなくていい。
人は様々な顔を持つ。
怪物だーれだ?
誰が怪物なのか、わからない。
全員が見る角度を変えると怪物に見えたり天使に見えたりする。
怪物は探さなくていい。
みんながみんな怪物の顔と人間の顔を持っているのだから。
2時間ドラマのサスペンスやミステリーとは対極だ。犯人探しをして最後に、こいつが犯人だった!と分かってスッキリする。
そういう作り物が嫌いだ。
だからなんなの?この人が犯人だから何?と一気に心は物語から遠ざかり、どうでも良くなってしまう。
だけどこの作品は違う。
頭を使って犯人を探すのでは無い。
心の方が物語に吸い寄せられ惹き込まれていくような感覚だ。
火事は全てを失うものでもあり、遠くから見ると美しくもある。
猫を葬るのは残酷にも見えるし、優しさも垣間見える。
こびりついた床の汚れをこそぎ落とすのは頭の下がる行為にも見えるし、自らの罪をこそぎ落とそうとしているようにも見えてくる。
少年二人が本当に素晴らしい。
片方ずつ靴を分け合って歩くシーンはたまらなかった。
2人だけの宇宙が存在する廃列車。
いつか逆再生する日は来るのかな。生まれ変わりはあるのかな?
坂元裕二の脚本は細かすぎていちいち他人に言いにくい事や言わなくていいこと、自分でもよく分かっていないけど、モヤモヤしていることを本当に上手く的確に代弁してくれるから好きだ。
言葉に出来ないことは吹奏楽の音に載せればいい。
声は出なくても怪物の悲しい鳴き声のように、いつか声に出せるまでいつまでもいつまでも響き続けるのだろう。
109のプレミアムシアターで贅沢に鑑賞した。
坂本龍一の美しいピアノの音を、坂本龍一が日本一音のいい映画館だと評した映画館で観る事ができたのも本当に素晴らしかった。
怪物は誰か
怪物観ました。
皆んな、いい、いい
言うもんだから期待高で映画館へ。
情報は出来る限り、入れないようにしていたので、タイトルと出演者、監督、坂本龍一ぐらいの情報で観に行きけました。
タイトルが強烈なので、初めは誰が、何が怪物なんだと、自分でもタイトルに先入観があるためか知らない間に怪物探しをしていました。
それぞれの視点で展開していくうちに、
怪物らしき物や人物がどんどん変わっていき、
混乱しましたが
基本は皆んないい人じゃん。皆んな一生懸命に生きてるよね。と思ってきました。
その内にLGBTの色合いが濃くなり
ラストシーンを見終わった頃には、
怪物探しをしている自分が、
実は怪物だったのでは、
と思ってしまった次第です。
是枝監督に怪物探しをしているあなたが、あなたの思考こそが怪物を生み出し、不幸の連鎖を引き起こすのだと、突きつけられてしまった感じでした。皆さんはどうでしたか?
私はエンディングの坂本龍一の曲が流れている中で、しばし呆然としてしまいました。
好きな映画ではないけど、映画を観たと言う実感が湧く映画でした。
出演人ですが
初めは安藤サクラさんの自然な演技に感心してましたが、永山瑛太さん、田中裕子さんは更によかった。
それに匹敵するぐらい子役の2人は素晴らしい。
kids are alright
全員のそれぞれの視点からみた時に分かる作品
視点切り替えが面白い
何の予備知識も入れず、映画館で観た予告だけで惹かれて観にきたので、ナニか森に得体の知れない怪物が潜んでる…とか、そーゆー類の映画だと思ってましたw
だからホントに途中まではいつ、どんな怪物が出てくるんだろーって、ワクワクドキドキしてましたw
麦野親子のシーンから始まって、お父さんが亡くなってシングルマザーと小学生の男の子の2人での生活だとすぐわかる。
少しずつ様子がおかしくなる息子の湊に不安になり、息子が学校の保利先生にいじめられてるかもしれないとなり、学校に抗議に行く母。
学校の校長先生はじめ、保利先生、その他の先生の様子がおかしい。対応が酷くてイライラする。
特に校長先生。
話合いの中でもしかしたら息子はクラスの男の子を虐めてるかもしれない…という問題も浮上してきた。
その男の子がクラスメイトの星川依里君。
と、物語は湊の母役の安藤さくらの目線で展開していく。
で、その後、息子の湊目線、保利先生目線、校長先生目線、星川君目線と切り替わってちょっとずつ答え合わせをしていく感じで物語が進んでいくのが、すごく面白かった。
大人の醜さ、子供の危うさ、言葉の重み、イジメだけじゃなく、色んな感情をとても上手く表現してた。
全部を解明してくれてはなくて、『え?これって?』という疑問がいくつか残されてて、観る人によって解釈が分かれる部分が散りばめられてた。
かと言ってモヤモヤが残るのとはちょっと違う感じでした。
坂本龍一さんの音たちも、物語ととてもいい重なりをしてて、良かったです(^-^)
是枝監督こそが「怪物」である。
奥深い作品
ちょっと違う
いつもと違うよね、
是枝さんじゃないなー。
脚本家変わると味も変わるもんだ。
先ず、タイトル。
是枝さんならこーゆータイトル付けない。
タイトルが台詞に出てこなかったりする。
「怪物」このタイトルは、
探してしまうし、当てはめて観るし。
そして、役、台詞、ダイレクトですね。
分かり易い。
この役、安藤と瑛太じゃなくても出来るが、
彼ら2人の怪物級役者だと凄みは増す👍
安藤は丁度良い間で、丁度良い音量で、
丁度良いツッコミしてくれるし、
瑛太はポンコツ具合が程良く、
「友罪」の時の少年Aを彷彿とさせる。
多分だが、今回是枝さんが言いたかったのは、
少年2人のパートではないだろうか。
あそこはとっても、是枝作品ぽい作り。
抽象的で叙情的な演技の味付けと、
それをやり切った2人の怪物級少年👍
「やっぱり嘘」アレ良かった👌
第二の柳楽優弥か、
それとも仮面ライダーか🤣
(鈴木福の事です🙇🏻♂️)
ラスト、クビになった先生は気づいた。
母親は多分気づいてない。
先生の口から全て話して欲しいが、
そこは、野暮な話か、
「真摯に受け止め」ましょうかね😜
ちょっと違ったけど、
テーマが身近で惹き込まれ、
観応え十分で面白い。
「花束みたいな〜」観てないからなー😅
ソレ観てたら、
気合いと期待込めて観たかもしれない。
※追記
「ロストケア」に続いて、
またしても諏訪湖でのロケ。
貨物列車は中央線かな。
あの公園は、
ずんのやすと坂井真紀が手を繋いでた場所。
諏訪湖は映画誘致に頑張ってるのですね。
怪物は自分たちだった
まず、是枝監督の作品はやはり面白い。
それから田中裕子さんの実力がすごい。
少しの動きとわずかな表情だけで憎らしく思えたり、苦しさを飲み込んでいるんだなと思わせる。
社会問題を提起する作品だけれど、サスペンス要素が軸となり、交錯した3者の視点で展開する。終始引き込まれて見ごたえがあった。
立場によって誰が怪物にみえるかは各々だと思う。
だけど結局、怪物は私たち世間ではないか。他人の過ちを糾弾したり、ほんの一言に過剰に攻撃したり。
その怪物から自分の社会的立場を守るために、教師たちは必死になった。
必死になって身を守ろうと自らも怪物となり、増長していく。
皆が自分を守るために長いものに巻かれたり、忖度しあって嘘をつく。
子供の世界であっても同様。マジョリティ側で居ようと、影響力のある側に付く。
見ない振りをしたり、間違っていると思っていても抗わない術を既に身につけている。
息子に依存する母親、嘘の自供をしてしまう教師、自分の置かれている立場や掛けるメガネによって、事実の捉え方が違っている。
自分自身が怪物になっているとは気付かず、むしろ犠牲者だと思い続けている。
みなとは純粋がゆえに、嘘をついて自分を守り、人を傷つける行動をする度に、己を許せず傷ついた。
子供たちを犠牲にしてしまったのは、自分たちではなかったか。
人を傷つけ犠牲にし怪物となった自分の行動に、実は大人も苦悩していたことがせめてもの救いだった。
すべての根元は人間の弱さで、弱さが保身に走らせ、弱さが世間の目となって人を罰する。
多くの人が、寛容さを失った今の世の中を、異様に感じながらも、流されるままである。
自分の手を汚していないようで、犠牲になった人は案外多いのかもしれない。
結局の処、み~んな「怪物」!!ラストも「皆さん、どうお感じに?」と視聴者に託すみたいな!?
あとから効いてくる
今までとは毛色の違う是枝作品。
今までの是枝監作品と言えば、脚本から編集まで全て自己完結。何気ない日常を切りとったような静かな画がスクリーンに映し出されていた。が、今回の脚本は坂元裕二さん。一つの事柄を立場の違う人たちが多方向から見ることで、感じ方や受け取り方が全く違ってくることの怖さ。そして、誰もが怪物(モンスター)になりうるし、善と悪を単純に線引きも出来ないことが上手く描かれていた。田中裕子演じる小学校校長の能面のよう表情の不気味さに気持ちがザワザワした。無表情の中にも喜怒哀楽を表現しているところが流石と思った。子どもたちには子供たちの、親には親の、そして学校には学校の立場から見えるものや感じることが有って、何が正解で間違いなのか?これって普段の生活の中でも有ることで、一方的な見方考え方に警告を出していてくれているのか?と思ったりもした。
ホルンの音色が悲しく聞こえる
物語をそれぞれの視点から作り上げていくと、本当はこうだった。と、見方がどんどん自分の中で変わっていく。
これは、本当にいじめなのか?暴力なのか?
親の視点から見ると、怪物は教師。
教師の視点から見ると、子供も親も怪物。
子供の視点から見ると………
私の視点から見ると、嘘が怪物を作り出す? 言葉にまとめられない…が、本当の感想。
「お父さんみたいになれなくてごめんね」の本当の意味が分かった時の衝撃が、涙になる。
2人がクリーンな緑の中で走り回る姿を見て、じわじわと涙になる。
2人には2人にしか分からないことがあり、2人のこの時間を壊さないで…と願い、観終わった。
やはり、この映画はスゴい。
そして、スゴい演技力です。
田中裕子さんが、ホルン片手に語った言葉とシーンがとても心に残りました。
噂や憶測の醜さ
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