怪物のレビュー・感想・評価
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人は考える生き物です
痛い
視点を変えると見えてくる
やばいモンスター教師がいる学校のお話かと思いきや、違った。
それはある一人の視点に過ぎず...。
母親目線だと、息子はいじめられているように映り
保利先生目線だと、ちょっと変な問題児
だが、実際は物事をしっかり考えられている優しい子でした
中でも、母親目線が面白かった この映画はシリアスに見せかけてコメディなのかな?って思った。
テンプレのような言葉しか繰り返さない、暴力を決して認めない教師たち
校長室のやり取りは本来むかつくシーンなんだろうけど面白い。
先生が人間ではないロボットみたいに奇妙で異質。そんな中での、安藤サクラの芝居が光っていた。
ひとつの視点だけでは見えてこない世界がそこにはあって、自分だけの視点の憶測で決めつけて片付けてはいけないなと思った。
他人に罪を着せてまで自分の社会的地位を守ろうとする奏。は、共感できる部分はあるなと思った。罪を着せるはなくとも自分の地位や見え方を気にして自分を守るために嘘をついてしまう場合ってあるよなって。嘘をついて自分を守っていても、本当のことを言いたくなくなっちゃう感じ。奏は自分と似てるところがあるかもしれない。。
母親目線で見ると、いい母親として映っていたけど奏目線で見ると一番奏を苦しませている存在だ。母親にとっての一番の敵だった校長先生は、奏目線だと、一番の同志(お互いに自分を守るために他人に罪をかぶせている)で味方(大人の中で)なのが皮肉が効いてて良い。
誰かにとっては、敵でも、またある人にとっては味方で。
良い人や悪い人というのはひとつの言葉で括れるものではない。この人物たちは、傷つけられて、傷つけて、みんなそれぞれが誰かにとっての怪物であった。
バックカメラは絶対必要
ブタの脳を移植した人間は人間?ホラー映画に出てきそうなおぞましい会話が頭を離れない。三者三様のドラマが時系列をあやふやに構成され、観ている者をも不安にさせる。最初は安藤サクラによるモンスターペアレントだったが、モンスターというほどのレベルではなく幾度となく学校に通う執拗さだけが不気味だった。保利先生が学校を辞めさせられるのも、校長をはじめ周りの教師の態度が決定打だったな。
保利先生の視点。殴ったのではないのは本当だった。しかし、その対応がお粗末だったことは否めないように感じられる。そしてイジメの認識にしても独善的で見誤った点には非があるし、完璧な教師などいないことを痛感させられた。
湊の視点。結局、小さな嘘が大勢を揺るがしてしまった感じ。その根底にはいじめられていた星川のことが好きだったから。こんなこと誰にも言えない。自分がブタの脳だとして自虐的になるのも理解しやすい。
ガールズバーの入ってるビル火災。一つのモチーフとして犯人が登場人物の中にいるんじゃないかと推理させ、放火犯がいるかいないかを想像させる。そもそも「怪物」は誰なんだと観客を攪乱させることが狙いだったのか。そうやって「悪」を探すことがすでに術中にハマってることなんだろうなぁ。
湊と依里のパートで、捨てられた廃電車や廃線跡の風景がとても良かった。少年たちの隠れ家として最高!ナマケモノの特技というエピソードは俺向き。「将来」といった隠れテーマも登場人物の未来像を想像すると面白い。保利はちょっと可哀想だけど・・・
現在、教員試験の競争率は地域にもよるが激減していて、残業時間が減ったからといって就きたくない職業になりつつある。熱血教師なんてもはや要らない(TVドラマ『御上先生』でも言っている)。将来的にはAIを取り入れた授業が増えるんだろうなぁ・・・こわいわ!それよりもバックミラーなどサポカーをもっと増やしてほしい・・・
素直に感動だが…
怪物は誰の中にも棲んでいる。じっと存在を潜めて深く静かに・・・
男の中に女が棲み女の中に男が存在している。それは無意識の中だけれど確かに存在し人それぞれに潜在する意識下から顔を出しパニックを起こさせる。自我と自己を理解せずに野放図に飼い慣らしてしまうと周りの人間を巻き込み奈落の底へ導く。それは人間にしか起こりえない事象なのか症状なのか病気なのかまるで見当がつかない。この映画を観て怪物探しをしても無意味だろう。怪物は登場人物一人一人なのだから。
映画がはじまり安藤サクラ以外の人々がすべて狂っている人のように思わせる。しかし映画が進行するに従いみんな良い人に思えてくる。それはおかしなことはす訳が用意されているように作られている。その理由がなんとも幼稚だ。だから映画がダレてしまう。観ている者が容易に思いついてしまう。もしくは先読みをしてしまうからだ。しかしひとつだけ解き明かせないと感じさせるよう意図されているのがひとつのこされている。男が男を恋する気持ち。少年は子供ではない。とっくに子供たちは気づいている。ただ認めたくないだけ。そんな気持ちを大人は解ろうとしない。辛抱が足りない親や教師は短時間で理解しようとする。人の気持ちなんてわかるはずがない。そう断定してもいいのだろう。今は・・・・待ちきれない大人たちは子供を不幸にするだけなのに。本当は夜空や雨や風の匂いや諏訪湖の湖面の変化について一晩中でも話しあっていたら、多分とても幸せな気分のひとときが味わえたろうに。
初見ではよく分からなかったけど…
タイトルなし(ネタバレ)
皆んな怪物の一面があるっていうパターンなのかな?って序盤で思ってから長かったなぁ…色んな視点から見せる方法は特に新しくないし。もちろんつまらないわけじゃない。クオリティーは高いし、演者も素晴らしい。
豚の脳ってフレーズは良かった。
同級生の女の子のスタンスはなんか絶妙で良かった。
僕たちの愛
教育現場
やっと見れた。
ハードル上がりきっちゃった感は否めないけど、確かに評価されるだけのことはあるなと。客観的に見ればみんな異常者だよな。はじめはいかにも校長、担任が怪物に見えたけど、視点を変えると全然普通。普通だけど、確かに異常な面がある。母も同情を買っといて、冷静にみるとかなりの過保護だし先生たちからみると悪質なモンペ。つまりは我々も同じ。普通に振る舞ってても、異常な部分はある。そこに気づかせた是枝監督に感服。最後、二人は死んじゃったってことなら、それは報われないなぁ。しかしこの学校の対応は令和の時代に合わない。田舎だということは言い訳にならない。
是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一
物語の見方が2転3転する映画
予告編・序盤までは「怪物」「豚の脳みそ」などのワードでホラーよりのサスペンス映画かと思いながら鑑賞。なかなか1回の鑑賞だけでは消化できず、他の方のレビューやブログを読んで補完できるいい作品でした。見終わってからは中村獅童演じる星川父が一番の怪物だなと思ったが他の方のレビューで、誰が怪物か?と猜疑心を抱く我々の目が怪物という意見に最も納得した。
あなたの中の怪物
是枝裕和監督作品の中で物語が
一番ちゃんとしてるというか、上手いと思った。
脚本が坂元裕二が担当したからかもしれない。
それぞれの視点から観ていくと、皆、勘違いし合ってる。
ただ一部を除いては。
それは依里の父親と依里をイジメていた生徒達。
彼等立ちが「怪物」なのでは?と、個人的には思った。
でも、イジメを知りながら傍観していた湊とクラスメートも
ある意味「怪物」だったのかも?
でも本当は「あなたの中にも怪物がいませんか?」
というのが真のテーマなのだと思う
安藤サクラは相変わらず上手い!絶対に裏切らない女優
永山瑛太も上手い俳優だと常々思っていたし、今回も良かった
ラストは観た人それぞれの解釈に任せるという感じで
個人的には、二人が死ぬ寸前に観た「理想の世界」だと解釈しました。
タイトルなし(ネタバレ)
依里は父親から「お前の脳は豚の脳だ」と教えられ、それを治すために父親は息子の依里に水風呂に入れたり等の暴力を振るう
後半に湊が依里の家に行って依里が「僕治ったよ」と言っていたなぜ治ったと言ったのかの本当のところはわからないけどお灸やろうを垂らすなどの父親が思う最大級の(暴力は何だろうと悪だけど父親視点で)暴力を耐え抜いたら病気が治ったってことなのか?と自分では思った
保利先生が湊の母のいる応接室に近づいて先生に取り押さえられてがんじがらめにされた自分の体を振り解いて湊の母のところに近寄って「申し訳ございませんでした」と謝るまでの動きが面白かった!
・耳を引っ張ったり、腕を捻ったりお前の脳は豚の脳だって言ったのは依里の父親なのに湊は担任の保利先生に言われたやられたって言ったのは暴力被害を第三者に言うことでもっと父親が依里への暴力がひどくなると思ったのかな?
誰にされたかを(湊はされてないけど)言い誤ると教師ではいられなくなり解雇されたりすることもあると理解が及んでいない点が小学生のリアルになっていた
・自分はされていないのに自分のことのように動揺して保利先生にされたと言ってしまったのか?
湊が保利先生に豚の脳などと言われたと言わなければ湊の母は学校側が困るモンスターペアレントにならなかったのかなぁ
父親が虐待で罰されることはなく家族は介
入しずらい狭い世界だと思う
・一人一人の視点で物語ができていて見方が全然違かった
湊の母視点だと校長先生や保利先生を警戒していて、湊視点だと校長先生は誰にも言えないことを話せる大人という存在だった👀
人は人によって見方が違うことがわかった。だから何が本当のその人かなんてわからないな〜。
⭐︎4.3 / 5.0
子役の演技は印象に残ったが...
始まって40分くらいは興味津々だったが、そのあとは釈然としない。
そこらのエンタメ映画とは違うんだぜ、と言わんばかりの純文学風の内容だが、そのわりには、わざとらしい漫画チックな演出が散見される。例えば、母親が学校に文句を言いに行ったときの学校側の対応なんて、まるで漫画に出てくるような、これでもかと言うぐらい過剰に憎たらしく描いている。また、中村獅童演じる父親は、教師の安月給を馬鹿にしたり、息子に「お前の脳は豚の脳。病気を治してやる」と言ったり、これも漫画に出てくるような性格の悪いサイコパスっぽく描いている。他にも、他の方も指摘しているが、問題の教師が母親に謝罪するとき急に飴を舐めだしたり逆切れしたりするが、これはのちの展開でその教師の本当の姿が180度変わることをカモフラージュするため、わざと「嫌な教師」の演出をしたのだろうが、単に不自然で矛盾する演出となってしまった。
内容は、ある出来事に関して次々に視点が変わり、見る者が思っていた真実も変わっていくという凝った作りになっている。でも結局これが導きだすのは、実はこれこれが真相でした、ということだけの話で、作者が本当に言いたいことはいろんな視点を行ったり来たりするのでぼやけてしまっているように見える。もし、「人は誰でも見方によっては怪物になりうるのだ」あるいは「信じているものは本当に真実なのか」と言いたいのだとしたら、先生視点のパートや子供視点のパートのエピソードはもっと短くていいはずで、あれだけ長いのなら他に何か言いたいことがありそうだが、よくわからない。特に、終盤の子供視点のパートは長くて2人の友情(怪しい関係?)が育まれる物語に変わってしまい、もはや「怪物だーれだ?」とは関係ない展開になっている。そういう意味で、色々なエピソードを詰め込んでいるため焦点が定まっていないように見える。結局なんの物語だったんだろうというモヤモヤした気持ちだけが残った。こういう映画は、いくらでも勝手な解釈で深読みできるので、「いやいや、君は分かっていない」と言われそうだが。
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