「あり得ない話をさもありなん、が満載。」怪物 りかさんの映画レビュー(感想・評価)
あり得ない話をさもありなん、が満載。
学校生活は誰でもが経験しているので、ちょっとしたことは見聞きしているかもしれませんが、本作で描かれているのは、あり得ないことだと思います。
一つ一つのエピソードを拡大し誇張したものにして、鑑賞する側に驚きを与えつつ惹きつけ、
えらい学級や、えらい時代や、と思わせようとしているように思われます。
またタイトルを怪物とし、誰なのか見つけ出させるよう誘導する奇をてらった引き込み方にも
疑問の目を向けざるを得ません。
教師の体罰について、偶然性や子供の嘘で捏造できるような事態なんてあるのかと思いますが。私は存じませんが、全国的にはあるのでしょうか。
現実は、体罰があっても表面に出ずにいることが多くこれはこれで問題ですが、対して関係ない教師に累が及ぶ事態など考えられないです。
校長役田中裕子さん、眉毛を黒く太くして、こんな人、校長いるなぁ、見たような気がするなぁ、と見た目で思わせ、感情のこもらない話し方で、(ああ、おっとろし、面倒くさー、早よ帰ってくれへんかなぁ、)という思いが透けて見えます。話しながら折り紙するのは、イライラを抑える為。ちゃんと聞く気無いです。
孫の事故死を挿入した理由が不明ですが、
机上に飾ってある孫との写真を親の来校に備え、見せるように置き換えているのを見て、そんなに可愛がっていて悲しんでいたわけではないと気づかせてくれました。
近所に住む職員の噂話も加味して、この校長をさらに不気味に見せたい狙いかと思います。
そして、とにかく謝れ!という姿勢。
これは事実。あるところはあるでしょう。学校現場だけでなくとも、常套手段としてあるでしょう。
謝れば済むのか?と論点問題点をごまかそうとするわけですが。
反対にしっかりと事実関係を調べ上げて対処するところもたくさんあるわけで、真面目に働く者には迷惑。
結局、主役の子役二人演技が上手いし、実際は、仲良しの間柄、担任として注意指導すべきは、依里君や二人を囃し立てる周りの男子でしょう。
湊君の依里君への気持ちをごまかす為に母についた嘘。母は忙しいからか、湊君の嘘を鵜呑みにして学校に乗り込み話が大きくなり、
担任退職に追い込まれる、あり得ない話。
追記:
2回目鑑賞。依里君がガールズバーの放火に関わっていないか。炎が燃え盛る様子を遠景に歩道橋に佇む校長にぶつかった拍子にチャッカマンを落として走って行った依里君。これだけでは判断つきません。
依里君が、5年生であるにもかかわらず鏡文字を書いたり、朗読もたどたどしい。午前2時迄出歩くのがよくあるような生活も含めて父親のほったらかしがうかがえます。他児童にからかわれる原因ともなっています。
校長が折り紙折りながら話していたのは、拘置所の夫に面会に行った時。このシーンで運転していたのは校長だったように思えました。孫の墓を自分たちとは別にすると子供夫婦から言われる原因を作ったのは自分だと認識していたようにも見えました。相談室のベランダに出ていた湊君がウソつきました、と告白した後校長も一緒だよ、と言ったことからも。同時になぜ、校長をこんな人物にしたのか、疑問を感じます。
スーパーで走り回る子供にコソッと足をかけるのも、なんだかなぁ、気持ちはわかるけど、
してはいけない事です。ケガさせるかも。
(なぜ折り紙折りながらの場面で気づくかと言うと自分も経験があるからです。自分の場合は、全く別でただただ騒がしい帰りの用意を待つ間のことですが、他に用事が無く待つのがイラっと来るので。折り紙すると心が平静になります。滅多にしませんが。)
近年LGBTへの理解が少し深まり公的機関の認証も微々変化して来ていますが、小5の男の子の気持ちってどうなのでしょう?それも二人揃って、というのは明らかにおかしいと感じました。
ラスト、湊君の母親の慌てぶりを観ていると、二人は亡くなってしまったのでしょうか。口癖のように言っていた、生まれ変わったのかな?にいや、違うよ。の返事。依里君が転校する辛さから二人逃げ出したのかも。湊君も母親の口癖の普通の家庭を作ることができない自分からの逃避だったのかも、と描かれていますが、前述のようにここまで考え悩むか不明です。
ラスト二人を死なせる必要あったのかどうか?無理に怖い話に仕立てたようにとれます。
<3回目鑑賞>
図工の時間、依里君の絵の具雑巾を投げ合いしていた男子が、従わない湊君に囃し立てるところ。男子と女子ならともかく、男子同士なのに、あの囃し立て方、現実を見ずにこうあって欲しいストーリーを書く方の思いの方向に引っ張って行くように見受けられます。
校長が折っていた折り紙、変わった形の騙し舟のような気がします。
(蛇足)
2回学校の倉庫が出て来ますが、スカスカ、いいなぁと思いました。現実味が無いとも思えました。
あんなところに電車をほったらかしにしているのか疑問。鉄道会社が対処すると思いますが。
校長と金管楽器吹き合うのも意味不明。校長が自分のウソを吐き出している?
母親が来校した時、校長が靴箱の前で床を削っていますが、こびりついたガムを取る作業かと思いますが、あり得ないです。日本の小学校の床にこびりついたガムが有るなんて。脚本家は、何を見てストーリーにしたのか疑問です。また、この校長には、これくらいの仕事しかできないと思えました。
自分でいうとマイナスゴジラの山崎みたいなもんですね🤣
なぜかわからないけど異常に嫌いな監督って必ず1人くらいはいますよね。
たぶん生理的に受け付けないんだとおもいますよ! 自分も山崎作品は誰がどれだけ賞賛しようが全作品完璧に無理だし😂
あと 密かにフォールガイが完全に合わなくて今年のワーストですし🫣 映画の合う 合わないって面白いですねーしかし
視点が違えば見え方が変わるってのがポイントなんだろうなあって感じで観てました! この作品クローズって作品にかなりテーマが似てるんですねー
りかさん、コメントありがとうございました。本作かなり気に入らなかったようですが(私も!)、細かく観察されてて凄いです。少年二人を美しく見せる為か、大人たちを嫌らしく描きすぎですね。私は校長が一番嫌い。昔は知りませんが今や無能で保身しか考えてないですね。音楽室でのやり取りも、だから何?と思いました。観客はあれに意味を見出そうとするのでしょう(そう仕向けられている感じ)でも、湊の心に残るような事とは思いません。あんな校長、実際にはいませんよね。
コメントありがとうございました。
瑛太は逃げてるだけで、自殺しようとしている訳ではないと思って観ていました。
彼が死のうとする意味がわからないですし、ラストで2人を必死に探しに行くことと矛盾が生じます。
自分がこの作品から感じたモヤモヤというのは、よりステレオタイプなわかりやすい表現にして、興行的にヒットさせようというプロデューサー川村元気の関わりでこうなってしまったのではと想像を膨らませているに過ぎないのですが、彼が関わる作品に共通して感じることなので、自分は相性が悪いのです。
コメントありがとうございます。
りかさんの根気そして粘り真実を突き詰めようとする熱意。
本当に集中してご覧になってますね。
脚本家も頑張ったのは確かですね。
1シーン1シーンに意味を持たせて、意地悪に、《人間の行動の裏》を
描いて。
ヨリくんの不幸。ヨリくんも不幸だけど湊まで巻き込んで。
やはりヨリくんの存在が怪物なのでしょうね。
遅くなってすみません。
ガールズバーに放火したのもヨリ君でしょうね。
いつもチャッカマン持ってるし、お父さんが(先生も)
ガールズバー乃常連でしたね。
ガールズバーに好奇心があるし、ヨリ君はかなり問題児童ですね。
消防車が来たりパトカーが来ると興奮するたちなんでしょうね。
こんにちは
コメント・共感ありがとうございます。
確かに有りそうで無さそうな物語ですね。
そして気分悪くなる映画ですね。
親も親なら、教師も校長も、
そして子供も子供らしくない。
多分ヨリとミナトはトンネルの中に、死の世界に行ってしまったと
思いませんか?
モンスターペアレント、
無責任な学校、
そしてあんな幼い少年たちが、ゲイだなんて、
特にヨリくんは生まれつきそういう子なのかも知れません。
ヨリとミナトが出会いさえしなければ‼️
ミナトが教師に体罰を受けたと嘘を言う行為は許されません。
永山瑛太はもっと毅然と立ち向かうべきだし、
安藤サクラも子供の言うこと鵜呑みにするし、
本当に有りそうで絶対にあり得ない嫌ミスですね。
(子供をダシに使ってて嫌だと思います)
学校の担任教師は責任が重すぎますね。
気の毒です。