「子どもにも、色々ある。」怪物 チラ見ヶ丘キネ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
子どもにも、色々ある。
とても良かったです。
前情報何にもなしに観る前は、大人中心の話なのかな?って思っていたけれど、実際はジュブナイル期の子どもの話を中心に、大人がオマケ程度で存在している感じ。
30年以上も前の自分の、小学生時代を酷く思い出しました。
あの当時の自分にも、恐らく、色々あったんだろう。
あの当時の大人にも、この作品のように、色々あったんだろう。30年も前の昔の話をするなよ…昔はこの映画ほどの事は実際あまりなかったんだよ、って誰かが言うかもしれないけれど、昔は今よりももっと閉鎖的だったから、実はもっともっと色々あったのかもしれない。
嘘をつく大人、保身に精一杯の大人、早とちりする大人、子どもが疎ましい大人…。ここら辺の一部は実に今風だけど、子ども自身の頭の中は昔から実はそうそう変わっていない。
見て見ぬふりする事への罪悪感、イジメの対象が自分に向けられる、助けたいけどどうにも出来ない、親にさえ話せない、秘密基地でのあの恐ろしく幸せな時間…。
子ども時代の無垢な心を、たぶん持っていた自分にも、イヤでつまらない大人になった今の自分自身にも、多少なりとも経験ある事があり、とても胸を打たれました。
子を持つ親なら観て損はない映画だと思う。
〜劇終〜
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