「怪物だーれだ」怪物 まめさんの映画レビュー(感想・評価)
怪物だーれだ
公開前から絶対見ようと思っていた作品。
是枝裕和監督×坂元裕二脚本。
気にならないわけがない。
「怪物だーれだ」という予告のインパクトから、まんまと怪物探しに来てしまった。
そして、サスペンスかホラーものだという思い込み。
映画の冒頭から、怪物と思われるキャラが続々と登場。
日常から、仕事で学校で、何かあると人々は犯人探しをしてしまう。
誰がなにをして、どう言って、誰が悪いのか。
事件や噂話にしても、自分が聞いて自分が見て、自分が感じた事が、真実とは限らない。
ただの日常会話も、人がどう捉えるかわからない。
そして人は簡単に嘘をつく。
なんでみなとくんが急に走ってる車から飛び降りたんだろうって思ったけど、その直前の安藤サクラの普通の母親の気持ちが原因と思うと切ない。
家族や先生からでるフレーズ
男なら、普通の結婚、普通の家庭、、、
普通ってなに?
幸せってなに?
どっちにも解釈できるラストは、
よくある【見た人の想像におまかせしまーす】系ではなく、【見たことだけが真実ではない、結局はなにもわからない】って意味かなと思いましたが、坂本龍一がレクイエムを作ったということは、そういうことか、、とも思いますけどね。
子役ふたりがとにかく素晴らしかった。
安藤サクラは、母親なら誰しもこうしてしまうだろうなという共感と危なさ。でも子を思うからこそ。
瑛太の2面的な演技はさすが。
最後までみたら、最初のあの態度もわかる。
クソに見える中村獅童も、シングルファザーとして悩み葛藤してあんなことになってるのかもと思うと悲しいですね。
怪物の鳴き声に聞こえる不気味な音の正体も、誰に言えない叫びだと思うと辛いですね。
田中裕子が漏らすセリフが真実だったりしますね。
感情の死んでると思ってた校長が1番全てを分かっていたかもしれない。
そして、カンヌが盛大なネタバレですね。
あえて怪物関連のニュース見ないようにしてたので、観る前に知らなくてよかったです。