劇場公開日 2023年6月2日

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「“怪物”たちのための映画だった」怪物 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5“怪物”たちのための映画だった

2023年6月5日
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世界的に知名度がある是枝裕和監督と
日本を代表する脚本家の坂元裕二が
クィアをトピックにして映画を撮ったこと自体は
素晴らしいことだろう。

しかし本作でのクィア性は、
所詮、トピックでしかなかった。

“怪物だーれだ”
製作者はこの言葉を厭に気に入っているようだが、
そんなの問い直さなくても、決まりきったことだ。

母親は結婚やら理想の家族像を押し付け、
先生は男らしさを規定する。
そんなのアウトだって啓蒙するのって今更すぎないか?
どんだけクソジジイを対象に映画作ってんだよ。
タイトルからして怪しいと思ってはいたが、
怪物のために作る映画って本当に意味あるの?

そしてその“怪物”性を描くために、
それまでは二人の少年の繋がりはクローゼットされる。
単純に、後半の二人の姿から観られればよかった。
前半部分のミステリー要素なんて本当に冗長で、
特に母親と校長の諍いとか本当に見たくなかった。
田中祐子にあんな言葉言わすなよ。
(二人で演奏するシーン)
瑛太パートとか何のためにあるのマジで。
そういう諸々抜きにしても、単純に面白くなかった。
行ったり来たりしてまで描きたいものが見えてこなかった。
言葉の暴力とかをいちいち伏線にするなよ。
謎として解き明かそうとするなよ。
何年前の映画だよ。観客は先進んでんのよ。

ラストシーンとか、本当に、は?だったよ。
この主題で曖昧さを残すとか許されないんじゃないかな。

「ハートストッパー」とか
「ムーンライト」とか
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」とか
観てんのかな?
当事者たちが映画の中に自分を探してきた
その旅の深さを舐めすぎてるよ。

結局は、マイノリティが物語として消費されただけだった。
物語でもないか、感動ポルノに近いかもしれない。
涙も流れないよ、、。
もう当事者としての涙しか流したくない。

追記。
やっぱり瑛太パートで気に食わなかったのは、
マイノリティが周囲からの日常的な圧力で
身を隠そうとしてしまったときに、
何故マジョリティが犠牲になる、みたいな
描き方をしてしまったのかという事だと思う。

だってさ、いま起きてることって、
例を挙げれば黒人差別者によって無害の当事者が
通報されたり殺されたりとか、
トランスヘイターやトランスを偽る加害者によって
無害の虐げられた人々がより不幸を被る
とかってことじゃない。
それをさ、なんでマイノリティも加害者になり得るって話にしてるの??現実と全く擦りあってなくない?

JYARI
いぱねまさんのコメント
2023年6月6日

失礼します

出自や指向性が安易にメディアにおもちゃにされる、もうずっと行なわれてきたことです
今作でも背景に映っているテレビ番組について台詞で言及されていましたね
勿論、それに対してのマイノリティへの傷付けは最小限に防がないといけない 同時にドラマを紡ぐ人達は、タブーを犯すリスクを如何にして回避しながらそれでも人間の闇を突いた"原罪"を引き摺り出し、白日の下に晒したいという欲求に付きまとわれています
その表現方法やターゲットは作品事であり、時間軸は関係無いと思っております 今更古いとかそういう時代じゃないとか、それは一重に個人的主観です レビューそのものが主観ですからこれも又尊重すべきです

何が言いたいかと申しますと、貴殿はそれほどこのテーマに対しての真摯な姿勢を或る意味認めていらっしゃると感じました
感情的とはいえ、論理性を忘れておりませんでしたので

生意気な事を申して大変失礼しました

いぱねま
ゆきさんのコメント
2023年6月5日

こんにちわ。
主様のレビュー、そうそうそう!!と激しく頭を上下です!!本当にもう、、期待し過ぎていた私が悪いのか?久々に眠くなってしまいました(゚∀゚) このお二人がクィアを扱うって興味深かっただけに、仰る通りただのトピックで終わってしまって残念過ぎます( ̄∇ ̄) 飴をなめるな!!観客を舐めるな!!ですw

ゆき