「手に入るもの」怪物 gomako1933さんの映画レビュー(感想・評価)
手に入るもの
嘘って誰のために
何のためになんだろう。
自分守って
自分に嘘つくのはしんどい、そう追い込まれてしまう世の中(マジョリティ)の都合から身を守りながら
自分の心の動きを目を凝らして見続ける気持ちを持てるか持久力と耐久性が必要。
大事なことは言葉にできない
言葉になり得ないものを抱え込んでる人たちの話、なるべく言葉にせずに伝えようと思った(是枝監督)
言葉や表情身体で伝えても応えてくれる相手が自分にとって大事で、ほんの一握しかいない。
怪物探しをするばかりでは
言えない抱え込んでいるものに気づき受け取れる社会には道が遠い。
三者三様の三部構成。
ちょっと真偽不明のところもありますが
一回観るだけでは見落としてることがあるでしょう。
是枝監督がずっとテーマにしている社会の貧困。
貧困の根源は経済か愛情か…
イジメの場面がしんどい。
2人の少年、湊と依里が教室に居場所のない様子はその空気に感情が溺れてしまう。囃し立てる子たちの社会から心の貧困を映す場面がほとんどない尺に入らないのが残念。
周りはその他大勢とし役割として都合の良く切り取って消費してしまった、その辺りが物語を薄くしているのではないか。
同調圧力、何に怯えているのか、それぞれの中に怪物は宿る。
学校で形を変えて、この様な同調圧力が日常的にあるんだろうかと思うと気が重くなりました。
本当の自分の気持ちをそのまま言えない、そして自分の言葉が人に傷を負わせるのを快感とする社会はあまりにも思いやりがなく想像が貧しい。
思春期の自分の心に対する問いは人を好きになること、
そこから自分の形が見えてくる。
そして相手を大切に思いやる感情は親からの愛情が基礎になる。
そのままの自分をどう受け入れていくか
相手をどう受け入れていくか。
自分だけ特別に手に入るものより普通に手に入るものが幸せをもたらすのかな?
異形の心は怪物なのか?
「怪物だ〜れだ」が耳に残る。
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