「世界に自慢したい邦画」怪物 ちはやさんの映画レビュー(感想・評価)
世界に自慢したい邦画
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映画は3者の視点から描かれます。
序盤は、湊の母(安藤サクラ)の視点から始まります。湊の不可解な行動と、学校側の真実をひた隠しにしようとする様な対応に、観客側をイラつかせます。当然誉め言葉です。それにしても、安藤サクラさんって、未亡人役が本当にはまっていますね。夫死後も気丈に前向きに生きていこうとする姿、目の演技は見事です。
中盤、湊の担任(永山瑛太)視点では、前半は不審の対象でしかなかった人間が、本人目線で描かれています。瑛太も、「悪気はないけれど、ぱっと見はちょっと変な表情」を出すのがうまいですね。
最後、湊の視点。ここで前中盤に描かれていた、諸々の伏線が回収されていきます。
さすがの是枝監督×坂元脚本コンビ。映画は終始退屈することなく、人物表現に自然美と考えられた構成で秀逸な映画ですね。ラストシーンの故・坂本隆一の音楽との親和性も素晴らしいです。
「世界に自慢したい邦画」と感じました。
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