野獣の血

劇場公開日:

野獣の血

解説

「偽りの隣人 ある諜報員の告白」やNetflixドラマ「模範家族」で知られるチョン・ウの主演で、1990年代の激動の釜山を舞台に、極道たちの生きる姿を描いたノワールサスペンス。

1993年、釜山港の外れに位置する街クアム。養護施設出身で札付きのワルだったヒスは、街を牛耳るソンに拾われ、その右腕として一帯を仕切っている。クマムのような小さな街にも利権をめぐるヤクザたちのにらみ合いがあり、クアムに目を付けたヨンド派が、ヒスとともに養護施設で育ったチョルジンを使い、ヒスを懐柔しようとしてくる。ヤクザ稼業に嫌気がさしていたヒスは、ソンのもとでのし上がることも、ヨンド派について金を稼ぐことも、そのどちらも望んではおらず、恋人のインスクと一緒に巨済島でペンションを開いて静かに暮らしたいと思っていた。ヒスはソンのもとを訪れ、組織を抜けたいと告げるが……。

原作は「設計者」「キャビネット」などが邦訳されている作家キム・オンスによるノワール小説。自身もベストセラー作家のチョン・ミョングァンが初メガホンをとって映画化した。主人公ヒスをチョン・ウが演じ、「箪笥」「殺人の疑惑」のキム・ガプス、Netflixドラマ「悪霊狩猟団:カウンターズ」のイ・ホンネらが共演。

2022年製作/120分/PG12/韓国
原題または英題:Hot Blooded
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2023年1月20日

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映画レビュー

3.5ノワールやバイオレンス物をアップデートしてきた韓国映画にしては少々古臭い

2023年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

国内のみならず世界市場も意識してエンタメ作品をアップデートしてきた韓国発の新作にしては、センスが少々古臭い印象。原作小説は2016年発表、舞台は1990年代の釜山に設定されている。

邦画で比べるなら、少し前の北野武監督による「アウトレイジ」3部作、さらに遡ればVシネマ、東映実録シリーズといった具合に、かつて暴力団と呼ばれたヤクザ組織の抗争、足を洗いたい個人とそれを許さない組の掟などを、ある種のロマンチシズム、滅びの美学を伴って描いた作品群に近いだろうか。だが昨今はヤクザの組などが反社会的勢力と言い換えられたように、ヤクザたちの暴力沙汰をエンタメの文脈で描くこともメインストリームの商業映画では難しくなった。社会的な通念、価値観が変わってきているのだから、作り手も観客もアップデートが必要ということ。

それと、終盤に来るハイライトを冒頭で相当部分見せてしまう構成も、狙ったほどの面白みを生んでいないというか、むしろ逆効果ではないか。主人公のラストの“大きな決断”は先に見せないほうがよかった気がする。新人監督のデビュー作にしては切れのある良い演出だったとは思う。

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高森 郁哉

4.0楽しめました。

2024年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

古い感じのヤクザ映画。
ホテルの経営者がそのままヤクザっていう基本設定がよくわからないし、みかじめ料っぽいの収めてても揉めてるのもよくわからなかったけど、そこはまあ韓国だしということで。
やって、やり返して、陰謀、陰謀という感じはそれなりに楽しめた。ただね、坊主の子以外は皆さん強そうじゃないのがちょっとね。主人公と長髪で太った人位は圧倒的な強さが欲しかったかな。

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khapphom

3.0ありがちな韓国ノワール

2023年9月18日
iPhoneアプリから投稿

 ありがちなヤクザの縄張り争い。特にめあたらしさは無い。ただ抗争場面が暗すぎて、誰がどちらに、どんなふうにヤラレテいるのかよくわからず、ちょっと見づらい。
最後の言葉、どん底までとことん落ちるか、てっぺんまで登って王になるか、どちらにしても孤独で無意味な場所。虚しく無意味なモノ。名言!

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アンディぴっと

3.0釜山港へ帰れ

2023年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 日本人にもなじみ深いチョー・ヨンピルの「釜山港へ帰れ」。冒頭では終盤に起こるであろう船上での光景が描かれてはいるが、その後の序盤の展開はとにかく演歌、演歌、えーんか♪と、どことなく暗い雰囲気の音楽が流れてきた。中盤から後半にかけて、その雰囲気を大きく変えるほどの美しい音楽。ヒスの心情を表わしたのか、義理と人情、そして同じ養護施設出身で敵側のチョルジンへの思いが吹っ切れたような爽やかさまで感じられた。

 韓国ノワールと一言で表現するより、日本文化までもが浸透したかのようなクアムの港町。「日本統治時代が・・・」などという台詞も多かった。それにしても、序盤のわかりづらさ。大手のヨンド派が仕掛けてくる罠がどういった意図を持っていたのか、誰がヨンド派の手下なのかも把握出来ず、中盤からようやく全体像がつかめたといった感じでした。それよりもヨンド派が進出してくるほど魅力あったのか?

 バイオレンスアクションだとか、韓国映画の特徴を活かしてはいるものの、どうも緊迫感が足りない。まぁ、ヤクザを辞めたがっているヒスが主人公なだけに、戦争を始めたが、なぜかパッとしない展開。ヒスとチョルジンの友情なども物足りなかった。そんな中、異彩を放つのがヨンガン(チェ・ムソン)だ。不気味な顔を持つ彼だけが物語の中でも際立っていた。「猟犬vs.狂犬」という構図もいい。

 10数年前に金沢-釜山の国際フェリーが就航したおかげで何となく身近に感じられた釜山だったけど、旅客が少なすぎてすぐに廃止・・・行っておけばよかったなぁ。

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kossy