ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦のレビュー・感想・評価
全5件を表示
火山カルトにようこそ。
第95回アカデミー賞にもノミネートされていた、常人には計り知れない夫婦の姿を描いたドキュメンタリー。この夫婦、どっちも火山に魅せられた火山学者で、火山のためなら命を落としても構わないと、噴火口や煮えたぎる溶岩の間近まで行っては写真や映像を撮ってまわっていた人たち。もちろん危険を顧みない行動には研究資金を得るためという目的はあるんだが、それ以上に活動中の火山のそばにいることが嬉しくてたまらない様子で、よくもまあこんな思いを共有できる男女が出会ったものだと感心するやら驚くやら呆れるやら。でも、彼らが撮ってきた映像が本当に幻想的で美しく、なんだか自分まで火山カルトに巻き込まれそうになる瞬間がある。この2人から学ぶものがあるかといわれたら正直わかりませんと答えるしかないが、あんたたち本当に良かったね!と心から祝福したくなる。もうご夫婦そろってこの世にはいませんけども。現世から遊離したような夫婦について語るナレーションがミランダ・ジュライっていう人選も最高。声自体がなにかを語ってくれるひとなので。
死と隣り合わせのとき何を残すのか?火山の前では人間は無力だ
カティアとモーリス、夫婦だからやってこれたことと彼らが残した膨大な記録。これは紛れもなく愛の物語だ。火山への愛、夫婦の愛、直接は知らない見ず知らずの人々への隣人・人類愛そして地球愛。地球化学者と地質学者のジオコンビ。チーム火の神。子供を作らないことを決めた。理解することは愛すること。だから分類せずそれぞれ研究すべきだと言っていた2人が長年にわたる研究の成果として、遂に分類したのが赤色と灰色。火山が噴火したと聞けばすぐそこへ向かって、しばらくはそこが家となる暮らし。とどまり続ける、好奇心は恐怖を上回るのだ。激しく生き急ぐ。鳥とゾウアザラシ、死ぬのは2人一緒。ミランダ・ジュライのナレーションもよく合っていた。
ドキュメンタリーの面白さ
「ドキュメンタリー映画なんて退屈か、政治的に著しく偏向したヤツばかりでしょ?」
と思うヒトは本作を見て欲しい。
古い映像だけで構成されているが、個性的な二人のおかげてコミカルで笑える作品になっている。
でも、その二人の最後が最初から分かってるんだけどね。
難しい知識とか一切いらなくて夫婦が火山を愛でるドキュメンタリー 時...
難しい知識とか一切いらなくて夫婦が火山を愛でるドキュメンタリー
時々差し込まれるコミカルなイラスト
そこにイタリアのレトロな曲流れてきたり
枕状溶岩のとこなんか昔NHKでやってた地球大紀行を思い出した
とにかく面白かった
火山とふたり
本当に素晴らしいドキュメンタリーでした。
前半はユニークな火山学者2人の出会いや火山での無謀にも見える活動など、アニメーションや当時の映像と一緒におもしろく語っています。
溶岩のうごめきや、真っ赤に爆発する火山をブライアンイーノの音楽と一緒に見ていると、いかに火山が彼らを魅了していったのかがよく伝わってきました。
火山になんの興味もなかった私ですら、途中から『もっとこの景色を見ていたい…』と思いました。
後半は、そんな2人が火山が及ぼす災害に、どう向き合ってきたかを描いています。鼓動を打ち血しぶきをあげる火山が、近隣住民をいかに打ちのめしてきたか。そしてふたりの最後の活動はどんなものだったのか。
当時の映像や、音楽、編集、ナレーションのすべてが素晴らしかったのですが、
なによりもこのタイトル『Fire of Love』が、見終わったあとにより一層ジーンと感動しました!
ぜひたくさんの方に見てほしいです。
※でも災害のシーンはやはり辛く、東日本大震災を思い出すような場面もありますので注意が必要です。
全5件を表示