「“それ”がいる庭」禁じられた遊び シゲさんの映画レビュー(感想・評価)
“それ”がいる庭
みたいなのを期待していたらフツーのホラーでした。
2022年にサイコーの抱腹絶倒ホラー(?)を撮った中田監督だけに
ダメ映画好きには別の意味でワクワクが止まらない。
冒頭からちょっとキモいトカゲの尻尾切り(懐かしい!)を見せて
その尻尾を埋めてトカゲを復活させようとする息子の偏執的な
一面を紹介してこれがクライマックスに繋がる伏線。
ポスト貞子を目指す(?)初夏ウィカですが生前にも浮気の冤罪で
生霊になってまで橋本環奈嬢を一方的にチクチク虐めて嫌な感じ。
こんな旦那を縛りつける面倒くさい奥さんはやだな。
生霊ビジュアルはいつもの「ほん怖」メイクでもう慣れっこです。
まぁ突然部屋にこんなのが上がり込んできたらビビりますが。
そんな行為にバチが当たったのか交通事故でウィカ死亡。
息子は心肺停止で死亡が確認されたが突然雷が落ちてなんか復活。
何かの力が関与?これも伏線です。
ここからが問題で息子は亡くなった母親を甦らせるため遺体の指を
庭に埋める。その行為を父親は容認してはいけないしそもそも
死者への冒涜。親族の遺体の指を切り取るとは非常識過ぎる!
さて元々ウィカに呪われていた環奈嬢ですがその事を霊能力者に
指摘される。この人いかにもインチキっぽい。
予告編ではご機嫌な呪文でキメていた霊能力者のナントカ先生と
そのイケメン付き人はインチキかと思っていたらガチ霊能力者。
クライマックスはこいつらとの霊能力バトルになるかと思いきや
あっさり死亡。高飛車だけど結構いい人たちだったのでお気の毒。
なんやかんやでモタモタしていたから環奈と父親の目の前で
息子が庭で育てていたウィカが遂に復活!
青白い幽霊っぽい顔から急にコワモテ顔に変化するのはなんで?
この手の人は普通白いワンピースなのに今回はすっぽんぽん。
幽霊じゃないので服まで用意していないのでしょうか。
しかし物理的に存在し動きが鈍いゾンビ的な奴なのでこれなら
霊能力とかなくてもバットでもあれば勝てそうな気がします。
それではホラーっぽくないので2人は逃げ惑った挙句もう無理っす!
の所でウィカ唐突に列車にはねられ死亡。そんなんでいいの?
列車は知らんぷりで走り去っていきますが人身事故の自覚ないのか。
家の近所に鉄道が通っているのは事前に人身事故とかの描写を
入れておけば唐突感がなくて良かったのに。
安心したのも束の間、四散した肉体が庭に集まり始め復活開始。
強敵がなかなか死なないのはター◯ネーターからのお約束です。
そこで実はウィカから特殊能力を受け継いだ息子が元凶と判明し
復活する前に灯油で焼却を試みるがライターの火を消され絶対絶命。
そこに都合よく雷が落ちてウィカと息子に直撃&炎上!
あれ、天気悪かったっけ?
とりあえず一件落着したんだけれどホラーですから禍根を残します。
今度は父親が息子復活のため庭で呪文を唱え始めます。
お前にそんな能力ねーから!
橋本環奈を鑑賞するには良い映画だけど今回も怖くなかった。
こんな凡作ではジャパニーズホラーは衰退する一方です。
次回作もがんばれ中田監督。