ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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ゴジラのシーンはいいけど、他があんまりすぎる
良いところ:
ゴジラが銀座を破壊するシーンは確かに良かったです。建物も景気よくぶっ壊されるし、人もかなり容赦なく死にます。熱線のVFXも、「これは死ぬわ」という感じで、説得力がある描写でした。総じて「ゴジラの怖さ」を前面に押し出せていたと思います。
悪いところ:
一言でいうと、「全体に説得力が欠けていて納得できず、ツッコミどころ満載、いつもの邦画」という感じです。
なんで特に意味がない人間ドラマパートこんなに長いんでしょうか?面白くもないし…突然金のかかった朝ドラが始まった感じです。ゴジラを見に来たのに、大戸島の初遭遇からしばらく、ゴジラの話は全くありません。
それに耐えてやっと、泳ぐゴジラと戦うことになります。しかし、これが終わるとすぐ、神木隆之介がひたすらゴジラと戦争の記憶の恐怖に鬱々とするドラマパートに移ります。これも別に意味があるとは思えないし、この時点で家族にゴジラのことを伝えて避難するように言っておけばよかったんじゃないの?
この後銀座の大破壊シーンがあるのですが、ゴジラの見せ場は本当にここだけです。この後、邦画でよくある、主人公の唐突な絶叫が入ります。
これが終わると、ゴジラを倒す作戦会議になるのですが、この作戦会議は民間人主導で行われます。米軍がソ連を気にして軍事行動しないから、という理由付けがされていましたが、そんなことある?ゴジラ出現時に、米軍の戦艦が何隻もゴジラに沈没させられている、という描写があるのに…
そして民間主導で出される作戦も、なんか説得力に欠けるものです。ゴジラを、録音したゴジラの鳴き声で呼び寄せてフロンガスのボンベを巻き付け、ガスの泡で覆って深海に沈めて水圧で殺そう、という作戦なのですが、ガス足りるの?とか、そんなうまく巻き付けられるの?なんでゴジラの鳴き声で呼べると思うの?とか…ここでもツッコミどころ満載です。一応追加の策(沈めたゴジラを風船で急浮上させ、減圧で殺す←これも「上手くいくわけねーだろ」感満載なのですが)はあるといわれるのですが…
こんな説得力が欠ける作戦に、日本と家族を守りたいという意思で志願する人がかわいそうに思えました。なんか声がでかいやつが立てた奇策に、責任感ある人が志願してワリを食うのはのはどこでもありそうな話です。
この後も、主人公が頑張って大戸島で出会った整備士を探したり、わざわざ特攻するために戦闘機を回収したり…「それいる?」みたいなパートが本当に多いです。
肝心のゴジラを倒すシーンは、都合よく成功するし…主人公も都合よく脱出するし、しかも都合よく銀座でゴジラに巻き込まれて死んだと思っていた主人公の嫁さんは生きているし…
総じて、グダグダの朝ドラパートのおかげで主人公や周りの行動の説得力がまるでなく、ご都合主義的な感じになっていました。ゴジラのCGは確かにいいですが、はっきりした見せ場は本当に1回だけです。よく「シン・ゴジラ」が出た後にこれで行けると思ったな!?といいうことに尽きます。
超人的握力
迫力は凄かったし、面白いか面白くないかと問われればトータルでは面白かったという答え方になると思う。素直に面白かったと言い切れないのは、都合優先で突っ込みどころがいっぱいの脚本のせい。特に気になったのは、あの描写で浜辺美波が大怪我で済んでるのは変だし、そもそも咄嗟のこととは言え、一緒に建物の陰に飛び込めばよかっただけだし、あの状況でも普通そのくらいの判断の瞬発力はあっていいと思う。(爆風が止んだあとの主人公の後ろでピラピラしてる貼り紙の接着剤はSCOTCHの3Mか何かなのだろうか。)だいたいあの逃げ惑う群衆の中で浜辺美波が1人ボサッと立ち止まってゴジラを見上げてるのも変。いや全力疾走で逃げるだろと。その前にあの状況で主人公が都合よく浜辺美波を見つけられるわけないだろ。さらにその前の電車のシーンでサム・ライミ版スパイダーマンのMJよろしく、自由落下中に手すりを掴める浜辺美波の握力は侠客立ちを背負う某組長か何かなのか。あと、銀座のあとゴジラはなんで大人しくいそいそと海に帰っていったんだ?銀座をひとしきり破壊し終えて満喫したってこと?今日はこのくらいにしといたるわってこと?終盤の艦を艘で牽引するシーンのワイヤーはどうやって繋いだんだ。あんなの小一時間程度でどうにかなる作業じゃないし、作業中ゴジラは海中で胎児みたいにプカプカしてるのか?大人しく指でも吸ってるのか?他にもたくさんありますが、キリがないので、、。あと脚本じゃないけど、今回のゴジラあんまり動かないですね。脚とか尻尾とか切り取られたアングルでドスドスブンブン動いてる画はたくさんあるけど、ゴジラの全体を映した画はあんまり動いてない。上半身ほぼ動いてない。恐竜戦車みたい。
過大評価☆(マイナス)-1.0
レジスタンスの諸君ごきげんよう、youtubeや映画コムで絶賛されたので映画館で見た一般人だ。期待してみてきたがガッカリだったのでダメな点を紹介しよう。
①最後。鋼鉄の女と金儲けのゴジラ
中盤に典子が衝撃破で死亡した…となった時は賞賛した。主人公が後悔の念で戦うのではなく、愛する女性を無くした怒りで立ち上がるのは十分共感できたからだ。なのに…
な ん で 生 き て ん だ よ !
一気にチープさ増したわ!ふざけんなよ!爆心地にいたわけではないんだから探せよ!
ゴジラも次回作作りたいからってメキメキ復活するなよ!金儲けより作品の完成度をあげろよ!
②まったく進歩してないCG
ここ7年CGの質がアップしてない。震電の離陸シーンは顕著だがゲームのワンシーンかと思ったぞ。予算的に手抜きされているのかよくわかる。ハリウッドは七年あったら次世代に更新してる。自衛隊の撮影ができないのが致命的。
③総括して見るとストーリーは焼きまわし
ゴジラ東京で暴れる→作戦で退治される。
これ、初代ゴジラやシン・ゴジラでやってしまった。もう怪獣プロレスは嫌だけど、このストーリーももう飽きたよ。
④最後の作戦が地味すぎる
なんか空は曇ってるし、ゴジラの放射熱線以外にろくに光らないし、とにかく地味。軍隊を出せばまだもっと盛り上がったのに。あとなんでゴジラは中盤までアグレッシブに動いてるのに、作戦が始まると空気読んで動かないんですかね?
④架空戦記なのに足りない設定。監督の思想と東宝の横やり。
(※ここは個人的な好みなので飛ばしても大丈夫です)まず東京の中心にはGHQの本部があり、皇居があり、中央官庁もあり、経済の中心です。ここが放射線まみれにされたら、普通はアメリカも日本も怒らないわけない。アメリカがソ連を刺激したくないと言いますが、キノコ雲を出すゴジラは交渉ができないだけにソ連と同程度に脅威ですし、GHQの本部が被害うけたら北朝鮮が好機とみて韓国に攻めてきますよ。数年早く朝鮮戦争勃発です。なので、アメリカは逆に潜水艦が被害が出た段階で全力で攻撃して東京を守りますよ。ではなぜ、軍隊は出ないか?それはゴジラという障害を「監督と東宝」が日本人の手だけで解決するストーリーに拘ったからです。また、ゴジラが放射熱線が出さないならまだバランスが取れるが、放射熱線を出す事に固執したからパワーバランスが崩壊してしまっている。さらに超回復…もう民間人がどころか、極東アメリカ軍の全力を持っても勝てるかどうか…。
なぜか完成して配備されている「四式戦車」、接収されてないはずがない謎の高性能機「震電」…ここまで架空戦記なら北海道もソ連に占領されているんですかね?それぐらいの架空戦記設定を出せないと。
⑤総括
エンターテインメント、テンポの良さは評価できる。特に尺稼ぎの主人公の生活パートは、主人公の掘り下げとしてよい時間稼ぎをしていてよかった。ただ、予算と設定とストーリーがイマイチでB級に成り下がってしまった惜しい作品という感想だった。
本当は☆3でも良いのだが、絶賛さて過ぎて過大評価されているので☆0.5だ。
あとな、ホッカ〇ロレン…これがシンゴジラより良いって、それはないぞ。
見応え十分でした!
MX4Dで観ました。結果から言えば通常版でも十分楽しめると思います。
冒頭から緊迫感のある展開で、一作目ファンの自分にはニヤリとしてしまう内容でした。欲を言えば島民の口から、「不漁が続いている」とか、爺様の口から「ゴジラの仕業かも」のセリフが欲しかった。
登場シーンは申し分なく、巨大化する前のゴジラが「ジュラシックパーク」のTレックスばりの暴れっぷりで、ゴジラ映画にしては珍しい人間に食らいつく場面が描かれていました。
中盤に差し掛かると人間ドラマが描かれ始めますが、中だるみしないように、よく言えば割愛、悪く言えばやや雑な展開ではありますが、全体の流れとしては必要にして十分な内容と思います。
後半に差し掛かる迄に、揺れ動いていた主人公の心情の変化が観てとれ始め、役者さんの演技力に感服させられます。
そして後半のクライマックスに。
どうやってゴジラと戦い、退ける若しくは倒すのか。
自分としてはやや若かったころの山根博士や芹沢博士、そして船を使ったりクレーンを用いるシーンで「南海サルベージ」か緒方を登場させて欲しかった。
結果的には時代背景から考えればそれなりに納得できる戦法で、見応え十分でした。
最後は典子のセリフでぐっと来たところに、1954年の第一作目に繋げられるラスト。できれば最後は「終」の一文字で締めくくって欲しかったけど、最近の映画にしてはそう長くないエンドロールだったので良しとします。
随所に初代や私の好きな金子ゴジラのオマージュともとれるシーンが盛り込まれ、本当に楽しめました。
リアリティと現実性
映像にリアリティはあったが、ストーリー展開には現実性がなかった。
そのため登場人物に共感出来ない部分があり、時代を戦後の日本に設定した着想は良かっただけに残念だった。
しかし新しいゴジラであった。
シン・ゴジラと比べると・・・・
かなり面白いです。まあ、ぼくがシン☆シリーズが大嫌いなのもありますので、あくまで個人的な感想でごわすから、あまり参考にはならんでしょうがね。とにかく泣いたっす。
そりゃあ、義理と人情と愛と運命と宿命と小さな女の子が出てきたら泣くしかないじゃないですか・・戦後という時代設定が心に響くというのもありますしね(怒)なので、いい年した挙動不審気味な中年男性が映画館のど真ん中の席で終始グスグスいってたもんだから、左右隣のカップルがかなりおれのことを警戒していましたし、何かコソコソと俺の悪口を言っていたに違いないわけでありますが、まあそれも無理もないでしょう。最後らへんで神木君が女の子の手を布団に入れてあげたところで「っカハッ!」とか言いながら号泣してましたからね。思わず手を目に当てたら、握っていたポップコーンの塩がちょっと目に入って痛かった・・神木くんの演技まじでサイコーです。感極まるって「ぐ・かは!」とか「こっ!くくく!」とか言葉を発さずに喜びとか悲しみを表現しててマジですげーー。役者の鏡ですわ。
そのくらい、何ゴジラ映画で初めて人間パートが面白いと感じた映画です。
しかし南の島の♪ゴジラ君は、人間をくわえては投げ、くわえては投げしますので、なんだかジェラシックパークなの?これ?みたいなシーンでさえ泣いてました。泣きすぎです。
まあ、泣けるシーンが大量にあるのもいいんですけど、今回のゴジラビームは歴代のゴジラビームの中でも屈指のカッコよさです。ガチン!ガチン!ガチン!ガチーン!!・・・・・シュゴッ!!!!⇒・・・・・チュドーーーーーン!みたいな?
しかしあのビーム、カッコはよくても、アレだとタメ時間が長すぎて姑息な手段でガジラをやっつけようとする敵たち(ヒューマン)に見切られちゃうんじゃないの?とか思う暇もなく大爆発スゲーーーー!みたいな感動もありますが、いかんせん命中率が低すぎます(涙)ゴジランももう少し頑張って練習して次回作では百発百中を目指してほしいものです、そして上陸することなく海の中から遠隔攻撃で国会議事堂を破壊とかしてほしい。そしてヒット・アンド・アウェイですぐさま深海に潜って隠れてほしいわけです。そうすると沈黙の艦隊の海江田さんみたいな立ち位置になることができると思います。つまり無敵です。
そしてなんといっても、ゴジラのメインテーマがすんごく画像にあっている・・・・昭和の風景にすんごく合っているのです。あのかっちょよさは、映画館で観ないとわからんとですたい。音が、本当に腹に響くわけです。ドシラ。ドシラ。ドシラソラシ。ドシラ。の前の、でーーーーん、でーでーでーでーーーーーーーー・・の部分がマジかっちょいい。気絶ししそうになるぐらいかっこいいいいいいいいいいいいいいい。です。
でもでも、小さな飛行機(しんでん)がバババババと飛んできてゴジラっちの顔に機銃掃射とかしたら、「くそう、まてまてーーー!」みたいな感じで、折角上陸をしたのにまた海に引き返ていくわけです。超常の存在であり、ハリウッド版では地球(アース)の守護者みたいな扱いであるところの神の代弁者みたいな位置づけだったりすこともあるガッジーラなのに短絡的すぎてお前はちいかわか!?みたいな?場面もチラホラあり、キュート。
ゴジラ自体の出演回数は決して多いとは言えないのだけれども(ファイナルウォーズ比)それでも、存在感があり、特段その点に不満は無かったです。
ご都合主義!みたいな意見もありますが、ご都合主義じゃないハッピーエンドの映画ってのもあんまりないんじゃないでしょうか。
死ななくて良かったじゃないですか。
アホな指導者のせいで、やらなくてもいい戦争をして、罪もない人が死にまくった、死んでいくようなこの残酷で不可解な世の中で、フィクションの中だけでも人が死なずにハッピーになってもいいじゃないんですか。
IMAXのA16席で鑑賞♥出鱈目話に酔おう。しかし、熱くなるな♥
マイナス×マイナスはプラスである。
この映画を振り返って見ると面白い亊に気付く。
『武器を持たぬ駆逐艦4隻』と『役に立たなかった試作機・震電』それだけでGODZILLAを殲滅してしまう。つまり、アメリカ軍に負けたのに、それだけの戦力でGODZILLAに勝ってしまう。しかも、東京に核兵器を2発も打ち込まれる。それでも勝つと言う事は、やはり、知恵が必要と示唆していることになる。
GODZILLAは架空の話なのだから、つまり、勝つためには逃げる事を含めて兵站を考慮した戦略が必要と語っている。
アナクロな映画だと思うが、我慢して見ていたら、最後に泣けた。
日本人にはこの『ダンケルク』見たいな亊がかけていると感じる。
昔勤めていた会社が協賛していた。
勿論、内容が出鱈目なので、IMAXで見るべきだ。但し、三半規管の弱い人はIMAXは止めるべきだ。もっとも、今はそんな映画が多いとは思うが。
明子ちゃんは正に団塊の世代。彼女達はこんな世界から生まれてきた。どうしたら、10万円で命を預かるなんて言えるのだろうか?『オレオレ詐欺被害』として、駄目な国体を訴えるべきじゃないかなぁ?
旧岡谷市役所庁舎を重要な場面で使っていただき、ありがとうございました。
すみません。最初にお断りしておきます。山崎監督、個人的には好きでありません。
随分失礼な事、書きますが、素人ですので大目に見てください。
最初に映画館に見に行った理由と、誉め言葉を書きます。
今回、旧岡谷市役所庁舎を重要な場面で使っていただき、ありがとうございました。
小学校から高校まで岡谷市の学校に通ったので、上手に使っていただき、感謝に堪えません。もちろん、岡谷市の映画館で鑑賞しました。岡谷市は是枝監督の「怪物」に続き、最近、ロケ地付いてますね。今回の旧岡谷庁舎2階のシーン、エキストラの方々は、地元の方々ですか?表情が素晴らしいです。この映画の中で一番、良かったシーンでした。私の記憶で旧庁舎はその後も何度か出てきますが、いい感じで使っていただきました。重ね重ね、ありがとうございました。
山崎監督作品は、好きではありませんが、この作品は、まあ、好きな方です。
人間描写をしようとしただけで良しとしましょう。豪華俳優陣の無駄遣いと言えば、無駄遣いですが。安藤サクラさん、良かったです。「怪物」でもお世話になりました。橋爪功さん、よかったです。武田鉄矢さんのオマージュですかね。オマージュと言えば、銀座のビル屋上報道陣、初代ゴジラの東京タワーシーンのオマージュですよね。一番、にやりとしたところです。浜辺さんは、魅力が出ていません。「シン・仮面ライダー」が良かっただけに。
電車から落っこちるシーンから、神木さんと入れ替えたらよかったかもです。「ローレライ」の香椎由宇さんみたいな魅力が出たかもしれません。
「シン・ゴジラ」で自衛隊を完璧に描写されてしまったので、山崎監督お得意の、第二次世界大戦直後にゴジラをタイムスリップさせたのは流石です。「永遠の0」で当時の戦艦、戦闘機VFXの素晴らしさは証明済みですからね。ミッドウェイで空母を失っていることが残念でなりません。空母があれば、もう少し展開が違っていましたね。もともと水爆実験がまだ、行われていないこの時代です。理由付け、ちょっと無理があった気がします。なにせ、警察予備隊誕生前ですからね。「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の冒頭で度肝を抜いた通り、ゴジラは良い出来でした。(これだけ落としておいてちょっと誉め)
明日で62歳です。おっちゃん歳をとって涙もろくなりました。伏線で、終盤の展開が読めてしまい、わかったその時点で泣いてしまい、終盤でどうなるかわかっているのにまた泣いてしまいました。展開を全て読み切っていたわけではありません。レバーの役割を間違えました。私はてっきり、爆弾の解除レバーが脱出装置なのかと思いました。絶対に死のうとする主人公をだましたのかと。でもそうではなかった。その点が一番の救いでした。(またまた落として、一寸誉め。)
なんだかんだ言って、初代ゴジラ、シン・ゴジラに次ぐ良い出来のゴジラ映画でした。
まあネタバレなしには語れない映画は良い映画ではないと思いますがね。(またまた言ってしまった…)
最後に、出身地の松本城、お願いだからもう一回、壊してよ~。
監督のゴジラ愛は感じてますよ。
残念ながらゴジ泣きはできませんでした
やたら説明台詞の多い整備兵、巨大生物(ゴジラ)に襲われているのに棒立ち、大声で叫びながら逃げる・・冒頭の大戸島で繰り広げられる壮大なコントを観た時、この映画はだめだ・・と直感したがはたしてその通りだった。
俳優たちは悉く内省的なお芝居はさせてもらえず、とにかく喚きちらす様演技指導されるから、今回昭和が舞台であるにもかかわらず皆が皆現代人のように、というよりも西洋人の下手な俳優のように過剰演技させられる。
(昭和俳優たちがやる男は黙って背中で語らせてもらえません(笑))
この監督は俳優たちの演技や舞台や背景や小道具、観客たちを一切信用してません。
(寧ろ観客に至っては相当馬鹿だと考えている節がある)
今このキャラクターはこう思っていています、だからこんな(過剰な)感情表現しますって感じでまるでキャラクターに実在感がない。
テンションが高いままで一定だから俳優の演技にメリハリが一切ない。
だから、山崎映画の俳優たちは皆一様に大根役者のように見えます。
また、山崎映画はノスタルジーなものはとことん綺麗です。
ノミやシラミが一切いなさそうな上辺だけ汚い風のドヤ街(道は塵一つない)、復興している東京(ここも道に塵一つない)、出てくる登場人物たち皆が皆昨日買ってきたばかりの服を着ています。
これは三丁目の夕日の頃から何も進歩していないし、アニメ映画のこの世界の片隅にの方がずっと汚く感じました。
彼らには彼らの生活があるし、いつもよそ行きの服ばかり着ているわけではないのです。
ラストのヒロインがあの惨事からほぼ無傷で生還した際は思わず笑ってしまいました。
四肢欠損、顔面崩壊を予想していたら、それこそ転んだと言われても信じてしまいそうなくらい綺麗で‥タレントの所属事務所への忖度を感じる闇深いラストでした。
あと、戦争(あと自民党)批判したいのは分かるが、今回のキャラクターたちは戦争の被害者の前に当事者でもあることを完全に忘れている。
戦前の価値観もメンタリティも今とはまったく違うものだったろうし、戦時中は国威発揚の新聞記事を読んで一喜一憂していただろうし、軍国少年はそこらじゅうにいただろし、戦地に行って戦争行為をしたものもいただろう。
「国が隠ぺいしていた!いつものやり方だ!」というとても安っぽい台詞で片付けられないほど戦争とは他人事ではいられないと思います(戦争を他人事としていられる現代人だから言える台詞だと思う)
精々自嘲気味に「ま、いつもの大本営発表だな(笑)」くらいは言うでしょうが、あの当時の人間があの台詞を連呼するのはかなり違和感がありました。
もっともっと面白くする要素はいくらでもあるし、素晴らしい素材もあるのになぜこうなってしまったのか‥なぜ極限状況の人間をもっと真面目に描こうと思わないのか‥
とても残念な気持ちで映画館を出ました。
いいゴジラだった⋆͛🦖⋆͛
小さい頃からガメラだった。
ゴジラの意味は何かと言うと、ほぼ天災に他ならないやん。ガメラは何かを守るために戦うで。そこが、大きな違いかなあ
怪獣なんだからシェーはせんで欲しい。
メカ何とかはアホらしい。
でも、どんなにやられても放射能混じりの咆哮で何とかなっちゃうのってどうなの?
ガメラはどんなに傷ついても、昔から女子供に優しいおっちゃんや。
というわけでゴジラは苦手だった。全クリだと思うけどね。
ゴジラで良かったのは、ヘドラ、ビオランテ、ハリウッドの怪獣大進撃(笑)。敵が真剣であるほど良かったね。
今回はゴジラはシンと同じ天災として日本にやってくる。まだ、モスラも自衛隊もないから、当然ゴジラをやっつけてくれる者は居ない。しかも、完成形でやってきてものすごい威力だ。重巡高雄もまるで敵わない。東京に上陸して銀座を壊滅させるが、大戦でもあそこまではやられなかった。
今回は新機軸が満載だった。いいアイデアだった。そらそうだと思ったよ。
あれだけ強力な熱線(「°ːːːːː°)「をやれば自身にもダメージありそうだと思っていた。(ましてや、それで空を飛ぶなんてアリエナイ)機雷で爆発させるのも面白い。最後の震電による特攻も頭を吹き飛ばすことが出来た。熱線をだす寸前だったので自壊した。
その前に相模湾1500mに沈めるというのも気に入ったが、日本海溝にして欲しかった。深海魚のくだりから深海には強いと予想出来たやん。その10倍にしなきゃ。
それより何より遠くからの高雄の20cm砲、出来れば大和、武蔵級の46cm砲を撃てばやっつけられたのではないかなあ。近くに突然現れて!!!!!!!!!!という展開だった。
人間ドラマは神木くんには重すぎたかなあ。トラウマの原因がはっきりしないし、当時の軍人があんなにセンシティブとは思えない。じゃあ誰がとなると、なかなか思いつかないけどね。
追加~松坂桃李くんならいい味でやれたような気がする。ラーゲリでいい感じにやつれていたしね。
時間軸が初代ゴジラとは違うようだ。敷島という名前もアトムぽいし。この延長には初代ゴジラは出てこないね。
でも、期待以上の出来だと思いましたよ。拍手👏
山崎貴要素オールスターズ×ゴジラ
感想
山崎貴作品でこれまで描かれきた様々な要素をゴジラ映画に全て取り込んだ体感型お祭り映画だった。
山崎貴作品要素の中でも『永遠の0』要素が人間ドラマパートの主軸になっていたので、『永遠の0』の続編を見ている様な気持ちにもなった。
ゴジラの戦闘パートは期待以上に楽しめた。本能のままに立地条件問わずに暴れ続けるゴジラは、民間人視点の戦闘シーンという事もありシリーズ屈指の恐怖感を体感できた。
冒頭の島パートはジュラシックパーク味を感じて、劇中表現の恐竜は的を得た表現だと思った。ラストの倒し方も説得力ある倒し方で納得できた。
総評
山崎貴作品の歴史とゴジラ愛を体感できた作品。ご都合主義要素はかなり多めだが、ゴジラの戦闘パートの圧倒的な激しさで満足出来た。
続編を匂わせるラストから、続編を作る気があるのかが少し気になる。
ゴジラの咆哮は肺腑をえぐるようです!
映画の一番ラストで、ゴジラが咆哮します。本当に肺腑を抉られるような恐怖に襲われました。主人公の神木は特攻隊から逃げて、ゴジラと戦う時も逃げました。一面、本当に情けない人間です。でも、戦争で死ぬことから逃げることがそれほど悪いことでしょうか?ゴジラと戦わなかったことがそんなに悪いことでしょうか(機銃で打ってもゴジラには効かなかったと思う)?私はどんな生き方をしようと、彼がそう決断したことに何も言いません。彼はそんな不甲斐ない過去があるからこそ、自分自身にきちんと決着をつけるのですから、完璧な人生だと私は思います(彼の内部で戦争を終わらせています)。人生においては逃げても良いし、臆しても良いと思います。それが人間だからです。最後に彼は死を決意しますが、その土壇場で生きるという選択肢を勝ち取ります。しかも、何ということでしょう、亡くなったという彼女が生きていたというクライマックスは、あまりのサプライズに涙が飛び散るようでした。そのほか、浜辺美波のミッション・インポッシブル並みのアクションには仰天しました。このゴジラの映画は70年を記録しているわけですが、独特な音楽の旋律は脳に染み付いているようで、その曲調が流れると不思議と懐かしさが込み上げてきます。さて、このゴジラは一体なんの象徴なのでしょうか?人類の怒りの無意識層が生み出したもの?核戦争が生み出したもの?と考えてくると、やはり戦争という悪魔の象徴なのかもしれません。
追記 個人的にはこの映画のゴジラの顔、可愛いと思ってしまいます笑。あと、ゴジラの復活の予兆がありましたから続編は間違いなしでしょう。
有楽町駅で国鉄車両にかみつくゴジラ
「ゴジラ-1.0」と「ALWAYS 三丁目の夕日」という山崎貴監督の作品の二つを切り離して考えたり評価することは難しいと感じる作品だった。
【ALWAYS 続・三丁目の夕日】で山崎監督が描いた ゴジラ登場シーンを彷彿させる今回のゴジラ映画には 1954年のゴジラ第1作でえがかれた 有楽町での国鉄車両を咥えるというシーンも登場するのだが、これまでゴジラ作品を見てきたファンにとっては胸にジーンと来る演出だった。
ゴジラがアメリカの水爆実験から生まれたという ゴジラ本来の出生の秘密もストーリーの中にちりばめられている物の、戦中にある島でゴジラが居たという形はちょっと疑問に感じるところでもあった。
ゴジラの ギザギザ背びれも ちょっとやりすぎではないかと感じる形で 今回の映画のように初代ゴジラ登場時の残虐性を見せるのであれば ゴジラそのものの容姿ももっとシンプルであっても良かったのではないかと感じさせるところがあった。
ゴジラファンにとっては その時代のゴジラに直面する人が その時々の対ゴジラ戦闘対策で立ち向かう姿は 毎回楽しみではある物の、戦後のこの時代性において 日本に本当にこんなに戦艦があったのか? 日本を占領するGHQがまったく日本を突き放す歴史性はチョット疑問符が付くところでもあった。
主演の神木と 浜辺の関係はちょっとベタな感じを与えているが、 対ゴジラの作戦本部長を吉岡秀隆に演じさせて その風貌が ALWAYS ・三丁目の夕日の茶川に似ていて そのまま登場させているところは 笑いを誘ってくれていた。
めちゃくちゃ良かった
恐れ、責任、逃避、懺悔、慈愛、愛、哀しみ、怒り、後悔、勇気、友情、責任感、闘争心、異形のものへの恐怖、圧倒的圧力。
全ての感情が揺り動かされやばかった。シンゴジラを越すゴジラは作れないだろうと侮っていた。これは凄い。心揺さぶられた。大画面の圧倒的迫力なゴジラ。劇場で観ておかないと!
特撮が好きなのもあるが、最高でした。素晴らしい。
ゴジラ見に行ってこんな感じになるとは思わなかった。
ゴジラ、めっちゃ怖いが、めっちゃかっこいい。
マイナスの意味 (ネタバレ注意)
戦争から立ち直ろうとする日本人の再生をかつてない迫力のゴジラに絡めて描く人間ドラマが秀逸な本作ですが•••
終戦時のゴジラは大戸島近辺の伝承に残る土着の怪物として存在する。全長で15m前後か?
その一年後ビキニ環礁の核実験で被曝、全高50mサイズに変異巨大化します。
今回のゴジラもしっかりと核の被害者ですね。
銀座襲撃時に放射線を含む「体表皮を撒き散らす」との報道シーンが有りました。
熱線放出の凄まじい爆風で大量の瓦礫と共に吹き飛ばされる大石典子(浜辺美波)
とても五体満足では助からないと思える状況でしたが、ラストでの不思議な生還劇。
病院からの電報を受け取り、敷島に伝える際の隣人•太田澄子(安藤サクラ)の『不穏な』表情。
病床で「貴方の戦争は終わりましたか?」と
微笑む典子を『無言』で抱きしめる敷島。
そして典子の首筋に残る不気味な黒色の痣。
放射線被曝+αの恐怖を感じさせます。
ゴジラ対策に関わった人々のみならず、
銀座被災から生き残った人々の未来にも暗く重い暗雲がのしかかる『マイナス』状況なその後の日本が暗示されている映画•••
決して安直なハッピーエンドではないと感じました。
モンスター映画ですね❗️
またこのテーマを劇場で聴けるとは思わなかったな〜😭、劇中にも暴れ回るなかでBGMがかかったりして熱かったです。
久しぶりの映画で内容も気になってたけど戦争からのゴジラって中々ハードやね、戦争が終わったのにまたって💧でも「死人を出さない」のセリフに少し感動しましたね。
ゴジラは元々生息してて例のビキニ環礁でもっと巨大になるあたりは設定をちゃんと活かしてくれてましたね。
今回は今までで一番恐怖を覚えたゴジラでした、特に海中を泳いで向かってくるシーンなんかは頭が半分以上出して向かってくるから目つきなんか獲物を見るような怒ってるようなで怖かった😣。
昭和・平成・ミレニアムと徐々に娯楽性が強くなり、原点回避にしてもどこかカッコよく、愛らしく見れた部分のある過去作とはちょっと違う感じもしてある意味面白かったな👍。
ちょい気になるシーンは最初ゴジラを恐竜のようなと例えてたがあの時代に恐竜のフォルム等は歴史的にわかってたのかな?っと、アキコちゃんの持ってたぬいぐるみがポケモンに見えてしまった(笑)
と気になりましたが、ゴジラとしても楽しめるしモンスターパニックとしても良いのではないかと思いました。
最恐のゴジラとなんだか冷めた人たち
特攻にまつわる葛藤は永遠の0、吉岡秀隆さん、佐々木蔵之介さんのキャラ付けは三丁目の夕日という感じで山崎さんの過去作品ぽいなーと思わせる内容でした。
個人的に永遠の0が好きでないので、まさか最後に特攻しないよなとハラハラしましたが流石に回避してくれて少しホッとしました。
東京を破壊し尽くす怖いゴジラという感じで良いのですが、お話としてはモヤモヤするなとかんじます。ざっくりいうと熱さが足りないです。
ゴジラを倒すために民間人が立ち上がる!熱い話じゃないですか。でも、決起の場で彼らが語るのは誰かが貧乏くじを引かなきゃ..とか生き残れない前提の戦時下よりはましだな..とかちょっと後ろ向きすぎませんか。
特攻するかしないか葛藤した末に特攻しない!生きて抗う!という神木くんの話も熱いはずなのに生きる道を選ぶ理由が橘さんが許してくれたから..にしか見えず残念。貪欲に、端から見たら恥知らずだとしてもアキコと生きる道を選ぶ。その意思が橘の心を打ちゴジラを打ち砕く!こっちでしょどう考えても!
圧倒的ゴジラを設定することには成功していましたが、それを打ち倒すほどの情熱が神木くんたちに設定できていない。
傑作と呼ぶには少し足りない-1の作品と感じます。
こういうのが見たかった
ゴジラ怖い。
大戸島に突然現れたときに震え上がるほど怖かったので、敷島がすくんで機銃を撃てなかったのが実感として分かって同情した。
世界各地に「ゴジラ」というイキモノは生息しているが、核実験で放射能を帯び、異形に化した個体がいたと解釈しました。
異形となったゴジラも破壊ぶりが半端ないし、ゴジラの撮影が至近距離だったり、下から腹を見上げるところだったり、今まで見たことない撮り方で、怖さと迫力が増した。
今まで見たゴジラ映画では最高。こういうのが見たかった。
なんで時代設定を戦後すぐにしたんだろうかと思っていたが、当時の状況をうまく使っており逆にこの時代であることの必然性を感じた。
子供を失って気力をなくしていた主婦が、他人の幼子を育てることでいきいきと力量を発揮し始めるところ、旧海軍の生き残りが「誰かがやらなくてはいけないなら」といきいきと元の職能を活かしはじめるところ、人は能力を発揮できる場面をもつことで生きる張り合いが生まれる、という描写に胸熱。呆然とした時期を過ぎ、力を注げるところを見つけて頑張る。戦後の元気な日本の原点を見たようでした。
もとから地球にいる怪物「ゴジラ」が核実験で放射能を帯びた異形となり太平洋を進んでくるが、すでに米ソの対立が始まっておりお互い相手を刺激したくないので米軍は何もできない、自衛隊も発足前、民間の力でゴジラ退治するしかない、と言ったところで出てきたのが廃棄待ちしていた戦艦、駆逐艦、戦闘機、そして帰還兵、という戦いの勘が残っている人材もいる。何もない日本で知恵を絞って出したゴジラ討伐作戦で機材を提供するのは、明らかに軍事工場を民生品製造に転用した、製造業者。幻の「震電」までが満を持しての登場。
戦後すぐでなければこれだけのものが集められたか。
そして直前でメンバーを外された水島がどんなふうに参加してくるのかと思えば、助太刀いたす、って民間の船を集結して「ダンケルク」かい!
水島はチャーチルばりに演説したのかどうかわからないけど、たくさんの小型船が水を切って駆けつけるさまは感動的。(短時間でどうやって船に牽引索つけたのかという疑問はありますが)また、震電にアレがつけられたのも予想通りながら、うれしい。
ストーリーは想像通りだが、オキシジェン・デストロイヤーのように唐突に必殺武器が出てくるようなことなく、たくさんの物事が詰め込まれているが、理にかなった形で生じており、脚本が相当練られているのが分かる。大雑把な怪獣映画ではなく、どこに出しても恥ずかしくない立派なエンタメ映画になっていると思う。
想像通りだけど、典子が生きていて、敷島の戦争がようやく終わるハッピーエンドがとても良い。
(釣られた電車の車両から落ちそうになるサスペンスは、流行りなのだろか? 「ミッション・インポッシブル」と「PATHAAN」でも見ました。)
やっつけたゴジラに対してその場の全員が敬礼するところは、日本人特有のものでしょう。敗者の健闘への敬意であるとともに、偉大なる自然が産んだ存在に対する畏怖の念もこめてのものと思う。
この描写を入れることで、ジャパニーズ・ムービーらしくなる。
世界に出す際はインパクトが出ると思う。
しかし。
東京には黒い雨が降って敷島はじめ多くの人がそれを浴びた。
相模湾でゴジラと対峙した船の面々も、熱風とともに熱線をもろに浴びている。
典子の首には黒い痣。
銀座にはグラウンド・ゼロの大きな穴が開いている
次なる災が予想され、実は完全なハッピーエンドでないところも含めて、スゴイエンタメ作品と思う。
三丁目が破壊され、永遠の0で反撃する、山崎映画の到達点
神木・浜辺コンビ目当てで観ましたが、予想以上に絶望させられ、予想以上に応援でき、ラストに涙ぐむ映画でした。出し惜しみせず、割りと冒頭にゴジラ登場。まだ小型だけど、食べるつもりもなく、人を殺戮する暴れっぷり。観客としては20mm弾が無意味だと分かっていても、打てなかった敷島(神木隆之介)の絶望に同情。大砲は多少効いても、戦艦すら玩具の如く壊され絶望。都心で暴れた末、放たれた熱戦に絶望。典子が爆風で吹き飛ばされ、ドン底の絶望へ。べーやん(浜辺美波)ここで死んじゃうの...? 野田(吉岡秀隆)の海神(わだつみ)作戦は不確実性が高い気もするのが、やれる事はやる心意気を応援。『幻』の戦闘機・震電を蘇らせる監督の趣味も嫌いじゃない。『永遠の0』の宮部久蔵が蘇ったような活躍に手に汗握った。敷島の脱出も、典子の生存も、予定調和ではあるが、良かったと思える程感情移入させてもらえた。
ミステリで最後に必ず犯人が明かされるように、ゴジラ映画である以上、大まかな展開は予想できてしまう。ヒロインが無惨に吹き飛ばされる姿には動揺したが、やはり最後は大団円。予定調和を完全には脱していなくても、たっぷり絶望させてもらえた、well-made な disaster film に拍手。a町並みや戦艦・戦闘機のVFXも秀逸で、山崎貴監督の1つの到達点に感じた。
怪獣映画ではなく人間ドラマでした
第一作から全部のゴジラ映画を観ている、昭和生まれの感想です。
タイトルは「ゴジラ」ですが、人間が主役のドラマでした。戦闘機特攻から逃げて戦後を迎えた主人公、自分の中で戦争が終わっていない人々。アメリカには負けたが、今度は負けたくない、自分に区切りをつけたいという思い。第二次大戦直後を舞台にした人間ドラマで、大きな困難が「ゴジラ」という形で現れ、それに立ち向かう。なので、いわゆる怪獣映画ではないですね。ゴジラは引き立て役です。
主役の神木隆之介さんはCMでのふざけた姿ばかり見ていたため、こんな真剣な演技をするとは思っておらず、とても印象に残りました。
また、ゴジラが銀座を壊す場面で橋爪功さんが出ていたような気がするのですが、エンドロールに名前が出ていたのかどうか、見逃してしまいました。群衆のひとりでしたが、ご本人だとは思うのですが、もったいない使い方じゃないでしょうか。
突如として現れるゴジラ、立ち向かって行く人間(自衛隊含む)。しかし、ゴジラはゴジラの都合で自由にやってきて暴れる。結局、倒す事は出来ずに去って行くゴジラ。
人間ドラマが描かれるとしても、ゴジラの預かり知らぬ、あまり関わらないところで人間達が勝手にやっているもので、ゴジラと人間の二軸でストーリーが展開して行く。これまでのゴジラ映画はそんなイメージでした。このマイナスワンは、従来よりも人間が主軸で、ゴジラは添え物だったように思います。
また、時代背景的に仕方ないですが、こんなに自衛隊が出ないゴジラ映画は初めてのような気がします。怪獣映画と自衛隊はセットだと刷り込まれていたので、何か物足りない感じがしました。いつもの、自衛隊が出撃するテーマ曲も無かったですし。
ただ、ゴジラと対決する方々は元軍人でしたから、自衛隊とは遠い繋がりはあるのだとは思います。
それから、ゴジラがなぜ東京を目指すのか、その根源的な疑問にはまたしても回答無しでした。日本人は誰でも知っている象徴的な場所としての東京、銀座なのでしょうが、もっと明確な理由づけがあっても良いのではないでしょうか。
ゴジラの描かれ方も、無敵の怪獣ではなくて、放射線で異常発達した巨大生物になってました。それゆえ、深海の水圧を利用した撃退方法が発案・実行されたのだと思います。芹沢博士のオキシゲン・デストロイヤーのような科学兵器や、自衛隊の火力ではなく、自然の力を利用するのは三原山の火口に落としたのと合わせてもたった2回です。
無敵のゴジラが主役の従来の東宝シリーズ、政治的なディティールを描いたシン・ゴジラ、アメコミなハリウッドもの、そのどれにも属さない人間ドラマが主軸のマイナスワン。
どれも面白いですが、何度も見たいのは従来の東宝シリーズです。商業的に難しいのかもしれませんが、2000年前後の恐いゴジラが戻ってきてくれるのを期待してます。自衛隊の装備としては、釈由美子さん搭乗のメカゴジラ、陸自のスーパーXなどが活躍した時が面白かったですね。そういう視点で見ているため、マイナスワンは少し物足りなく感じるのだと思います。
と、ここまで書いてきて気がつきました。マイナスワンは、映画ゴジラを原作とした別作品なのでしょう。小説を原作として作られた映画に、原作ファンが違和感を感じるのと同じなのかもしれません。そう考えると諸々の不整合はどうでも良く、本作だけの世界観で楽しめます。
最後のシーンで、ゴジラ細胞が海中で動き出していました。これは2作目があるということですよね。まさか、なんとなく匂わせただけで、次の展開は考えてないとかそんな適当なことでは無いですよね。次回作の展開が読めないので、楽しみに待っています。伏線を張ったのですから、回収もしっかりお願いしますね。
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