ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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映像は良かったけどね。
他の方々も書かれてる通り、映像は素晴らしいものがありました。VFXって言うんですか?CGと何が違うのか私にはわかりませんが、迫力ある映像は純粋に楽しめました。あと、音響も。クライマックスシーンにゴジラのテーマをよい音響で聞くと、安っぽいストーリーを忘れてワクワクしてきましたね。
ただ、そう、ストーリーは激安です。
訳のわからんただの民間人が集まって、ゴジラ退治って、なんじゃそりゃ?って感じ。そんなにヒマなんかい、あんたら?って思うし、そもそも船や武器のカネは誰が出してんだよ?とツッコミたくなった。
あと、あまりにも都合の良く見つかる軍用機。
そして何より、ラストシーン!
まさかと思うけど、あれで感動する人がいるとでも??あのラストを考えたのは誰なんですかね?中学生の学芸会かよ!って叫びたくなりました。
怪獣映画のストーリーにガチャガチャ言うな!と怒られそうですが…最近の邦画のストーリー、どんどん劣化してますよね。
ストーリーって、そんな予算がかかるもんじゃないんだから、もう少し頑張って欲しいよな…って思った次第。
こんな激安なストーリーじゃ、ゴジラも怒りだしますよ。
純粋に良かった。
良かった。そしてシンプルでわかりやすかった。
更には、最後に「典子さん」が生きていたのが良かった。これだけでコンマ5加点です。自分はハッピーエンド&大団円のストーリーが好きなので。やはり悲しいことは少ない方が良いです。
映画的には、多少、人間ドラマ部分での言動に力が入りすぎていた感もありますが、戦争直後なのだからそうなのかも?(自分は戦後の遙か後の生まれなので、戦争直後のことはよくわかりません)
今、ウクライナで戦争、イスラエルで戦争 or テロが起こっていますが、やはり戦争はよくないですね。かつて『戦争とは爺さんが始めて、おっさんが命令し、若者たちが死んでいくもの』と大橋巨泉さんが発言したようですが、できることなら戦争を起こした人だけで戦地で戦って欲しいです。この映画の中では戦争の悲惨さも描かれていて、自分的にはタイムリーでした。
以下、余談です。
①自分の記憶の中では、ゴジラは人類の味方だった記憶が強いのですが、シンゴジラといい、今回といい、最近はゴジラと人類との対決が続いていますね!
②シンゴジラでは政治意思決定の迷走を、今回は戦後の混乱をテーマにしたようですが、次回はどうなるのでしょうか? ストーリーを作る人もそろそろ大変そう。
③「敷島さん」の操作する「震電(後ろにプロペラがあるのがちょっと奇異に感じました)」の爆弾の安全解除の赤いレバーが、実は脱出装置の起動スイッチかと思ったのですが、スイッチはちゃんと別にありましたね! ここだけは予想を裏切られました。
<主な基準(今後のためのメモ)>
4.5 観て良かったと感じた映画
4.0 おすすめできる映画、何かしら感慨を感じる映画
3.5 映画好きなら旬なうちに見てほしい映画
3.0 おすすめはできるが、人により好みが分かれると思われる映画
ゴジラはこっちの方がいい
IMAX Laserで観ました。
山崎貴監督の映画で感動したことがないので、全く期待しないで見に行ったのですが、予想を完全に超えてきました。
期待しなかった理由は、シン・ゴジラの後に、今更いったい何を作るのか?という疑問のせいです。いくら見事なCGを使ってリメイクしたからと言って、新しいストーリーや価値は生まれないでしょう、という考えでした。
当然、シン・ゴジラに対してどうよ?という入りで映画に臨んだのですが、途中から比較しながら見る意識はなくなり、純粋にストーリーやゴジラの迫力を楽しむことができました。
(山崎監督作品に概ね共通することですが、)内容に殆ど”ヒネリ”はありません。
なんせ、ゴジラがどうやってどこから生まれたか、っていうところに全く触れないんですから。「そんなのは、今まで沢山(東宝の)ゴジラ映画をご覧になって皆さんよくご存じでしょ。そんなところをいまさらイジリませんよ。」っていうスタンスですね。
つまり、「ゴジラそのものについて新しい設定は加えません。科学的考証(本来は、そもそも怪獣映画に科学もくそもないですが)は誰か他の人(もちろん、あの人)に任せました。人間のドラマを見てください」という意思表示と感じました。
正直、なぜゴジラが暴れるのか、人に対して吼えるのか、という謎くらいには多少の”答え”を描いてくれてもいいのでは、とは思いましたが。
(CMでも流れているのでネタバレには当たらないと思いますが、)ゴジラがなぜ電車を咥えて投げるのか?というところはさっぱり意味が分からないので。
もう少し中身に触れると(これ、若干ネタバレですが、)ゴジラが超高速の再生能力を当然のように持っていて、これもほとんど説明もなく”当然の能力”みたいに描かれているんですが、これはさすがにやり過ぎだろうと思いました。
(他の映画で描かれてたの皆さん知ってますよね的な、確信犯的手抜き、ですね。)
当初、CMから受けた印象は、敗戦直後の日本にさらにゴジラが現れたらどうなるか?のシミュレーションがテーマなのか?でしたが、実際には、理不尽な対米戦争、勝てない戦争を強要されすべてを失った日本人が、再び理不尽なゴジラの来襲をどう捉え、どう立ち向かうのか、の心の動きを描いた映画でした。
しかも、日本という”国”が、ではなく”日本人”が、しかもかなり特定の”登場人物”がどう感じたのか、振る舞ったのか、をかなり局所的に描いた映画(つまり、普通の怪獣映画)です。
終戦直後の日本に「オキシジェン・デストロイヤー」はないはずなので、そこはどうするのかな~という疑問は皆さん共通に感じていたと思うので、そこは実際に観てご確認ください。
エンディングの音楽、特にアレンジが最高でした。ゴジラが吼える声の迫力もそうなんですが、音の迫力に優れるIMAXで観る価値がここ(エンディングテーマ)にあると思いました。
きけ わだつみのこえ。 これは「セカイ系ゴジラ」という新しいジャンルだ!
1954年に誕生した怪獣映画『ゴジラ』を、設定も新たにリブート。
太平洋戦争末期、特攻隊員の敷島浩一は大戸島の守備隊基地において、島に伝わる怪物「呉爾羅」の襲撃を受ける。
それから2年、ビキニ環礁での水爆実験の影響で巨大化した呉爾羅が突如として東京を襲撃。大戸島での出来事により心に傷を負った敷島は、再びこの怪獣と直面することになる…。
監督/脚本/VFXは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』の山崎貴。
主人公、敷島浩一を演じるのは『千と千尋の神隠し』『君の名は。』の神木隆之介。
敷島の下に身を寄せる女性、大石典子を演じるのは『エイプリルフールズ』『君の膵臓をたべたい』の浜辺美波。
機雷処理を請け負う船「新生丸」の見習い乗組員、水島四郎を演じるのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『万引き家族』の山田裕貴。
新生丸の乗組員である元海軍兵器開発者、野田健治を演じるのは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『64 ロクヨン』シリーズの吉岡秀隆。
敷島の隣人、太田澄子を演じるのは『百円の恋』『万引き家族』の安藤サクラ。
新生丸の船長、秋津淸治を演じるのは『20世紀少年』シリーズや『ソロモンの偽証』シリーズの佐々木蔵之介。
『ゴジラ』シリーズ70周年(正確には69周年だけど…)記念作品。そして国産『ゴジラ』としては30作目なんだって。沢山ありますねー。
『シン・ゴジラ』(2016)の大ヒットから7年、再び生み出された国産ゴジラくん。まず思ったのは『シン・ゴジラ』のとことん逆を行こうとしている作品であるということ。
平成と昭和という時代設定の違いだけではなく、家族の物語を徹底的に排除し官僚主導でのゴジラ退治を描いた『シン』に対して、『-1.0』では日本政府はまるで描かれず、家族と民草の物語に終始している。
俳優陣の使い方も対照的で、とにかく日本中の有名俳優をズラーっと揃えた『シン』に比べ、本作はメインキャスト以外はそれほど有名な役者は出演していない。
山崎貴監督の提案なのか市川南プロデューサーの指示なのかは不明だが、こういう風に同じ題材を全く逆の視点から描いてみせるというのは面白い試みだと思う。
逆を行きながらも、映画開始直後からゴジラが登場する点や市街地壊滅を容赦なく描く点など、『シン』の美点がちゃんと踏まえられている。前作の良さをブラッシュアップしつつも、そこに胡座をかかず別のルートを模索する。その様なハングリー精神が感じとることが出来た。
まず結論から言うと、私は本作を楽しみました。…楽しみましたが、正直言いたいことは山ほどある!
極端な話、加点法で採点すると100点だが減点法で採点すると0点みたいな映画だと思ってます。
ゴジラのVFXやその見せ方に関しては文句無し!!国産ゴジラでは歴代最高、ハリウッド版と比べても全く遜色のない出来だったと思います。
冒頭でのゴジラサウルスの襲撃からすでに「おっ!怖い!」って感じだったのだが、それすら前フリにしてしまう堂々たる真打登場には心底痺れた!デケェぇぇーー!!強えぇぇーー!!
木造船でのチェイスから銀座上陸まで、この一連のシークエンスはシリーズ屈指の迫力だったと思います。
追われる恐怖となす術なく蹂躙される恐怖、異なる2つの恐怖を用意し、それを余す所なく味わわせてくれたわけで、加点法ならもうここだけで100点!💯
ゴジラ描写が最高だっただけに、その出番の少なさには不満が残る。もっと!もっと!もっと全てを破壊してくれゴジラくん!!
予算の関係など諸々の事情があるのはわかるが、襲撃するのが銀座だけというのは勿体無い。
ゴジラの襲撃とそれに翻弄される人々、そこだけで120分間走り切ってくれていたら…。そんな贅沢は望めないにしても、せめてあと30分ゴジラの出番が長かったら、本作は歴史に残る大傑作になっていたことでしょう。
ゴジラの攻略法もユニーク。
水圧の急激な変動によりゴジラを内側から破壊すると言う「海神作戦」には、よくぞそんな方法を思いついたなと感心してしまいました。
作戦内容は無理矢理すぎるし、立ち泳ぎするゴジラの図はシュールだったものの、"水泡に帰す"という初代を思わせる構図でありながら非常にフレッシュな攻撃方法を生み出したことは賞賛に値すると思います。
そして他のゴジラ映画と本作を分ける最大の特徴は、人間サイドに明確な主人公を据えたという点。
これまでのゴジラ映画にも主人公はいたものの、結局はゴジラの周辺人物という枠を越えることはなかった。
しかし本作の主人公、敷島は違います。彼に引き寄せられるかのようにゴジラは現れる。ゴジラと敷島の間には偶然を超えた宿命のようなものが横たわっているのです。
「夢か現かわからない」と度々呟く敷島ですが、確かに本作は彼の内的世界であると言えなくもない。本作のゴジラは、彼の罪の意識が具現化した存在として描かれているからです。
特攻から逃げ出し大戸島にたどり着いた直後、敷島はゴジラに初めて遭遇します。その後、心の病に苦しみながらも典子と明子という”家族”、そして気の合う同僚と出会い、再び人生に向き合あい始めた矢先、再びゴジラと邂逅するのです。
本作のゴジラはとにかくブチギレてる。とにかく怒気に満ちており、明確な意図を持って銀座を破壊し尽くしている様にも見て取れる。
一体何故こんなにもキレているのか。それを紐解くには、本作のゴジラが何を表しているのか、それについて考えなければならないでしょう。
本作のゴジラ、一見すると戦争で死んでいった英霊、特に特攻により若くして命を散らさざるを得なかった英霊の怨念が形を取った存在の様に見えます。
特攻隊員の英霊の怨念だからこそ、それを鎮めるために戦うのは元海軍の人間でなくてはならなかったのだろうし、最後の敬礼も彼らの無念に捧げたものだったのでしょう。
しかし、それだけだと理解は不十分な気もする。銀座の街はともかくとして、整備兵たちまで襲撃した理由を説明することが出来ませんからね。
ここは単純に特攻隊員の英霊であると読み解くよりは、むしろ特攻隊員たちに恨まれていると思い込む、敷島の妄念が形を成した存在であると考えた方が良いでしょう。
先に述べた様に、ゴジラが現れるのは敷島が心の平穏を見出した時。彼の中の罪悪感を思い出させる様に、ゴジラは敷島の前に現れ、目の前の全てを破壊し尽くすのです。
トラウマの克服=ゴジラを自らの手で滅ぼす、という図式が成り立つのは、この物語が日本国民vsゴジラというマキシマムなものではなく、一人の男が心的外傷を癒すまでのミニマムなものと言うことの証明に他ならず、それをもって「夢か現かわからない」という発言がなされたのだと理解しています。
あれこれと書きましたが、とどのつまりこの映画は個人の問題が世界の運命と直結しているという「セカイ系」に属する、世界初のセカイ系ゴジラ。
セカイ系というジャンルの第一人者、庵野秀明がそれを意識せずにゴジラを撮ったのに、あんまりセカイ系って印象のない山崎貴が「じゃあ俺がやるよ!」と言わんばかりにこの手の映画を作り上げたというのはなんだかとっても面白い。やはり『シン』と『-1.0』は、ニコイチとして鑑賞するのが一番楽しめる形の様な気がします。
以下に述べるのは気になった点。減点法だと0点だと述べましたが、その減点の部分。
まぁもうなんと言っても人間ドラマのつまらなさ!!これに尽きる!!
ただつまらないだけならまだしも、セリフが臭い!演技が臭い!演劇見てんじゃないんだよこっちは💦
おそらくはハリウッド版の10分の1くらいの予算で作られているこの『-1.0』。当然そんなに長くゴジラを登場させる訳にはいきません。ギャラが高いからね。
ゴジラの出番を増やせない以上、その代替として人間ドラマを描かざるを得ないというのはわかるが、その内容が凡庸。そして冗長。
冒頭こそ、突然のゴジラの襲撃というサプライズがありますが、そこからしばらくはゴジラくんの出番がなく、ひたすらに「ザ・邦画」な画面を見させられる。
ここの何が辛いって、出てくる人たちが全然終戦直後の日本人に見えないっ。セットこそ丁寧に作ってありますが、だからこそ逆に小綺麗に見えてしまう。大体、主演の2人が神木隆之介と浜辺美波って…。朝ドラかっつーの。
映像がパキッと明るすぎるのも、テレビドラマ感を強めている様に思う。もっとこう、フィルムで撮影しましたってな具合の汚れ感、ヘタれ感が欲しいところである。
特攻隊員が主人公の映画といえば、岡本喜八監督による悲喜劇『肉弾』(1968)なんかをいの一番に思い出してしまうんだけど、『肉弾』を観た時の本当っぽさ、実際には戦後20年経ってるんだから全然本当じゃないんだけど、それでも「うわっ!戦中だっ!」と思い込まされてしまうほどのリアリティを、本作からは感じられなかった。
じゃあなんでこんなに偽物っぽいのかと言うと、役者の演技に力が入りすぎていることが一つの原因だと思う。佐々木蔵之介が顕著なんだけど、切迫した状況に置かれた人間の演技=力の入った演技になってしまっており、喜怒哀楽の表現は毎回全力100%!みたいな、とにかく暑苦しい人間ばかりが登場するという事態に陥っている。歌舞伎っつーの。
さっきまで普通だったのに、急に怒100%みたいな展開がいくつかあって、そんなんで日常生活送れるのか?と心配になってしまった。
『万引き家族』(2018)であんなにリアリティのある芝居をしていた安藤サクラも、今回は演技過剰。まだ『万引き家族』の方が終戦直後に見えるくらい。
子役の女の子も全然演技が出来ていなかったし、多分山崎貴監督は役者の芝居に興味がないんだろう。
唯一、吉岡秀隆だけはいつものザ・吉岡秀隆的な力の抜けた芝居でとっても良かった。他の役者も吉岡秀隆くらいの抜け感を意識しても良かったんじゃない?
セリフの臭みも大いに気になるところ。
「やったか!?」はまぁギャグとして受け取るとしても(「やったか!?」で本当にやれたことってあるのだろうか?)、「日本の未来はお前らに任せた!」とか「なんでノリちゃんを嫁にしてやらなかったんでぃ!」とか、そんなことまでセリフで言わなきゃいけんのかいな?
セリフがおおよそ生の人間の言うものではないので、余計人間ドラマがチープで、偽物っぽいものに映ってしまっていた様に思う。
本作を終戦直後という時代設定にしたのは、”反戦”をメッセージとして込めるためだと思われる。世界情勢はどんどんきな臭くなっている訳だし、そのメッセージ自体は至極正しい。
ただ、それを訴えているにしては少々血の気が多すぎる。先の大戦で敗れ悶々としていた元軍人の男たちが「リメンバー・パシフィック・ウォー!!」と意気込んでいる様に見えなくもない。
反戦云々というより、ただ震電と高雄をゴジラにぶつけたかったからこの時代設定にしたんじゃあないですか監督?
「国家に頼らず、自分たちの力でこの国を守るんだ!!」と言うのは新保守主義的思想の人たちに受けるだろうなと思った。それ自体の是非は置いておくにしても、その作戦行動に元軍人や旧海軍の兵器を持ち出すという点には少々の危うさを感じずにはいられない。
また、「男は仕事女は家庭」をモロに描く旧態依然な価値観についても少々の危うさを感じる。『シン・ゴジラ』では女性も戦いの真っ只中に居たのに対し、本作では完全に蚊帳の外であり、数少ない女性キャラクターに与えられる役割は主に子供の世話。
終戦直後の日本が舞台なんだから、女が出張る方がおかしい!と言う意見もあるだろうが、それならそれで女性キャラクターにも正当な役割を与えるべきである。
「女が戦場にいるなんてのは気に入らないんだよ!」という、ヤザン・ゲーブルのような価値観の人間の隠れ蓑として、戦後という時代が扱われるのだけはご勘弁。
と長々と書いてきたが、好き嫌いはあれど語り甲斐のある映画である。
最後に一言。やはり伊福部昭先生は偉大だ!!
海軍ばかりが良い役で、陸軍派は寂しい映画だったのが、この映画の数少ない ネガティブポイントです。
封切初日に観に行きたかったが、「咽喉がイガイガ&咳」で、治るまで、映画館に行けませんでした。
「高尾(重巡洋艦)」は、僕の最も好きな旧海軍艦の1隻です。 その勇士を拝められただけでも、大感動!
主人公が乗った"戦後の敷設艦(海防艦)"の機関砲を「32ミリ?(見た感じ20ミリ)」と言っていた気がしたが、これはどの銃器か不明だが。。。
劇中には「4式中戦車」部隊、「震電」そして、「雪風」等多々。。。
WW2時日本海軍の"最終兵器"が多々登場し、その雄姿を画面上で観れた事は、本作の時代設定に感謝です。
主人公「敷島」の名前を深読みしても、仕方がないかもしれませんが
僕は この映画が始まって すぐに「敷島隊(初代 神風攻撃隊)」「敷島の歌(作:本居桜花)」の2つが、頭に浮かび
観賞中は、本作と敷島の"繋がりの意味"を考えながら、鑑賞していました。
敷島の歌とは、
「敷島の大和心を 人はば 朝日に匂う山桜 (意味:日本人とは野に咲く、桜の様でありたい)」と言う和歌で
この和歌から、初代 神風(しんぷう)攻撃隊は「敷島」「大和」「朝日」「山桜」の4隊が命名され、特攻機13機,護衛13機 計26機が創設されました。
そして、最初に敷島隊(爆弾装備 零戦5機)は、アメリカ空母4隻に対して攻撃し、撃沈1,中破・小破3隻と言う大戦果をもたらし、
その予想外の大戦果から、神風攻撃は終戦まで続けられます。
その「敷島」が本作主人公の名前になり、神木隆之介さんが立派に、その役を貫徹されておりました。
また、この大役を、今は亡き 三浦春馬さんが演技をさせたら、どう魅せてくれたかと、鑑賞後に考えたりもしました。
また、主人公と共に、たくましく生きるヒロインを浜辺美波さん、
初出の様相は 誰か判らぬような、みすぼらしくもあり、逞しくもある その姿の演出と演技はとても素晴らしかった。
僕も、実娘が、あれくらい"生きる事への執着と突撃ぶり"をしてくれたら、親としては、大本望です。
ただ、首にあった刺青と顛末(てんまつ)ではなく、"あっさり"とかたずけてしまった方が、無常 を訴えられて、良かった気がした。
同じく、素晴らしい演出の元"安藤サクラさんは、非常に素晴らしい女優"さんであることを再確認した。
撮影ではISO感度の高い撮影を上手くこなし、撮影・照明技術は素晴らしく、解像度も非常に高くて、素晴らしかった。
CGだけあって、カメラが近く、アングルも良く、カット割りもカメラの移動も、文句なしの高水準。
音楽的には、本作の時代設定から「地球防衛軍」の歌が聴けない事は覚悟していましたが、
それでも、勢いよく 五線を登っていくような「ゴジラのテーマ」を味わい深く何度も聴けて、僕の心は震えさせられ続けました。
ゴジラとは、戦後復興の"反作用部分"としての"闇の象徴"であり、ゴジラの怒り(叫び) こそがりが、自然界の怒りなのであり
ビキニ環礁の核実験(クロスロード作戦)とゴジラの関係を匂わせてはいるものの
地上にある"核・高エネルギー"を壊す怒りが足りなかった気がした。
逆に、本作ゴジラは、暴れ、放射能を吐き出す事により、エネルギー源や建物よりも 人間・大和心を破壊する事を
怒りの矛先にし、肉片と放射能を人間に与え、"黒い雨"をもたらせた事は、考え深いと思った。
劇中、何度も出てくる「誰かが、貧@くじを引かねばならない」と言うセリフと重ね合わせて、
本作主人公の気持ちの 変わり様を観ていると、「特攻とはなにか?!」と言う事を考えるヒントに なりました。
人は ひとりひとり 別な人生と背景が あり、それが、時間と共に変化する。
よって、特攻・戦闘に行く気持を 簡単に ひとくくりで マトメあげれないと思います。
「逃げてでも、特攻に行きたくない気持ち」
「守りたい人を失って、復讐の為にも、4ぬ気に成っての特攻精神」
「生き残った罪悪感」
「仲間を 見殺しにしてしまった罪悪感」
「後悔と希望を無くした事により、ヤケになって 特攻と言う選択肢を選ぶ」
どの気持ちも 正しい。
戦闘に行く人・特攻隊員達の気持ちの葛藤とを この映画は よく表現していました。
そんな あつい海軍魂を崇め続けた僕はこの映画中、ずっと泣いていました。
それは戦争映画 2本分 の感動でした。
この映画を観たら、命を懸けて戦いに行く男たちの気持ちを、丁寧に表現した「永遠の0」を観たくなりました。
ツッコミどころが多すぎて困ったわ。この監督じゃしょうがないか。 こ...
ツッコミどころが多すぎて困ったわ。この監督じゃしょうがないか。
これは戦争推進プロパガンダなのかしら。
しかしあの子役すごいな!2歳くらいよね?泣いてって言ったら泣けるのか?
ゴジラ映画初めての鑑賞でしたが…
ゴジラ映画に興味がなく、今まで通ってこなかった者ですが、山崎貴監督の作品ということもあり、初鑑賞して来ました。
神木さん演じる主人公敷島のゴジラに対する一個人の思いが存分に描かれていて、心打たれるシーンが満載でした。個人的には「ゴジラ対人類」というより「ゴジラ対敷島」というよう描かれ方が美しく、斬新でした。ゴジラを全く知らない、なんの知識もない私でも十分に楽しめたので、ゴジラを知らないから…と鑑賞をためらっている方がいましたら、何も考えずぜひ劇場に足を運んでみていただきたいです。
モノクロ版に没入
11月、劇場公開と同時にカラー版を観賞。前回庵野版を見てガッカリしたのだが、今回の山崎版は魅入られた。時代背景、そしてその映像。山崎作品ならではの舞台作りに巧くハマるキャスティング。そしてゴジラの造形。ため息。ご都合的な一カ所を除いては文句なしと言いたいくらい。特に庵野版で辟易した政府のごたごた感が今回はない。民間主導という切り口が自分にとって受け入れやすかったのか。
さて久々に感動したゴジラ映画だが、モノクロ版も上映されるということで1ヶ月前からソワソワ。そして観賞。凄い。同じ映画なのにこんなにも異なるのか。その最たるポイントは、カラーという情報を排したためより色濃く浮き彫りにされた戦後日本という世界に没入できたこと。カラー以上に昭和の世界がすんなりと脳に入り込み、神木隆之介、浜辺美波らが昭和の人間としてひときわ映える。そしてゴジラ。主役のゴジラの恐ろしさが絶望的に凄い。カラー版では感じなかった細部までに驚愕と畏敬を持って目の前に立ちはだかる。
二度目の観賞と言うこともあるのかわからないが、カラー版では一度ウルウルしただけだが、モノクロ版では数回泣いた。感動で。見て良かった。
ある意味期待通りだが予想は超えないゴジラ
予告を見て楽しみにしていた本作。
ハリウッド版はなんだかぽっちゃりして可愛らしいゴジラ、日本前作はこれまでとは打って変わって、でも面白かったシン・ゴジラ、今作は予告を見た段階から自信が慣れ親しんだ平成ゴジラと体型も近く楽しめそうだなと期待してました。
また平成とは異なり、最高傑作と名高い初代を意識したストーリーと聞いて自身の中での期待値は最高潮でした…が…
期待通りだけど、特に驚きや感動や新鮮さはないな….
うん、いいんだけど100点満点中100点なんだけど…といった感想でした。
これは何度も予告を見て、ネタバレなしの各所からの絶賛コメントを見て自身の中でのハードルを上げすぎた所為でもあります。
初代を意識した反戦反核へのメッセージを感じられるのか、というとそうでもなく主人公の中の戦争との闘争。
血縁は無くても強い結束と愛情を育む家族。
どれも良いお話なのですが、どこか別の映画で見たような描写に見えてしまい満足出来ませんでした。
王道をしっかりと押さえてくれた、でもそれ以上のものは感じられなかった。
そんな久しぶりの和製ゴジラでした。
敬礼!!
ここまで緊迫感のあるゴジラ映画を初めて観たような感じがします。
着ぐるみのゴジラも良かったけど、CGやVFXで描いてこそ、
ゴジラとしての本来の良さが活きてくるような感じさえする。
キャストもよく、ドラマパートもとても丁寧に描かれていて、
ゴジラの破壊シーンとのバランスがいい。
ちょっと一息つける、明子のシーンもよかった。
世代問わず楽しめると思います。
迫力に満ちたゴジラ映画、最高でした。
続編がありそうなので、楽しみにしています。
敗戦国だから描ける絶望との闘いとその先の希望
タイトルが大げさになってしまいましたが(笑)、いや、やはりゴジラは日本の宝ですね。ここまで絶望的な存在は他にはいないと思います。
ストーリーがしっかりとした感動系エンターテイメントになってるのは素直に楽しめましたし、すさまじいまでのVFXにも満足しました。ラストへの引っ張り方も最高ですね。
庵野監督が褒めてたのもうなずけます。
音と映像による迫力がすごいので、予告編を見ていた息子は一緒に来てくれませんでした。でもそれはナイス判断でした(笑)小さい子供にはきついかも。それぐらい映画館で見ると迫力が違います。映画館で観るべき映画ですね。
出来る事が限られてる中で何をするかとなったら、CGとか描写、オマー...
出来る事が限られてる中で何をするかとなったら、CGとか描写、オマージュんなってくる。
オリジナルは超えれないわけだから当たり障りなくになるわな。
余韻はなかったです。
原点回帰!ゴジラ対日本人
ゴジラ対日本人と言うシンプルな構図。戦後の絶望感から立ち上がろうとする東京を蹂躙するゴジラ。核から反戦と言うテーマに移った分、そもそもゴジラがなんなのか(一応水爆実験のシーンはあるけど)には全く触れられないのがちょっと気になるけど、主人公たちの人間ドラマと日本を守ろうという意気込みの熱さで感動できる良作。毎回これでも辛いけど、怪獣バトルばっかりでも飽きるのでたまにこうやって原点回帰して日本に気合い入れに来るゴジラさんが好きです。でも背びれが伸びる必要はないかも。
人間を狙って「咥える」ゴジラは今まであんまり見たことがない気がする。それがなかなか恐怖だった。ゴジラっていつも人間を見てなくてただ踏み潰してるだけだったけど、今回は明確な殺意を持って人間を「咥える」。でも喰わない。喰わずに投げる。喰わないんかい。ゴジラには人間喰わせちゃいけないのかな。
あとせっかくだから「怪獣大戦争マーチ」も使って欲しかったなぁ。
「まだ戦争は終わってない」の呪縛
思えば初代ゴジラもラストはオキシジェンデストロイヤーと共に人間ごと特攻している。
「命を賭ける」とか「命を差し出す」とか、命と引き換えに何かを遂げる事で観客や視聴者を納得させる事が多かった。戦隊シリーズや仮面ライダーでも見られる話の落とし所。観る側もそれで全てをチャラにする、と言うか胸落ちする部分もあった。ようやくその呪縛から解き放たれる作品が令和5年に完成した。
いろいろな作品のオマージュ?
個人的にシン・ゴジラはウ~ンという感じだったから
今度はどんなのだろうかと
期待と不安?の半々で観に行った
1945年が舞台ということで
なるほど、こういう入り方かと観ていたら主人公の名前に横山光輝さんの漫画が浮かび、
早々に登場したゴジラのフォルムはエメゴジ?って感じでマジかぁと思ったけど後には変わっていたので
安堵したけど・・・
もちろんゴジラシリーズにおける
様々なシーンを彷彿させるのは当然なんだろうと思う
くわえてゴジラを倒す方法も
スピルバーグ監督の映画や
ウルトラQにウルトラマンを思い出させてくれて楽しかったし
吉岡秀隆さん演じる学者さんの風貌に有名な探偵がだぶって見えたり
雪風の艦長のセリフには
忠臣蔵を思い浮かべたり
助太刀の船が来るところは
アベンジャーズみたいだという感じ
ストーリーもそんなに違和感はなく
最後にはみんな生きていたのも
まあ、いいかと思った
スペクタクルとヒューマンドラマとを一つの映画にするとどちらかがおろそかになる傾向が多々あって
面白くないという思いがあったけど
そうでもなく観られて良かったと思う
ただ、もう少しゴジラの姿を見たかったし下半身太りが気にもなって
もう少しスマートでもいいんじゃないのとも思った
でもゴジラのメインタイトルの曲は
ワクワクするし
そのクライマックスにやはりふさわしい
たくさんの映画や映像作品を彷彿させながら
それを知らずに観て
もし、時が過去に戻ってこれがゴジラの名を冠した最初の作品だとしても納得できる映画だと思えた
多少気に入らない部分はあるが、力作・傑作であることは間違いない。 充分に楽しめた。
山崎貴監督を、私はキライではない。
が、『永遠の0』はキライだ。
あの『シン・ゴジラ』の後をよく引き受けたな…と思うのだが、山崎監督は念願のゴジラ映画だったようだ。
もう着ぐるみではないCGゴジラを世の中は受け入れたのだから、山崎監督としては機が熟したと言えるのだろう。
山崎貴という人は、借り物を寄せ集めてオリジナルの物語を作り上げるのが極めて上手い。どんなものでもドラマにしてしまう優れた能力があると思う。(ドラマ自体が優れているかどうかは別として…)
本作も実に面白い物語を作ったものだと感心する。
たが、終戦直後の東京を舞台にしたことに意味を持たせようとしたことが、私としては却って評点を下げる要因となってしまった。
「本来の戦争映画とは異なる視点から戦争を切り取ることで、戦争がより多面的に見えることを目指してきた」と、山崎監督は語っている。
本作もその流れにある作品だということだ。
しかし、ゴジラが核兵器のメタファーとして生まれたことを認識した上で、原爆被爆国の日本が今度は水爆怪獣に蹂躙されるというオリジナル『ゴジラ』の隠喩は、見事に継承していない。
山崎監督の戦争感が『永遠の0』に現れているとは思いたくなかったが、本作で「おや?」と感じた。考えてみれば、原作に感銘していなければメガホンは取らないだろうから、百田尚樹に共鳴する部分が山崎監督にはあったのだろう。残念ながら…。
まず、反戦の立場を明確にせず、国民に死を強要した帝国日本を非難するに止めているところが大いに不満だ。
勿論、それは許されるものではないが、今、劇映画を世に送り出そうとする者が訴えるべきことはそこではない気がする。
この映画を「戦争映画」だと山崎監督が捉えているなら、テーマを誤っていると言わざるを得ない。山崎監督にすれば意図どおりなのだろうが…。
ゴジラが大怪獣であることは誰もが知っているので、序盤からゴジラの(被爆前の)姿を勿体ぶらずに見せたところは良かった。
しかし、主人公 敷島浩一(神木隆之介)が東京に戻ってからのダラダラした人間ドラマがいただけない。ダラダラ長い割に、典子(浜辺美波)との絆が深まる描写は不完全で、クライマックスに感動を呼べない。
終戦直後の焦土東京で憔悴した人々のイメージを安藤サクラ一人に背負わせ、復興に立ち上がった不屈の人達は描かれていない。だから、復興著しい銀座がゴジラの攻撃を受けたとき、逃げ惑う人々に敗戦の追い討ちを受けた絶望感がないのだ。
次に、せっかく被爆前のゴジラを見せているのに、ビキニ環礁の核実験をサラリとなぞってはいるが、ゴジラが強大化した理由に核を紐づけていない。
放射能に汚染されているという説明や、ブラック・レインが降り注ぐ場面があるのだが、核実験・水爆実験への非難は感じられない。
ハリウッド版がオブラートに包んだ部分を踏襲したのでは元も子もない。
この時代背景なら、ゴジラと戦うのは進駐軍でなければならないと思うのだが、一応理由付けはされていた。ただ、あの状況ではGHQも相当犠牲になったはずだから、この理由で米軍が関与しないというのはかなり苦しい。
元海軍兵たちが民間人としてゴジラに挑むという展開は、設定に無理があるとしても面白い。
ここの人間ドラマを膨らませても良かったのにと思う。
ゴジラは海を渡って襲ってくるのだから、海上を決戦の場にしたことは正解だ。
これが陸上戦だったら、立ち上がるのは元陸軍兵たちで、大戦で叶わなかった本土決戦の焼き直しみたいになってしまうから、危なかった。
米軍も日本政府もゴジラにお手上げで逃げ出してしまい、残された元軍人の民間人が自分たちの国土を守るために戦う…という突飛な設定でも面白かったかもしれない。
とまれ、映画自体は非常に面白く、CGと実写のデジタル合成による画作りは素晴らしかった。
ゴジラ映画全作の中でベスト10に入れても良い作品だと思う。
ゴジラのデザインには好き嫌いが別れるかもしれないが、迫力満点だ。
シンガポールから駆けつけた巡洋艦「高雄」を襲う場面は凄まじかった。自沈処分前に勇躍帰還した「高雄」が敢なくゴジラの餌食になったことは、戦艦ファンには切なかったかもしれないが。
続く、巨大な背ビレが海面を揺らして木造船に迫る映像が特に素晴らしかった。
実際に海で撮影したことをキャストたちが強調していたが、その臨場感もさることながら、船とゴジラを合成した画面の構図が見事だった。
ゴジラが熱線を吐くときに光る背ビレのアイディアはユニークだ。
そして遂に放射した熱線の、その軌道と爆発を見せる映像と効果音がたまらなく良い。
最後の決戦の設定がまたシャレている。
作戦の科学的リアリティは私には分からないが、駆逐艦「雪風」と戦艦「長門」が民間に払い下げられて作戦遂行に出港するこという胸ワクワクの展開に、幻の戦闘機「震電」まで登場して、帝国海軍ファン(という人が存在するかどうかは知らないが)垂涎ものではなかろうか。
惜しむらくは、「雪風」と「長門」がゴジラに集中砲火を浴びせるシーンが見たかった。
なんなら、飛べない爆撃機「富嶽」の開発が秘密裏に進められていて、ほぼ完成していた…なんて設定を続編で是非。
ラストシークェンスの典子の姿は何を意味しているのか。
浩一と典子が被爆しているのは明らかだから、この二人の続編を作ると被爆者の悲痛な運命を見せて反核を訴えることになるだろうが、そんな映画は作らないだろう。
東宝は米レジェンダリー・ピクチャーズのスケジュールを優先してゴジラ誕生70年記念を1年前倒したくらいだから…
ゴジラ登場場面では伊福部昭のスコアがふんだんに使われていて胸が高鳴った。
一方、ドラマ部分を飾る抑えめの佐藤直紀オリジナルスコアも素晴らしかった。
大衆なゴジラー1.0 VS オタクなシンゴジ
どうしてもシンゴジとの比較になってしまうのは仕方が無いかなと思いつつ、3連休明けの月曜昼間に見に行きました。年寄りばっかりでビックリです。
散々ハードルが上がった中で、山崎監督は自身の得意分野である昭和初期へ土俵を持って来たのが大正解でしたね。
シンゴジは良くも悪くも庵野監督の趣味性(オタク)が上手く爆発してました。彼も自分の土俵へ持って来たのが成功の要因の一つでした。ゴジラを天災としての対処の仕方が見事でしたが、ドラマ部分を犠牲にしてました。まるでAIが演じてるようで、俳優を上手く指導出来ない監督なのだろう。
で、ゴジラ ー1.0は山崎監督が完全にエンタメに舵を切って、どストライクの直球を投げて来ました。全体的な流れも見事で子供でも楽しめるゴジラ映画となっています。
ドラマもしっかり撮られており良かったですが、ただセリフがクドく説明のし過ぎなところが残念だった。
初山崎監督なので他の映画もセリフはくどいのでしょうか?
しかし設定(世界観)に関しては抜群でしたね。敗戦後、何かもが無くなった日本に圧倒的戦闘力のゴジラの出現に対して、武器も乏しく、大戦から残った兵器も使わせてもらえない絶対絶滅的な立場の国民。国からの援助がほぼ無いなか民間が力を合わせ、知恵を出して迎え撃つ様がとてもカッコよくてたまらなかった。
オタクのシンゴジVS大衆のヤマゴジの興行成績の行方は如何に。
個人的にはシンゴジを越えて、ヤマゴジは100億くらい行ってほしい、ゴジラ映画はオタクのものではなく、大衆のものなのだから。
【ココからネタバレ】
予告編でもありましたが、ゴジラの熱線を発射する前に尻尾の先のヒレが肩の方へ順番に突起する動きが機械的過ぎると思う。メカゴジラじゃ無いんだから。
あと最後の熱線放射と特攻のタイミングがズレていて緊張感が途切れてしまったのが残念かな。
だが、その戦闘機に震電を持って来るところに山崎監督の軍オタっぷりが嬉しくもある。本当にナイスな選択です。
やはり、ゴジラは国産が良い。
すごいゴジラが誕生しました。力強く生命力に溢れています。恐怖の大魔王、破壊の化身、⋯語彙力不足で言葉が出てきませんが恐怖そのものです。それに立ち向かう人々、中でも万さんじゃなくて敷島。スエちゃんじゃなくて典子を失い(本当は違うけど)、心の闇を押し広げ、火を点けられて、玉砕覚悟でゴジラに挑もうとする。良いです。
ゴジラは国産に限ります。
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