ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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日本映画+1.0
監督の山崎貴は「宇宙戦艦ヤマト」ですっかり幻滅していたので、ゴジラ映画の新作と聞いてもちっとも期待していませんでした。予告編を見てもどうせベタベタな人間ドラマとまぁまぁなVFXシーンの組み合わせで、よくある安っぽい邦画だろうと高を括っていました。
しかしユーチューブであの岡田斗司夫氏が「シン・ゴジラを超えた!庵野秀明は山崎貴に負けた!!」と本作を大絶賛しているのを聞いて、これは見てみても良いのではと思い直し、劇場に足を運びました。
まず開始5分で中型のゴジラが登場、すごい迫力で恐怖感を覚えるほどです。掴みはOKというやつです。それから人間ドラマパートがやや長めに入りますが、丁寧な描写で「三丁目の夕日」みたいで、ゴジラ映画を見ていることをうっすら忘れるほどです。
そこから私が1番見たかった、海で漁船のような小舟が顔を海面から半分出したゴジラに追いかけられるシーンが入ります、このシーンの臨場感と恐怖感は圧巻です。綺麗な昼間の海と波をかき分けて迫るゴジラの顔の描写がすごくて、VFXチーム「白組」の仕事は素晴らしいです。
基本はゴジラが現れて、暴れて、それに人間が立ち向かい退治する、といういつものパターンですが、交互に展開されるドラマパート・VFXパートが相乗効果で物語を盛り上げてラストまで一気に駆け上がります。
結論を言えば「シン・ゴジラ」を凌駕する完成度で、オタク向けのシン・ゴジに対してファミリーで楽しめる王道のゴジラ映画です。
若干俳優の芝居が大げさでワザとらしい雰囲気も無くは無いですが、映画としてちゃんと出来ているので殆ど気になりませんでした、神木くんも浜辺ちゃんも魅力的です。
この映画はゴジラ映画はもちろん、日本映画としても歴史に残る一本になります。
劇場で見なければ後で後悔すること必至でしょう。
おそらく海外でもヒットしますね。
今から続編が楽しみです。
東宝ゴジラ
良い。
ゴジラの咆哮の音にしびれる! 映画館で観てよかった
音はとても良かった。ゴジラの咆哮の響きは素晴らしかったですし、すっかり忘れたころにゴジラのテーマ曲?を挟んでくるあたり、ちょっと好きな感じ。
映像(VFX)が凄いとの話題も多いが、私的には日本の怪獣映画の域に留まっていると感じました。とはいえ、しっかり迫力もあり、良い感じの映像で不満はないです
また、ゴジラの映像はそれでいいかなとも思う、日本の怪獣映画ですから。
ストーリーや脚色は、怪獣映画なので、色々難ありも、まぁこんなもので良いかなと。
怪獣映画なので怪獣がメインで良し。
役者は、安藤サクラがやっぱり凄い女優さんだなと思ったのと、山田裕貴もいいなぁと思ったところ。脇役ながら、いい意味で存在感を示してくれた。
個人的な好みで、旧日本兵賛歌というか、そういう雰囲気の設定は嫌いなので、星は総合でちょい低めとなります。でも、良い出来で、全体として飽きずに観れたし、面白かったかなと。
映像 ★★★
音 ★★★★★
物語 ★★☆
役者 ★★★★
編集 ★★★
粗さ ★★★ (合格レベル)
総合 3.5
ゴジラが好きな人が作ったゴジラ映画ですね
素晴らしく完成度の高い、最高のゴジラ映画でした!
シンゴジラも後を続けられるような終わり方にしていたので、そちらで続ける事も出来たのでしょうが、東宝としては原点に戻ることを決め、山崎監督に初代ゴジラのリメイクで最初オファーしたのだと勝手に想像しています。しかし、初代ゴジラですと、山崎監督がテーマとしたい特攻の否定とは合わないので、少しずらしたのだと思います。山崎監督は恐らく特攻をテーマにした過去の映画で色々と彼らの手記等を調べたのでしょう。無駄死にを強いられた人たちや、生き残ってしまった人たちの無念を、この映画で終わらせたかったのかなと思いました。
この映画は随所で、ゴジラに深いリスペクトを持ち、軍事や昭和20年代のマニアが作ったということが見て取れます。きっとずっと見たかった画を描いたのでしょうね。震電・・・というのが面白い所で、それだけのマニアなら震電があの任務に不向きとご存じのはず。それでも、震電を出したかったんだ、という所が、マニアらしくて私は好きです。
ラストシーンの病室ですが、悲劇的でしたが感動しました。ゴジラの放射能火炎で出来たキノコ雲や黒い雨から見て、恐らく、あの2人はこの先長くは生きれないでしょう。自分たちの命を犠牲にして、あの幼子に希望を繋いだ。そういう場面と取りました。
他にも褒めたい点がたくさんあるのですが、キリがないのでこの辺で。
残念な点(-0.5分)は、主要キャストの何人かがあの時代の人に見えなったこと。ですが、今の日本人は血色が良すぎるので、こればかりはどうしようも無いと思います。
最後に一言。作品の完成度は人間ドラマもしっかり描けているマイナス1の方が高いと思います。それでもやっぱり自分はシンゴジが好きで、また見返しちゃうんだろうな。
そんなに絶賛するほど?
初代ゴジラは昭和29年に出現が定説と思っていた。今回のはその10年...
初代ゴジラは昭和29年に出現が定説と思っていた。今回のはその10年前に出現していた。ー1.0はどういう意味なのか?ゴジラが終戦後の混乱の日本をより破壊してー1からの再出発を意味しているらしい。ゴジラは再生して初代に繋がるのか?このゴジラどう猛なんだけど、どこか可愛い。
私も29年生まれ、ゴジラと共に生まれ、育ったと自称ゴジラ世代の私には今までのゴジラ映画とは違う新しい見せ方、楽しみ方を提供してくれた。ゴジラのリアルな描写はハリウッド仕込み。シン・ゴジラより一層リアルな仕上がり。前世紀のぬいぐるみ箱庭的な日本の特撮技術も格段に良くなった。ゴジラの目玉が大きいのは初代ゴジラを意識しているのか?ただ映画エンドの家族再開では泣いてしまったのはなぜかわからない。
東宝のゴジラ戦略の推測を中心に…
ゴジラ映画のファンとしては期待の一作。
公開されてすぐに観たい気持ちはあったけど。
あまり、混雑していない日にちと時間を選んで、ゆったりと鑑賞してきました。
【東宝のゴジラ戦略(推測)】
作品の感想は、後半に記載するとして、この新作が商業映画として持つ意味について考えてみました。
2022年11月、翌年11月3日に、東宝の制作した新作ゴジラを公開すると発表がされました。
しかし、その内容は、タイトルを始め完全極秘で、なかなか予告編も公開されず。
そんな中、2023年6月半ばから、X(旧Twitter)の公式アカウントに、直近の29作目「シン・ゴジラ」から毎日1作ずつ遡りながら、作品を紹介するというイベントが開始。
画面の右にポスターを貼る空欄があるのですが、第1作「ゴジラ」が貼られたとしても、もう1作分の枠が残っている。
これは、第1作紹介の翌日、新作のポスターが貼られ、予告編も公開か、と。
その期待の7月11日午後8時頃に、期待の映像が流されました。
29、28,27とカウントダウンが始まり、画面は、「0」に。
ところが、カウントダウンは終わらず、-1.0、-2.0…と続いていく。
そして、Gの文字が現われ、「明日AM4時解禁」で終了。
朝4時に起きている日本人なんていないよ。お預けか。とのコメントが続々と。
翌日、「ゴジラ-1.0」のタイトルとともに、予告編映像は公開されたのでした。
このAM4時という時間設定から、私は、東宝の本作品の戦略が見えてきました。
北米でのヒットを狙っている、という推測。
ゴジラ公式アカウントは、英語版(GODZILLA OFFICIAL)があり、日本の公式アカウントと同時刻に予告編映像が公開されています。
日本と、米国ニューヨーク州の時差は、14時間。
つまり、日本の朝4時は、向こうでは、昼過ぎの2時頃で、もうすぐ夕方。
予告映像を公開して間もなく、北米の学生は授業が終わり、会社員は仕事が終わり、「やれやれ一日も終わったか」となり、スマホでXを開いてみると、ゴジラ公式をお気に入りにしている人は、トップに「ゴジラ-1.0」の予告映像が表示されるという訳。
これが、日本の夜8時だと、向こうは朝6時で、登校や出勤の時間帯、のんびり映画の予告編を観るような状況ではないですね。
そして、帰宅途中にXを開いても、予告編は、タイムライン形式なので、既に下に沈んだあと。
宣伝は、パッと見で、目に入ることが必要です。
その後、海外版の予告編も公開されましたが、視聴回数は、72万回を越え、英文のコメントが続々と寄せられています。
そして、11月3日公開と同時に、日本で大ヒットとなった本作品は、北米では、日本映画としては、近年では最大の1500スクリーンの上映が12月から劇場公開と決定しています。
予告編の内容は、日本版と海外版で多少違うのですが、大きな違いはテロップです。
日本版では、
「戦後、すべてを失った日本。
その無(ゼロ)が、負(マイナス)になる。
生きて、抗え。
(Gのロゴの後に)-1.0」
海外版では、
「THIS DECEMBER(今年の12月)
A NEW REIGN OF TERROR(新しい恐怖の支配が)
BEGINS(始まる)
(Gのロゴの後に)GODZILLA MINUS ONE」
つまり、日本人にとっては、敗戦後の焼け野原に追い打ちをかけるようにゴジラが襲ってくる、というのはインパクトがあるけれど、北米の人々にとっては、別のアプローチの方が効果的と東宝が判断したのだと思います。
ハリウッド版ゴジラの守護神的な怪獣ではない、恐怖を与えて襲ってくるモンスターのイメージで宣伝した方が、効果がある、と。
【北米ヒットに拘るワケ】
ハリウッド版ゴジラは、2014年に大ヒット。続編も作られ、「ゴジラVSコング」(2021年)も大ヒットして、ゴジラの続投が決まり、「ゴジラVSコング」の続編公開が、来年2024年に決定しています。
「シン・ゴジラ」はハリウッド版ゴジラの直後、2016年公開でしたが、これが北米ではあまりヒットしなかったのです。
東宝は、2024年公開予定の「ゴジラVSコング」の続編から、著作権料収入を見込んでいるわけですが、今回の「ゴジラ-1.0」の北米での興行収入が「ゴジラVSコング」の興行収入に直結することは、明らかです。
そのためにも、北米での大ヒットはなんとしてでも成し遂げたいのが、東宝の本音でしょう。
【やっと、感想を述べます】
この北米戦略は、じつは、本作品が、これまでのゴジラ映画の中でも、最高の出来栄えという高い評価を生み出すきっかけになっていると思います。
ゴジラを中心としたCGによる映像表現の巧さもさることながら、じっくりと「人間ドラマ」を描くことに成功しているからです。
主人公はあくまでゴジラであるから、ゴジラのアクションが重要な要素であるのは確か。
でも、北米で、多くの観客を獲得するためには、「人間ドラマ」は不可欠です。
特に、登場人物の日常生活上での、家族や関わりのある人物への「思いやりや優しさ」が観客に伝わらないと。
ハリウッド版ゴジラシリーズの人間パートでは、その辺りの作り込みが巧いと常々感じていたのですが、本作品は、そのレベルに十分到達しつつ、「戦争」を通しての人間の心理的葛藤まで描いていて、ゴジラ映画は初めてという方でも、しっかり感動できる作品となっています。
文句なしの★5つです。
おもしろかった
脚本は笑っちゃうほどひどいが、見て損はない
ゴジラが強くて迫力があるところはさすが。口から吐く衝撃的な光線の破壊力とそのエネルギーを充填する時の背中の動きは見ごたえがあった。身体に損傷を受けてもすぐに再生してしまう強さもうまく映像表現できていた。
安藤サクラ、吉岡秀隆らの演技によってリアリティが感じられ、脚本への違和感を感じつつも、ストーリーから心が離れてしまうほどではなかった。なので、見て損はないと思う。
ゴジラの違和感(海上で上半身が出るほど浮いているのはなぜ? 立ち泳ぎがすごくうまいのか?)、ゴジラ退治作戦の違和感(駆逐艦を助けに来た船がロープをつないで引っ張るのには笑ってしまった)、主人公への違和感(芯の強さを途中どこかで見せないと、主人公として魅力不足)、ゴジラの周りの群衆への違和感(なぜ、ゴジラの進行方向と同じ方向へ逃げる?)。
違和感はたくさんあるが、そもそもゴジラという生物が大きな違和感なので、気にするほどのことではないと思える。いくつかは笑えるほどひどいので、そういう楽しみ方ができて良いかもしれない。
ツッコミどころばっかでくっそつまらなかったです
ゴジラ映画じゃなくてやっすい人間ドラマの映画ですね、これ。
ゴジラメインじゃなくて人間メインでしかも口頭説明。言わんでも目で見てるんだからわかるわ。
しかも展開にツッコミどころありすぎるし、集中できませんでしたよ。
口の中に機雷という大きな異物が入ってきてカラカラいってるのに吐き出しも呑みこみもしないのはロボか?神経無いのか?、電車から海に落ちたと思ったら次のシーンじゃゴジラの前の逃げる群衆の中にいるヒロインはゴジラの前にワープでもしたの?速度的に無理でしょ、ロボットみたいに背びれがしっぽの先からガコンガコンと上がって一気に全部下がって熱戦を吐き出す機械みたいな動きは何?中心に炉心があるだろうになぜしっぽの先端から光る?、海神作戦では途中で浮き輪壊して浮き上がらなくなったゴジラの前で悠長に応援の船と駆逐艦をロープでつなぐのは急いでも数十分程度じゃ無理だろ、浮き輪噛み千切れるのになぜゴジラは暴れない?シーンカットすればいいってもんじゃねえだろ時間考えろよ、爆風でおっそろし勢いで吹き飛んだのに無事な女性はG細胞か?ただのご都合主義か?散々探しただろうにどこにいた?、震電とゴジラがかち合ったのってどこなんですかね?今まで街中に出没してたのにいきなり数件しか家が無く後は田んぼ畑の田舎でシーンカットしたと思ったら海のそば、戦闘機に気を取られた?ワイヤーとボンベが絡まってきてるのになんでその場で立ち泳ぎしてるの?高雄戦の時に見せたあの素早い泳ぎと動きはどうした?、体の中心にバカでかい炉心を持っていて核融合し続けているはずのゴジラがあの程度の高圧と急減圧で人間みたいに膨れる?脆すぎない?
パっと思い出した違和感があるシーン書いたから時系列バラバラですけどマジで集中できなかったですね、ツッコミが頭の中を駆け巡って、なぜそうなるかとばかり考えてましたよ
シーンをカットするのは良いんですけどね、カットされたシーンで変わった部分がどれだけ時間がかかるかとか考えちゃうわけですよ
特に緊迫した海神作戦のシーンとかね、何隻もロープで強固に繋ぐ時間が数分なわけないしゴジラ暴れないの?ってとこでもう緊迫感ゼロでしたわ
人間ドラマシーンはもうどうでもいいですわ
「ゴジラ見に来たんだけどなー何見せられてるんだろうなー」って感じで内容も薄っぺらくてセリフも説明口調で感動した名セリフもなく記憶にも残ってない
唯一残ってるのは最初のほうのシーンで隣に住んでたおばさんが自分は子供無くしたのに何でお前はのこのこ帰ってきたんだって激昂するシーンですね、あそこは感情がのってて良かったですけどすぐ赤ちゃんにほだされたのはちょっと段階とばし過ぎじゃないかとは思いました。空襲と関係なく栄養失調や病気で亡くなったとかなら代わりの子供への愛情の注ぎ先となったって納得しますけどあんなに恨んでいたのにすぐ手のひら返しはなんなんだろう?
必要な過程のシーンがカットされたとともにそのシーンに必要な時間もカットされたのが違和感爆発したとこかなーって思ってます。
ご都合主義は良いんだけどご都合主義のジャンルがコメディというかギャグマンガの世界なんですよね、閉まるドアにギリギリ入れたとかギリギリ気づけて避けたとかじゃなくて、いやありえないだろ!ってツッコミ入れるタイプのご都合主義。
VSシリーズみたいに定期的に何度も見たいってならない、二回目はレンタルとかじゃ絶対借りず金曜ロードショーとかでならここがおかしい等と家族で議論しながら見るかなってくらいの映画でした。
ファイナルウォーズの時に通販で販売していて買っってもらったゴジラの映画全集?DVDボックス?で2000年前後の作品から見直して昔は良かったなって年とった爺みたいなことしようかと思います。
オブラート無しの感想
なんでこんなのが絶賛されてるかマジでわからん、ゴジラとして最底辺のマグロ食ってるゴジラの映画のほうが映画としてはまだ面白かったよ。
万人受けするストーリー
「シンゴジラ」のように驚きや想像を超えてくるようなことはありませんでしたが、普通に面白かったです。主人公神木隆之介君の演技が素晴らしく、ゴジラ中心と言うよりも、神木くんのストーリーと言った印象で、「シン」よりも万人受けするストーリーだと思います。ただ欲を言えば、ゴジラの凄さが伝わってこないというか...「シン」で圧倒的な破壊力と、今まで感じたことのないような神々しさを目の当たりにした後なので、そこは物足りなさを感じました。
結末で評価を分けているようですが、私は浜辺美波生存には賛成、ゴジラ再生には反対です。
観て損は無い、次回作決定かな?
大人も楽しめる!
また別な新しいゴジラ
終戦前に島に特攻隊として降り立った敷島が島内で海軍航空隊の整備部とともにゴジラを目撃する。整備部の橘は敷島に攻撃を命じるが敷島は攻撃ができず、気がついたら航空隊は全滅だった。東京に戻ったあと、家族がなくなったことを知り、街が焼け野原になっていた。とある日街で大石典子に出会う。孤児になった明子と3人で暮らすが、敷島はまた仕事中にゴジラに遭遇する。ゴジラと敷島の心の変化、典子と明子を中心に書いている話です。
良かったところ
・浜辺美波さんが役に
・青木崇高さん、安藤サクラさん、吉岡秀隆さんの演技はいつでもよい。
・秋津船長はいいこと言う
いまいちなところ
・水島四郎の手の骨折治癒に時間かかりすぎじゃない
・神木さんの演技がパットしない
・戦闘機のVFXがいまいち
・緊急脱出レバーはなぜ安全装置って嘘ついた。脱出後の回想シーンで一回説明しているじゃん
学び
・命を簡単に諦めずにしてはいけない。命を大切にある命は生き続けることを伝えたい映画でした。戦争であっても命を大切に!死ぬんではなく生きて帰る戦争に!
他の作品がチラチラする
武装解除された昭和22年当時の日本でおそらく原爆ですら効き目がなさそうな再生能力があるゴジラ相手に犠牲者なしで撃退するというスペクタル性はいい。その割に上陸してから銀座までしか暴れないのはどうだろう?
冒頭の舞台は敷島海軍少尉が「内地」から出撃した場合は奄美のどこか、台湾からなら八重山のどこかになるだろうが、ゴジラは核実験で現れたという設定を使うとまだ日本軍が掌握していた南洋諸島の方が自然だ。「内地」から飛べるとすれば彩雲のような機種になるので無理に特攻隊に絡めないで「内地」から南洋諸島に連絡機として飛行した彩雲が不時着した方がよさそうだ。
神木隆之介と青木崇高は「平清盛」の源義経と武蔵坊弁慶なので五条大橋以来の主従関係故に信頼関係があるように見えてしまった。いくら敷島と橘は「内地」で知っているようにセリフで描いていても敷島の橘に対する信頼ぶりは少し不自然だ。一緒に衣川で討ち死にしたから?ゴジラの口に機雷を突っ込んだのは敷島が乗り込んだ掃海艇のシーンであって冒頭のシーンにはないのに敷島が橘に向かって一緒に見てきたように効果を訴えたところで分からないはずなのに監督は気がつかなかったのか?
橘は最初のうちは敷島に敬語を使っているので階級章が映らないし階級も名乗らないが准士官どまりで敷島海軍少尉は実戦経験がない設定なので予科練出身の海軍士官か特務士官ではなく海兵卒か海軍予備学生だろう。
この作品は「シン・仮面ライダー」と出演者が被ったり夫やカノが出演したりしているので「シン・仮面ライダー」より先に公開した方がよかっただろう。敷島が震電のコクピットに典子の写真を置くシーン以外は「らんまん」を連想しなかったが、大石典子はどう見ても人間ではない。演者が浜辺美波なので有楽町あたりでゴジラに列車ごと襲われて外堀に落ちた上で銀座に戻ってからも生きているのは「用意周到」でプラーナを突っ込みまくった緑川ルリ子にしか見えないのは、この映画にとって不運なところだ。ひょっとしたらハチオーグがルリルリそっくりな典子を回収して蘇生した上で記憶を抹消して元の世界に戻したか、あるいは「仮面ライダーV3」で本郷猛と一文字隼人がデストロンの基地で風見史郎を改造したみたいに一文字隼人が洗脳を解除してくれた緑川ルリ子に恩義を感じて瓜二つの典子に改造手術を施したのか。「誰も死なせない」というメッセージ性を持たせるとしても大石典子を超人にしてはまずいだろう。
浜辺美波は緑川ルリ子の表情のない表情や槙野寿恵子の豊かな表情のように作品の良し悪しで見せる印象が変わる女優だと改めて思った。「あさイチ」などで神木隆之介が既に共演経験がある7歳年下の浜辺美波を「美波ちゃん」から「浜辺」と呼び方を変えたと語っていたし、お互いに熟知しているので息も合うわけだ。
旧海軍の掃海部隊では海軍時代の階級でお互いを呼んでいたはずだが。
予算の関係?でアメリカ軍が出て来ないし「日本政府は国民を見捨てたので民間人が日本と国民を守る」割には航行不能になった高雄がはるばる航行出来るように修理した上で武装して「昭南」から「内地」に向かったり公職追放された海軍士官達が主体になって復員庁第二復員局が管理しているはずの雪風と響を自由に使えたりするのは矛盾するのではないか?国会議事堂前に陣取って銀座に向かうゴジラに砲撃していた四号中戦車となると生産台数が少ない車種なのに、あれでは作中世界は帝国海軍は存在しないが戦車隊を擁する帝国陸軍は存在したみたいだ。それに永田町から四式中戦車の75ミリ砲で銀座に向かう途中のゴジラを迎え撃つには距離があるし東京湾から上陸して銀座に向かったはずのゴジラの行動に無理が出てしまう。「昭南」には高雄と同型艦の妙高もいたのに出したくなかったのか。特別輸送艦の船体には船名と日の丸が描かれていたのに作中では日の丸が描かれていない。
敷島が搭乗するために探して見つかった機体が試作戦闘機なら烈風もあるのに震電であり橘が敷島に対して説明するシーンと電報が出て来るシーンで「最終決戦」の行方が見えてしまった。練習機と零戦しか飛ばした事がないであろう敷島が桜花のように機種に爆装した震電を自由自在に飛ばせるとは相当な力量の持ち主になってしまう。
東宝がこの映画の続編を製作する場合、ゴジラ映画を量産していた昭和40年代を舞台にして典子が連れている孤児役には割り切って遠藤さくらか本田望結を起用したらどうだろうか。「ウルトラセブン」の映画を製作するならアンヌ隊員役には浜辺美波を起用してダリーに寄生される香織役には本編と同じく松坂慶子を起用してアンヌを襲わせたらいいのではないか。
B級に振りきれたならば
うん。良いところもあった…よな。
出し惜しみせず早めに姿を現すゴジラ。
ゴジラが神のように描かれていない点。
ゴジラが現れた理由を説教臭く説明もしないところ。
得体の知れない悪として描かれているあたり(褒めている)。
飛んだり跳ねたりしない下半身しっかりめのビジュアル。
最後はちゃんと−1.0だったことちゃんと思い出させるところ(回復は早過ぎるが。オキシジェン・デストロイヤーじゃなきゃ死なないんだからやむなし)。
元艦長の田中さんのカリスマ性と若者役の山田さんの自分も行きたいって演技。
そう…良いシーンもあったはず…。
けれど…
何度もたまたま助かる神木隆之介。
銀座でたまたま浜辺美波に会えちゃう神木隆之介。
ゴジラの咥えた電車から落ちても生き延びちゃう浜辺美波。
最後はゴジラの細胞がうっかり影響して?生き延びちゃう進化版浜辺美波。
機雷撤去の人が大役を任されちゃうくだり。
実はなんか凄い博士な吉岡秀隆。(暇なのか?割と飲み会にも来てたけど。)
いや、まぁまぁ。
ハリウッド映画みたいなご都合主義もよし。映画だもん。
脱出装置に電報の相手。
先が読めちゃうのもまぁ…良い。謎解き映画じゃないもん。
が…やはり…。
ダメだ…。
安っぽいセリフと演技が山盛り過ぎて…。
気にしないふりをしてもそこが気になってしまう。萎える。集中を削がれる。
特に佐々木蔵之介と吉岡秀隆が目も当てられない…。激安設定に激安演技。彼らは役者として出るメリットあったのかな…?酷過ぎ。
いっそB級映画に振り切った脚本だったのならいざ知らず。
そうやって冷静にさせられると、見たくなかったダサいゴジラもひたすら気になってくる。
人ひとりをピンポイントで咥える器用なジュラシックパーク的ゴジラ。
の割に急に?何故か?一台の戦闘機に気を取られて?ボンベにまんまと囲まれちゃうおバカゴジラ。
視聴者にわかりやすく顔出して犬かき泳ぎするゴジラ。
超合金の変身みたいに背びれがシャキーンと順番に飛び出すゴジラ。
あぁ…ダサい。。
唯一、伊福部昭の音楽は無条件で最高。
高揚感。絶望感。
カッコ良すぎる。
全2024件中、1261~1280件目を表示