「反戦でも、反原水爆でもない。戦後の生活の苦しさは一切伝わらない。破壊のスケールが小さい。伊福部音楽の流用が雑でリスペクトなし。」ゴジラ-1.0 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
反戦でも、反原水爆でもない。戦後の生活の苦しさは一切伝わらない。破壊のスケールが小さい。伊福部音楽の流用が雑でリスペクトなし。
まず、スケールが小さい。破壊が銀座シーンのみ、しかも短い。
登場人物、出演者が少ないせいもある。
第一作のような、大勢の被害者が避難所にあふれているようなシーンは一切なし。
東宝で、いや、日本で今、恐らく最も予算が取れる本作のような企画でも、この程度の規模しか作れないのか。
また、「ゴジラ」以前に、映画として、戦後の悲惨さ、苦しさは全く伝わらない。
戦後って、結構楽勝だったのか?
悲惨さ理不尽さが一切伝わってこない。
人々の衣装も顔も凄くキレイ。
飢えている人もいないよう。
さらに、原水爆批判、反戦一切無し!
新型爆弾が広島、長崎に落とされた直後の日本なのに、一切触れていない。
これはつらい。
さらに、伊福部音楽の流用にリスペクトがない。
せっかくの設定ゼロからの新作なのだから、伊福部ゴジラではないと思ってたら、まさか。
ゴジラ出現から銀座破壊において、いきなり流れる「ゴジラの恐怖」。
しかし、それにモスラの「マハラ・モスラ」のメロディが続いている。(「マハラ~マハラモスラ~」)
何でモスラ?
「モスラ対ゴジラ」のメインタイトルをそのまま流用したから?
また、人間側の作戦時に「ゴジラのテーマ」(有名なドシラ・ドシラ…)が流れるのはいいが、それに続いて今度は「キングコング対ゴジラ」のメインタイトル(ファロ島の原住民の歌のメロディ)になってる。
(「アーシーアナロイ アセケーサモアイ」)
なんで、キングコング???
「SF交響ファンタジー」からそのまま引用したから?
いか、パンフを読んだら、新録音だという。
伊福部先生がご存命なら絶対怒る。
あと、これは蛇足ですが、さらに個人的には、子役の演出がヘタ過ぎる。
神木君が子供にセリフを誘導してる。
結果、東宝に近い監督が、やっぱり普通の監督が作るとこうなるのか。
「三丁目の夕日のゴジラ」。
東宝の「外部」の監督、庵野監督が身を削った渾身の作品だとわかる「シン・ゴジラ」が、如何に奇跡的な作品だったかを思い知った気がする。
それ以上に第一作が、ありえない奇蹟だったのかと。
シン・ゴジラはゴジラの存在感にのみ振り切ったから、あれだけの鑑賞体験になったのだと思いました。
今回は、ハリウッドに作って欲しかったゴジラかなあ。
あと守備隊の全滅は守備隊長が無謀な戦闘を挑んだからでは?という疑問がずっとついて回りました。
日本のCGにしては割とマシなのと
ゴジラの無敵感は良かった!
人間ドラマはあり得ないくらい酷かったし突っ込みどころしか無かったです
あと説明し過ぎのせいで
作戦が二つとも失敗して特攻して脱出して助かるのを分かった上でそれを見届けるのに緊張感も感動も一切ありませんでした!
ゴジラ出現のシーンはどれも迫力があり、音楽もキターって感じでよかった。
そもそもが反戦映画では無く、戦後はモチーフであって、生きる事の尊さがテーマにだと自分は感じました。