「コロナ禍選挙の空気感を思い出す」劇場版 センキョナンデス トダー・オートマタさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ禍選挙の空気感を思い出す
本作は2021年と2022年の選挙
ラッパーのダースレイダーと芸人のプチ鹿島の二人が
取材したドキュメンタリー映画
2021年の衆議院選挙は
香川一区を取材しており
小川淳也のドキュメンタリー映画『香川1区』を見ると
平井陣営が取材を邪魔していたり
四国新聞が本人に直接取材せずに記事を書いたりしているのを見て
共通している部分が見つかって面白かった
平井卓也議員の選挙事務所は
天井にも推薦文を貼っていたりして
かなり異様な感じで、パレードでも一般人が近寄りがたい雰囲気があった
四国新聞社に質問をするときにも
FAXを頼まれて、「もっとデジタルな方法はないんですか」という言葉は面白いが
初代デジタル担当大臣の親族経営の新聞社だから
本当にもっとデジタルに対応してもよかったんじゃないかと本当に思う
しかも、質問の回答で「新聞社の取材方法は問題ない」
という感じの一言で終わらせて、あまりにもひどいと思ったが
地元の人はこういう出来事があったと知っている人は少ないんだろうなとも思った
2022年の参議院選挙では
菅直人元首相が『闘うリベラル宣言』をして
大阪に乗り込んで選挙活動をしていたことがきっかけで
大阪を取材することになる
序盤では辻元清美や松川るい、辰巳コータローなどを取材して
「カジノ(IR)」をどうするかが焦点になっていた
しかし、安倍元首相銃撃事件から空気が一変する
初期はSNSでホリエモンとかが「アベガーのせい」という風潮が大きく
選挙活動を控える議員もでてきて
その中で選挙活動をする議員もいて、銃撃事件の衝撃は凄まじいということを思い出した
途中で、「菅直人の『戦うリベラル宣言』に立憲内部は苦々しく思っている」という週刊誌記事について
聞く場面があったが、その質問にまともに答える議員は少なかったのは
最近の立憲、維新との連携を予兆していたように思えた
個人的にこれは本作のせいかはわからないが
映画に出ていた「日本維新の会」の人の言葉が
吉村知事を含めてあまり印象に残らなかった
むしろ立憲が維新を批判するときに
「カジノ、イソジン、核武装」などの
立憲の維新評みたいなものは印象に残った
コロナ禍の選挙の空気を思い出すのにはうってつけの映画だが
香川、大阪、京都という限られた選挙区だけなので
物足りない人もいるかもしれない