「堕ちていく自分を認めたくない「中年の危機」か」零落 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
堕ちていく自分を認めたくない「中年の危機」か
ミドルエイジ・クライシスとか中年症候群とか、ある程度の年齢になって感じる様々な不安葛藤をそう呼ぶらしい 普通のサラリーマンであっても競争の中で、若いときに勝ち抜いた成功体験を持つ者にとって中年になってから感じる挫折感、後輩に抜かれていく気持ちは不安を生み、そこに何らかの合理的な理由づけをして自分を納得させる 多くの中高年の方が感じる思いであるだろうが、成功と衰退が端的なのが、この業界であるのだろう 編集者という取り巻きの存在によって、自分の存在が乱暴に扱われていることがわかっていても、それを自分ではなく他人に責任転嫁をする主人公の姿は、自分を見ているようでつらいところもあった
転職サイトのCMで見ない日のない好感度抜群の斎藤さんがこの役を演じると、クズさがより鮮明でもあった これまで優しい役の多かった山下リオさんも「醜い本性」を持つアシスタントを演じていたし、編集者の取り巻き達も「醜い本性」 救われない人たちの中で、趣里さん演じるちふゆには安らぎを感じました 「生きてるだけで、愛」以降すごく活躍されていますね エンドロールのあとの2人で歩く風景は、どういう意味なのか不思議に思いました 水橋研二さん、こういった作品にちょこっと存在感があります
(3月20日 なんばパークスシネマにて鑑賞)
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