「ドキュメンタリーの傑作だと思う」ミスタームーンライト 1966 ザ・ビートルズ武道館公演　みんなで見た夢　ギャビーさんの映画レビュー（感想・評価）

TOHOシネマズ日比谷で鑑賞。
この手の映画にしては客席は結構、埋まっていた気がする。

そこまでビートルズのファンではないけど、音楽は好きだから行ってみた、
という程度だったけど、想像を超えて、かなり面白かった。

内容としてはビートルズが日本に入ってきた頃から、
日本武道館公演までのドキュメンタリーで、
ビートルズに関わる様々な職種の人たちのインタビューを
繋ぎ合わせた構成だけど、すごくテンポがよく、
１００分でもまったく飽きなかった。

基本的にインタビューが延々と続くのだが、
次々と色々な人が、色々な話をしてくれて、
前の人の話を受けて、次の人が話すという形も多く、
どんどん核心に迫っていくから、
とても興味深く観ることができた。

とにかく、当時のビートルズに対する日本人の情熱を感じられたし、
なんでもありで、やったもん勝ちみたいな雰囲気が、
あの時代にはあったことがよく分かったし、楽しかった。

出演している人たちは高齢者が多いけど、
音楽業界の超有名人ばかりで、よく集められたなと思った。
でも、どの人もすごく楽しそうに話しているのが印象的だった。
ダラダラしたインタビューが続いて、すごく退屈な映画を観たことあったけど、
全然違っていたので、それは結構、凄いことだと思った。

直木賞作家が学生時代にビートルズに会った話、
ＪＡＬの機内でハッピを渡した客室乗務員の話、
日テレのディレクターが必死に撮影した話、
などが特に面白かった。

ビートルズの楽曲はそこまで流れてこないけど、
映画を観ながらお客の頭の中で脳内再生されているから、
そこまで気にはならなかった。
（大ファンではないから、そう感じたのかもしれないけど…）

ドキュメンタリーは割と観るけど、
こうしたインタビュー形式の中では、
最も面白かったし、個人的には傑作に入る。

「ビートルズ好き」はもちろんだけど、
「音楽好き」や「昭和が好き」、「ドキュメンタリー好き」な人たちも
十分に楽しめるはず。