炎上する君のレビュー・感想・評価
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炎上する腋
発声や台詞回し、動きやリアリティラインまで、舞台劇のような作品だった。
燃えてて熱くないのかとか、服は燃えないのかとか、そういうのも考えるべきじゃないらしい。
まさか「炎上」が物理的なものだとは…笑
正直、あのワケの分からない踊りに人が集まるとは思えない。
最初の生え具合では腋毛には気付かないだろうし、写真を売られたり性的に見られるようになるのも理解できない。
そういう偏見を否定する作品のようにも思うが、性嗜好に対してはハッキリ嫌悪感が描かれていた。
梨田の言った「消費されたくない」というところが主題だろうか。
芸人の男性への過剰な“外見イジリ”はあったが、やはり「女性への抑圧」への偏りが強かったように思う。
もっと広義の抑圧と自己開放なら違ったかもしれないが、それ故か男の自分にはイマイチ刺さらなかった。
42分と短いこともあり、物語というよりメッセージを投げつけているような印象。
解決策の提示や登場人物への救いを描くわけでもなく、コメディ風社会風刺として見るには中途半端だった。
他人にとやかく言われる筋合いはない
高円寺で生活してる
二人の女性のお話。
高円寺で生活してる
という以外は、
二人についての説明がほぼ無い。
生きていて理不尽に思うこと
をお互いに言い合って、
共感している二人。
人は自分の人生を生きる。
変わっているからって
他人にとやかく言われる筋合いはない。
現実にはあり得ないことがおきる。
それを
「おかしい!」といって切り捨てるのではなく
「そういうこともあるよ」といって受け入れる。
約40分と短く、
言いたいこと言ってスパッと終わる。
そんな映画です。
「笑止!」
原作は未読 但し、ネットにて粗筋サイトの参照なので信憑性は無いが、足し引きはされているらしい
作品時間が短いので、この二人の背景は、ラストでの過去の1エピソードの独白のみであるが、その内容に一点突破したストーリーとして再構成されていると感じた
コンセプトとすれば、女性やクィア問題に際する差別、多様性への拡がりが中々拡がらない事への憂いを描く造りである
所謂、旧『ヲタク』的言葉遣いや会話法にてコミュニケーションを営む二人の女性が、日々の女性蔑視報道への憂いや、お笑いライブでのルッキズム問題に遭遇する中で、女性の美容をもインクルードした、"こうあるべき"固定概念の打破を表現する、腋毛を見せ付けながらのパフォーマンスダンスを始める 固定ファンがつき始めた頃、しかしそのパフォーマンスの惰性や、主張や意図の未伝達により、却ってエロティシズムとしての消費に気付き、急速に醒めてしまう そんな二人に新たにもたらされた『足が燃えている』人の目撃情報 一晩中、高円寺を彷徨った先に発見した、彼の男の事情や迫害の吐露に、二人は改めて結びつきの強さを再確認、そしてエンパワーメントの拡大を目論む予感を、『腋毛が燃える』女との邂逅にて表現した作劇になっている
描いている造りは大雑把とはいえ、具体性を以て演出されているので、上記のような社会問題意識を持った革新的思想の人には解りやすい そこまでの政治思想でなくても、世間に横たわる"共生"に対しての意識改革の愚鈍さを嘆いているといったメッセージは、"高円寺"という自由で大らかな街というイメージの裏に隠された解消されない固定概念や、蔓延る選別意識に苦しみや生きづらさを抱える弱者の存在にスポットライトを当てる構成である メタファーとしての"足"や"腋毛"の燃焼は、その特異且つ怪奇なルックに注目を浴びてしまうが、当人の事情や願い、そして知って欲しいという承認は、正に現在に通ずる諸問題であろう 彼女たちがその唯一無二の関係性に互いを感謝し合いながら、その想いを担保に、取材を続けるのか、はたまた新しいパフォーマンスを起草するのか、それとも革命の旗手となるのか、可能性を一方には進めず、多角的な行動をスマート、且つ愚直に遂行する将来を希望させられる上映終了後の爽やかさを感じた
原作では、足が燃えている男のその一点の曇りもない誠実な目に惚れた二人が段々と男に気に入られようと美容に走るという皮肉を描いている様ではあるが、映画の脚色の方がしっかりと定義された価値ある作品に仕上がっている 欲を言えば、もう少し出来事の掘り下げがあると輪郭を強調でき、コメディとの両立が鮮明になる、要は上映時間を増やしたら良いかと思ったのだが、この短さも又今風なのだろうか・・・
メッセージ性の強い作品だけど、 そんなの深く考えず、楽しく見た 見...
メッセージ性の強い作品だけど、
そんなの深く考えず、楽しく見た
見終わった後の爽快感が良い!
主役二人の、
演技というかキャスティングというか、
その辺もとにかく良かった
好き
ダンシング
本来観る予定だった作品に間に合わなかったのですが、良い具合の時間帯にこの作品があり、上映時間も短かったので鑑賞。あらすじを見る感じ、あまりハマらないかな…と思いましたが、要所要所で共感できる部分がありました。
女性蔑視やルッキズムなどが強く押し出され、それに対しての不満をなんらかの形で曝け出す人たちの話がメインで展開されます。42分と短いので、それらの内容ギュギュッと詰め込まれていました。
日頃の鬱憤を晴らすために、高円寺の路上で脇毛を晒して踊るというシーン、何かからの解放という点では目立っていたシーンだと思うんですが、まぁ絵面的に綺麗なものではないですし、怒りの発散方法で自分の脇を晒すというのはあまりにも恥ずかしくないか…?そしてそれに興奮するファンたちの性的嗜好だいぶねじ曲がってないか…?と疑問に思うシーンが多くありました。その脇で抜く奴もいるみたいで、日本だけでもフェチは幅広いなーと思いました。
後半は足元が炎上する男を捜索する場面に移りますが、歩きすぎて足元が燃えているという突然のファンタジーに呆気を取られましたが、なんて事ない悩みもその人にとっては大きなものというメッセージが伝わってきました。
強く共感できた部分としては、「なぜ我々は脇毛を剃らなければならないのか」という場面で、見えない部分とはいえど気になるという点には頭をブンブン振って共感しました。
このくらいの中編映画はかなり珍しいと思うので、気になる方は興味本位で観に行ってみるのも良いのかなと思いました。
鑑賞日 8/7
鑑賞時間 11:05〜11:55
座席 C-5
なみのゆ
42分間の短編映画でしたが撮影中、監督自身
何度も号泣してしまったそうで、思い入れが詰まった作品になったとの事。
医学部入試問題、歳の差真剣カップルなど女性へ
相次ぐ発言や対応に抑圧されていた梨田と浜中。
二人は親友同士。
これを銭湯の中での会話はシュール。
だが真剣そのもの。
そこから世の中に対して不満を彼女達なりにアピール。何故か脇毛をたくわえて、高円寺商店街の一角で踊り出す。小さな反骨精神。
笑ってはいけないけど笑う。
普段着、サンダル、化粧無し、銭湯、痴漢
日常の中の彼女達。
「消費されない女たちになりたかった」の言葉は
印象的。
LGBTや容姿問題に対しても「君は悪くない」
と大声で梨田が解き放つ。素晴らしい声!
本当そう思う。それは自由だよね。
コロナ禍での撮影中断もあり、途中でゆっきゅんの明るい歌声には救われたのではなかろうか。
この作品を製作するには相当パワーが必要だったと思う。42分間に素敵で魅力的な部分が多かった。お疲れ様でした。
帰りに足が燃える男の靴下を購入。デザインが可愛い。履く度にこの映画を思い出しそうです。
笑止!!
高円寺の路上で腋毛を晒してダンスパフォーマンスをする女性2人組の話。
女性蔑視だったりルッキズムだったりに、抑圧されていたものを爆発させて踊りだした2人組が、思っていたのとは異なる状況に戸惑い迷いというストーリー。
君は何も…はその通りだけど、全部世の中のせいじゃないし、今あるこの世の中でどう自分が生きるかだと思うのだけどねなんて思っていたら、えっ?ファンタジー?w
コメディ作品かと思ったら、若者の迷いと主張と自立だったりと案外カタイ感じで、思ったよりも大人しくて盛り上がる感じもあまりなかったかな。
ごめんなさいは使い方が難しい
よくこんな短い映画にあらゆる角度の問題を混ぜられたな。すごくうまくまとまってて、めっちゃ面白かった!!
セリフを含めて舞台みたいな演出も、言葉に集中できて良かった。
ありがとうはある程度沢山言っても良いけど、ごめんなさいをはじめ、謝罪の言葉は使うのが本当に難しいなとよく思う。
謝罪の言葉を、失礼します、くらいの挨拶の代わりに使ってはいけないのよね。自分が悪くないのに謝ってはいけないことを、日本の外に出たら特に感じた。言った瞬間こちらが悪くなってしまうもの!!
うらじぬの
2023年7月6日
映画 #炎上する君 (2023年)鑑賞
ルッキズムやLGBTQなど女性の置かれている厳しい現実と、女性が自由に生きることを描いた快作です。
男性と女性では感想が大きく異なると思います。
#西加奈子 さんの原作を読みたくなった。
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました。
(オンライン試写会はネタバレの有無にかかわらずネタバレ扱い)男女同権思想等に関心がある方はぜひ。
今年223本目(合計874本目/今月(2023年7月度)9本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
※ いわゆる男女同権思想(フェミニズム思想)に関しては、一般的な解釈をするものとします。
fansvoiceさまのご厚意でオンライン試写会で見ることができました。
42分ほどの「小映画」と言うるタイプでストーリーも一本道なのでわかりやすいです(ただ、気になった点は以下に)。
いわゆるシスターフッドもので、この点では部分的にはプリテンダーズに似ています。
ただ、42分という短さでありながら「炎上する」という「炎上」が何を指すのか、「君」とは何なのか、ということが映画の趣旨であるところ、これらを書き始めるとネタバレになってしまいます。
および、シスターフッドものという事情があり、いわゆるLGBTという語も明確に出てきますが、42分という時間の割に、正しい理解で描写されている点は好印象です。ここに男女同権思想等が絡んでくることになります。
42分という事情もあるので、当日の放映ではいわゆる「一般料金」かどうかは不明ですが(概して60分を切る映画はアニメを除いて1500円なり1000円均一というものも多い)、短い時間の中に問題提起がちゃんとなされている(細かい点はすべてネタバレ回避。「炎上する君」の「正体」が何であるか、の言及ができないことによる)点で正規の日ではおすすめの一作です。
気になった点として以下をあげましたが、フルスコアに切り上げています(減点0.2まではフルスコア切り上げ)。
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(減点0.2/早口に過ぎる部分がある)
・ 序盤の、飲み屋か中華料理屋か何かと思われる部分で、いわゆるLGBTに関して話し合っている部分があるのですが、かなり早口で聞き取りづらいです(オンライン試写会なので合理的な範囲で巻き戻し再生等は自由ですが、それでも聞き取れない部分があります。声自体も(ここだけ)小さい模様)。
ただ、いわゆるLGBTに関して話し合っているという点自体はわかるので、確かにわかりにくいかなというところは思いましたが(かつ、42分の映画なので、一つ一つのシーンがどうしても重い評価ウェイトをしめる)、一応「こういうことを言いたいのだろう」という点がわかる点で、減点はこの幅にしています。
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