「引退」クリード 過去の逆襲 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
引退
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相手役が印象的だった。
井戸の底から空を妬ましく見上げる目というのだろうか…まとわりつく過去を体現してるようでもあり、ナイスなキャスティングだった。
対クリード戦に向けて鍛えあげてきた肉体が、またその執念を物語っているかのようだった。
なかなかにスムーズな展開ではあったものの、幼馴染とのタイトル戦に向かう動機がいまいち弱く感じた。立ち向かう敵というよりは、過去の精算みたいな印象が強いし、12R戦った割にはクリードの顔は綺麗だった。動機がどうこうよりも、ダメージを負いながらも向かっていく精神にこそ、ロッキーのDNAがあるんではなかろうかと思う。
ただ、試合後のロッカールームのシーンは胸にくるものがある。
もっとお互い死力を尽くした感があれば尚更だったと思われる。
つまりは、試合のシーンがあまり良くなかったのかなあって感じ。
途中、2人だけの世界なんて表現もあったりして、タイトル戦ではない表現もあったりするものの…手に汗を握るような感覚はなかった。
何より、物語が長いというか延びてる感が…。
コレが最終章らしく思い入れが強いのも分からなくはないが…ただ、この作品のファンには堪らないのかもしれないな。
俺にはハマらなかった。
どこまでも沈んでいくような黒く重たい泥のような相手役の雰囲気に、全部持ってかれた感じで、その泥を吹き飛ばす程の覇気がクリードにはなかったように思う。
冒頭、デンプシーロールのような表現があったのは楽しかったけど、ああいう体勢ではないようにも思う。
一歩の方が説得力ある。
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