「脱・アポロ 独り立ちしたアドニスよ、これから何処へ向かう?」クリード 過去の逆襲 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
脱・アポロ 独り立ちしたアドニスよ、これから何処へ向かう?
レビュアーさんたちの星の数が芳しくなくて、観ようか悩んだけれど、ロッキーから全シリーズ観ているからねと、情にほだされ行って参りました。
結果、本作においてロッキーやアポロの因縁とか呪縛からやっと解放され、アドニス・クリードとしてのストーリー展開だったので、単体として観ればなかなかの面白さでした。ただ、デイミアン(ジョナサン・メジャース)がいきなりタイトルマッチの設定は、アポロVS.ロッキーとは前提が異なり、無理があったように思えます。
その無理な設定を引っ張り、アドニスが復帰して拳をまみえるところも同様かなぁ。
もう一点気になったのは、アメリカのプロボクシングというビッグマッチですからやむを得ないのかもしれませんが、やたらとスポンサーが前面に出てくるな、と(DAZN・ヘネシー・ラルフローレン?)、ちょっと御用聞き感が強くて鼻につきました。
それらを拭い去ってくれたのはジョナサン・メジャースの演技かと思います。出所後の雨に打たれた子犬のようなオドオドした目つき、それが戴冠後の俺様ドヤ顔へ、そして試合中の弱気が出る表情へとくるくる変わり、ラストは憑き物が落ちたようにすっきりとした子供時代のブラザーへと、お見事でした。
カラダを作り直すシーンなんかはロッキーシリーズへのオマージュを感じて、エイドリアーン!なんて叫びたくなりながらスクリーンを後にしました。
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talismanさんのコメント
2023年6月1日
ニコラスさん、コメントありがとうございます。女性の役割がジンワリと効いていたと思いました。また、娘がアドニス、母、祖母などと手話で会話をする場面も。