銀平町シネマブルースのレビュー・感想・評価
全46件中、1~20件目を表示
舞台は子供の時に通った川越スカラ座でした
私が子供の時に良く通った川越スカラ座が舞台で、とても懐かしい気持ちになりました。今は観光客で賑わう川越ですが、昔はスカラ座の辺りも地元住民しかいなかった記憶があります。確か、前オーナーからNPOが川越スカラ座を受け継いだんじゃなかったかな?川越スカラ座の場所も観光地の中にあるので、みなさま是非行ってみて下さい。
本作の登場人物は、全然きちんとしてなくて、貧しくて、会社で働くのが嫌いで、嘘つき、そしてシアター好き。でもそれが愛しき人間なんですよね。疲れた会社員の方、映画館でサボりはありです、人情や下町風情がお好きな方にはおすすめです。
映画はいいものですよ
コロナ禍以降、映画館や映画そのものを扱った作品が増えた。多くの映画人が映画に対する想いを綴ろうとしたのだろう。本作もそんな中の一本のように思う。
そして、それら作品の中身の出来にかかわらず、映画ファンとして評価したくなる気持ちがムクムクと芽生えてしまう。
「映画っていいものだろ」という言葉に共感してしまうだけであとのことはどうでもいいのだ。
作っている側と観る側という立場の違いはあれど、同じ映画を愛する者として、映画や映画館の話をされたら評価せざるを得ない。
とはいえ、再び立ち上がる再生の物語として、少々ぬるい感じはあっても良く出来ていたし、ラストは涙を誘う。
そして何より、スカラ座に貼られている映画のポスターを眺めているだけでも面白く満足できる。
古い名作と、わりと最近の尖った単館系作品のポスターが多かったね。ポスターの多くが邦題ではなく原題ままなのも何だか良かった。
おそらく半分以上観たことのある作品だったと思う。
映画はいいものだという気持ちのまま最初から最後まで見続けられて、何だか気持ちよくなれる。
仲間を見つけた喜びに似た感動がある。
いや〜、映画っていいものですね。
潰れかけてるけど
生き残る映画館って館長の作品のセレクトと作品契約の折り合いだろうと思う。
この作品の映画館は人の良い館長が借金しながら凌いでいる感じ。
世間の現実はDCPが導入されメイン作品殆どがデジタル上映、プロジェクターでの上映だ。作中の倉庫にある様なフイルムを拝む機会もすごく少なくなった。映写機作ってた会社が10年前位に撤退しはじめて、35ミリ映写機も16ミリ映写機もパーツ集めに苦労してるんじゃなかろうか…と作品に出てこない心配をしてしまう。
さて作品については従来の映画館を題材にした作品と比べると悪くもないし良くもない印象。
映画監督してた男が助監督の死で崩れ、女優の妻とも離婚。
素寒貧で地元に帰ってくる。
帰って早々にホームレスにタカられ、怪しい生活保護のNPOに引っ掛けられたりする。
気の良い映画館館長に拾ってもらい、映画館のバイトを始めるが映画館は火の車でスタッフの給料も遅配。
映画館復活のための企画に監督作品を上映する…。
無理な事やってるから映画館の復活はムリなんだけど、それぞれのキャラクターにはそれなりの答えや結末があって、人間再生物語の面がこの作品のテーマなんだろうな。
ただ、こまごまと出てくるキャラクターはユーモラスでリアリティーは無いし「映画っていいもんだろう」とホームレスの言葉にもうなずきたいが、今時は映画も観られる余裕もない窮屈な世の中、TV放送開始以降、レンタルビデオから始まる自宅での鑑賞から作品を選び放題のビデオ・オン・デマンドまで観る環境は変化した。映画を当たり前に映画館で観ると言う習慣すら世の中で変ってしまった。
今や映画館で映画を観てくれるのは、ヘビーユーザーと作品か出演者、監督のファンが中心で、稀に大ヒットが出たらライトユーザーがって感じになっている。かつて映画館を減らしていたレンタルビデオ店が閉店し始めて、映画を観たい人は居ても映画館で観ようとする人が減ってしまった様に思う。
儲かってない映画館が復活するのって、設備投資出来る余裕があっての事だから、世知辛い世の中だよ…。
あ、吉本新喜劇みたいな展開が嫌いな自分にはご都合的にうまくいかないこの展開には納得できた。奇跡は簡単に起こらないから奇跡って言うんだよな…。
映画を愛する人と街と温もりと哀愁
2023年劇場鑑賞12本目 傑作 79点
ムービルにて舞台挨拶付きで鑑賞した作品
鑑賞から1年近く経過してからのレビューですが個人的にどんどん評価が上がっている作品で、個人的にはまった川っぺりムコリッタの映画にまつわるものにスポットを当てた感じで、今作も感動しました(心が動いたという意味)
中島歩、発声に抑揚がない感じとか、モデル上がりだとかで二台目東出感あるけど邦画ミニシアター好きとしては昨今御用達で、彼が出演している作品はまあハズレがないし何でもできるからすごい。あの着ぐるみの撮影のシーン笑えたなぁ、二枚目が顔隠してツーモア演じるのはずるいよ
城定監督といえばピンク映画のイメージでしたが、今作はど直球のヒューマンで、脚本のいまおかしんじも邦画ミニシアターで名作ばかり輩出しているので安心して見れました
終始あの街と人々から滲み出る温かい雰囲気が心地よく、観客ももちろん映画や映画館が大好きなわけだから皆が登場人物だと錯覚するような没入感
キャストも絶妙で片岡礼子や宇野祥平、中島歩に吹越満、注目の平井亜門や小野莉奈などみんな随所に光っていました
薄っぺらいけど、映画っていいよなあぁ
是非
ミニシアターの思い出‼️
映画監督の夢が破綻し、一文無しで故郷の町へ戻ってきた青年・近藤‼️そんな近藤がミニシアターを経営する梶原と知り合い、アルバイトすることに。そこで知り合った様々な人間模様‼️結論から言えばもっと面白くなった、もっと感動させることが出来たんじゃないと思わされた作品‼️ミニシアターに集う映画好きな人々、しかもそこで上映されてるのが「カサブランカ」「第三の男」「風と共に去りぬ」といった往年の名作ときたら、我々映画ファンにはヨダレが出そうな題材なんでしょうけど・・・。主人公の同僚のスタッフや、年老いた映写技師、売れない役者、売れないミュージシャン、映画監督を目指す中学生、そして映画好きのホームレスなど、登場人物たちのキャラ描写がイマイチ掘り下げ不足で物語に入り込めなかった。そもそも主人公にしても、助監督の自殺が原因で映画監督を辞めたという事になってるんですが、結局なぜ助監督が自殺したのか、明確な理由は提示されず、奥さんと別れることになったいきさつも曖昧なままでイマイチ感情移入出来ないまま終わってしまった。もう少し時間をかけて主人公をはじめとする登場人物一人一人に奥行きを持たせたほうがよかったのではないでしょうか❓でもホームレスがやってる "良い映画を見終わった後は合唱" はいいなぁと思ったし、題材自体は魅力的なので、星1つおまけ‼️
古き良き映画文化の変化を予感させる
ミニシアターは淘汰されるのかな
それを予感させるようなお話でした
人はいつか、みんな、死ぬのよ
片岡礼子さんのあの台詞が全て
そう、映画文化は時代と共に変わる
古いものは退場していく
本作はそれに抗うのではなく、ある種肯定し
受け入れて前に進むように促してる気がする
いつまでもカサブランカを観たい人が生きてるわけでもなし・・・・
これを映画の進化と捉えるか衰退と捉えるかは観客次第、悲観的な描写が反面教師とならんことを祈るばかりです。
【多くのミニシアターを愛する方に観て貰いたい作品。】
― 私の居住区である名古屋でも、近年2館が休業になってしまった。これは配信の普及及び、それにより客足が遠のいた結果である。
配信は、私も頻繁に観るし、否定する積りは全くないのだが、劇場で観る映画の余韻は可なり違う事は否定できない。ー
◆感想
・内容は、予定調和的であり、予想通りに進むのであるがこれが面白いのである。
・ホームレスのオジサンが、月に2回は劇場で栄華を見る事を生き甲斐としている姿など、映画を愛する者にとって、映画館で観る映画の大切さを見事に伝える作品である。
<今作は、私が頻繁に足を運ぶ西三河の映画の殿堂「刈谷日劇」や偶に行く長野県の日本最古の映画館「長野相生座・ロキシー」などを想い出させてくれる作品である。後は京都の「京都シネマ」「出町座」かな。
あとは、ヤッパリ「伏見ミリオン座」だよね。ここは、上映している作品のフライヤーもそのまま置いてくれているし、愛知が誇るミニシアターなんだよね。
ミニシアターで観た映画って、何故か記憶に残るし、そもそもミニシアターがある都市って、文化の素養が深いと思うんだよね。
そのようなミニシアターが存続出来る都市って、文化的民意が高いと思うんだよね。
今週末も県内のミニシアターに足を運ぶよ。だって、ミニシアターで観た映画って何故か座席の硬さも含め、記憶に残るからね。>
おかえり小出恵介
監督は『アルプススタンドのはしの方』『愛なのに』『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』の城定秀夫
脚本は『島田陽子に逢いたい』『苦役列車』のいまおかしんじ
助監督が自殺しショックで落ち込み妻と離婚し放浪の旅に出たホラー映画監督近藤猛
悪辣なNPO法人の集会で偶然居合わせた銀平スカラ座の支配人梶原啓司に誘われ映画館で住み込みのバイトを始める
そんな銀平スカラ座が60周年イベントを開催する
監督も脚本家もポルノ映画出身だがこの作品にエロは微塵もない
だからその点では幅広い人たちに観てもらいたい
銀平スカラ座でバイトをしている映画監督の近藤猛に小出恵介
寂れたミニシアター銀平スカラ座の支配人の梶原啓司に吹越満
怪我で左官の仕事を失いホームレスになった映画好きの佐藤伸夫に宇野祥平
銀平スカラ座のスタッフで芸大出身の足立エリカに藤原さくら
銀平スカラ座のスタッフで銀平町商店街PR動画の監督を務める大崎美久に日高七海
ベテラン映写技師の谷口章雄に渡辺裕之
銀平スカラ座の常連で俳優の渡辺健介に中島歩
銀平スカラ座の常連でジャズミュージシャンの白川はじめに黒田卓也
銀平スカラ座の常連で映画ライターの那須ヒロシに木口健太
銀平スカラ座の常連で中学生の川本守に小鷹狩八
猛の映画の助監督を務め自殺した高杉良太郎に平井亜門
妻に反対され猛にカネを貸せなくなった友人の木村章に関町知弘
猛の元妻で元女優で猛の監督作品に主演している二ノ宮一果にさとうほなみ
一果と猛のあいだに生まれた娘の二ノ宮ハルに谷田ラナ
良太郎の母親の高杉弥生に片岡礼子
ホームレスの佐藤らを騙した生活保護費ブローカーの黒田新子に浅田美代子
新子の強面な手下の桑名陽平に加治将樹
梶原の元カノでマージャン仲間の桐谷陽子に藤田朋子
新人映画監督の谷内由里子に小野莉奈
谷内監督の映画に登場する映画監督に守屋文雄
歴史ある古びた映画館に集う、映画好きの人々のお話。 錚々たる顔ぶれ...
歴史ある古びた映画館に集う、映画好きの人々のお話。
錚々たる顔ぶれの演者さんたちに見入りつつ、
黒田卓也さんのトランペットが沁みました。さすがブルーノート等でトップを張れる演者さんです。
終演後は合掌させていただきました。
人生と映画
劇場で上映してくれた、塚口サンサン劇場に感謝です、見逃さずに済みました。
好きだわぁ~、この映画。
映画って最初は好きか嫌いかで始まり、ちょっと映画好きになると小賢しくも上手いとか下手とか言ったり傑作・駄作とか偉そうに言い出し、私の様に半世紀以上映画を見続けていると、最初の好き嫌いとはちょっと違うけど、好きか私には要らない作品かになって行くようです。
で、本作は“好きな映画”というだけで十分でしょうって感じてしまいました。
一生のうちに1本でも好きな映画があればいいじゃないですか。好きな作品が1本もない人生なんて不幸な人生だと思います。
言い換えればどんな人生だったとしても、大好きな映画に1本でも出会えたと人生と出会えなかった人生とでは大きな差があると思わせてくれる作品でした。
幸運なことに、私の人生は何百本の好きな映画に出合えました。
良い映画を観た後はスクリーンに向かって手を合わそう
映画ファンはチラシをくしゃくしゃにして捨てません。
渡辺裕之さん最後にいい役でよかったです。
阿藤海さんもキネマの天使で映写技師やったらすぐに亡くなっちゃった。
ご冥福をお祈りします。
映画館ていいもんだよ
映画館に救われてる人って結構居ると思うんですよね。私もその一人。だもんで刺さらない方がおかしい一本。登場する其々の人と映画の間合いが愛おしい。
助監督の話と渡辺裕之さんがだぶってしまい、映画のストーリーを越えた込み上げるものがありましたが、それを置いておいたとしても「優しい視点とビターなリアル」が心地好い作品です。
映画とミニシアター応援映画
藤原さくらが好きで、ラジオでも勧めていたので楽しみに見に行きました。
映画もミニシアターも好きです。
昔ながらのスクリーンで見つける映画は、宝物を見つけた気分になれます。
ただ、、、この映画はつまらなかった。
ストーリーも脚本も予想通りだし、好きな俳優さんも出ているのに、次のセリフや展開がベタすぎて、失笑してしまった。
テンポも悪く、無駄なシーン?が長くて辛い。
映画にとってリアリティは必須ではないと思いますが、その展開でそんなふうにか思うかね。ありえないというシーンが目立つ。
セリフのやり取りも、次のセリフが決まっているセリフが目立つ。演出としてどうかと。
涙パートも笑いパートも、これで泣いたり笑ったり出来るのか?と思ってしまいます。
映画全体がB級〜C級韓国満載です。
さらに、ストーリー上で上映される映画はさらにひどい。
藤原さくらさんは可愛い。
小出恵介さんおかえりなさい。今後も期待。
渡辺裕之さん、ご冥福をお祈りします。
ミニシアターでミニシアターの映画を観る幸せもありますが。
素人っぽい演出でしたが、エンドロールで城定監督と知る、、、好きな監督なんです。となると、あのわざとらしい演出はなにか意味があるのかな、、と思ってしまった。
同じ映画館を使ってもこれだけ違う映画にできる
映画館が舞台だったり、映画を作ったりする映画は名作が多い(気がする)。うんうん、わかるよその気持ち、映画ってやっぱりいいよなーなんて思いにさせてくれる。基本的に映画愛や映画への情熱に満ち溢れているだけで嬉しくなるのかもしれない。
映画監督の近藤くんの再起、スカラ座の再建、貧困ビジネスに巻き込まれるホームレスの苦しい現状が描かれる。個人的にはホームレスの佐藤さんが印象に残る。ホームレスになってもあんな感じに映画を愛していけたら幸せだよね。
そしてスカラ座の60周年イベント。映画を上映する合間にいろんなドラマが展開していてとても面白かった。恋が生まれたり生まれなかったり、涙が溢れたり出来事があったり。映画が好きな人が集まって、映画を観て、語らい合うって楽しいに違いない。そしてイベントで上映された映画(映画中映画)が意外と面白かった。ミニシアター系ならあれはあれでありだ。さらに、いろんな日本映画へのオマージュが入っているのもいい。考え過ぎ?いや、あれはそうだと思う。一人でそう思ってニヤニヤするのもアリだ。映画の正しい鑑賞法の一つだ。
城定秀夫が監督だと意識していなかったけど、エンドロールで城定さんの名前を見て、あーやっぱりなと納得。道理でいいなと感じていたはずだ。やはり映画館を舞台にした映画は面白い。同じ映画館を舞台にした大御所が監督した映画とは大違いだ。
最後に。渡辺裕之さんが出演していることに驚いた。亡くなったのは結構前な気がするが、こんな形で再会するとは思わなかった。なかなか渋い演技を見せてくれていただけにもったいないと思ってしまう。エンドロールのR.I.P.の文字も悲しい。
映画への愛
画への愛が詰まった作品であった。
友人で同僚の死をきっかけに、鬱と借金で映画を作れなくなった元監督の男と、不祥事でなにもかも失った小出恵介をかぶせていて、再起する…ではなく、再起する決意を抱くまでを描いていたのがよかった。
物語で完結した「お涙頂戴、とりあえず成功」で終わるのではなく、「これからまた成功できるかどうかわからないけれども、とりあえず一歩踏み出してみるか」という終わり方がしっくりきた。
群像劇のスタイルを取りながら、近藤を軸にしてることはブレないのに城定秀夫監督の技量を感じつつ。
でも実際の主演は、宇野祥平かもしれないと思ったりもして。
全46件中、1~20件目を表示