「ハロウィン終わって、日本でシャツ着て桜を見よう」ハロウィン THE END 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ハロウィン終わって、日本でシャツ着て桜を見よう
第1作の正統な続編として、2018年から新3部作がスタート。その完結編。
鬼才ジョン・カーペンターが生んだホラー・アイコン。作品はホラー史に残る人気シリーズで、マイケル・マイヤーズことブギーマンも名キャラ。
しかし私はこのシリーズにほとんど思い入れなく。作品毎に見たり見てなかったり。
新3部作は一応見ているも、前作なんて記憶はうやむや。
で、前作レビューの締めの通り、興味を取り戻す事なく完結編鑑賞を迎えた。
辛うじて前作のラストの展開は覚えていた。
マイケルの恐怖からハドンフィールドの町は暴徒と混沌に。
そんな中マイケルと対したローリーは娘を殺され、決着は次回に持ち越しという不完全燃焼で終わった気がする。
そのまま繋がって話が始まるのかと思いきや、
舞台は4年後。マイケルは忽然と姿を消した。何がどーなってこーなった!?
挙げ句に開幕は全く別の事件。シッターの青年コーリーは誤って子供を死なせてしまう。過失致死で無罪となるも、本人にとってはトラウマで、周囲も邪心の目…。
そんなある日コーリーは、自分を色眼鏡で見ないローリーの孫アリソンと親しくなる。
娘を亡くし、アリソンと暮らすローリーは、回顧録を書こうとしていた…。
これ、本当に続編…? スピンオフじゃないの…?
全く別の事件から始まるし、マイケルや町で起きた惨劇については触れられるも、肝心のマイケルはずっと出てこない。
コーリーの陰気なドラマ、アリソンとコーリーの淡い恋、一見平穏な暮らしのローリーのつまらないドラマなど、序盤は退屈なシーンが延々続く。
不良連中に絡まれ、コーリーは橋から転落。一命は取り留めるものの、不気味な下水道の中に引き摺り込まれる。
そこで遭遇したのは…、マイケル! こんな所で4年も身を隠していたの…?
殺されるかと思いきや、殺されなかった。マイケルも4年間の引きこもり生活で殺しに興味が無くなった…?
否。その日からコーリーに異変。ホームレスを殺したり、心が闇に堕ちていく。
青年の暗い過去を見、マイケルは選んだのだろうか。後継者に…。
常軌を失っていき、やがてあのマスクも被ったコーリーは、ローリーに刃を向ける。
第2のブギーマンの誕生。それは己の抱える苦悩や弱さであったり、周囲の憎悪。
前作の暴徒や混沌、本作の闇堕ちなど、恐怖に呑み込まれた人の末路はこれはこれで別の恐ろしさあるが、でも多くのファンはこういうのが見たかったのかな…?
いややはり、ローリーvsマイケル。
持ち越された決着の行方。
本当にガチ勝負。
マイケルの刃でピンチになるも、にしてもジェイソン級のマイケルと互角に渡り合うローリーって…。さすがジェイミー・リー姐さん!
だけど、アリソンもマイケルの腕をへし折る剛腕…。
ローリーはマイケルの刃でマイケルにトドメを刺し、決着は付いた。
40年以上に渡るマイケルとの因縁に終止符。
それはハドンフィールドの町にとっても。
長らくマイケルの恐怖に苦しめられてきた。
最後は町総出でマイケルを葬る。粉砕機にマイケルの死体を…。
恐怖と苦しみからの解放とは言え、やる事結構えげつねぇ…。
これにて完結。決着も大団円も迎えるも、何かパッとしない終わり方。
唯一面白かったのはウィル・パットンの珍妙な日本語かな。
新3部作として最初は幸先良くスタートするも、興行批評共にどんどん下降。気付けば旧シリーズや単発作と代わり映えせず。
『ハロウィン』という人気シリーズの決定打として、本当にこれで良かったのかな…? ファンは満足なんだろうけど。
って言うか、これで本当に“END”なのかな…? いずれ幾らでも再々リブートとして復活しそうだけど。
昨今のホラー映画のリブートや新シリーズのあるある。
最初は良くても、徐々に尻すぼみ。
本シリーズはその典型。『スクリーム』もそうなっていくのかな…?
デヴィッド・ゴードン・グリーン監督は次に『エクソシスト』の3部作リブートを手掛けるが、同じ末路になっちゃうのかな…?