「マリオの世界へHere We Go! It’s-a Meな小ネタもたっぷりでファンならManma Mia〜♪🍄」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
マリオの世界へHere We Go! It’s-a Meな小ネタもたっぷりでファンならManma Mia〜♪🍄
ブルックリンの配管工マリオが、弟ルイージとキノコ王国を救うため大魔王クッパに戦いを挑むアクション・アドベンチャーアニメ。
主人公マリオの声を演じるのは「MCU」や『ジュラシック・ワールド』シリーズのクリス・プラット。
キノコ王国の王女、ピーチ姫の声を演じるのは『アンブレイカブル』シリーズや『ラストナイト・イン・ソーホー』の、名優アニャ・テイラー=ジョイ。
ダークランドを支配する大魔王、クッパの声を演じるのは『スクール・オブ・ロック』『ジュマンジ』シリーズのジャック・ブラック。
ジャングル王国の王子、ドンキーコングの声を演じるのは『カンフー・パンダ』シリーズや『ライオン・キング』のセス・ローゲン。
マリオの日本語吹き替えを務めるのは『バケモノの子』『竜とそばかすの姫』の宮野真守。
第66回 ブルーリボン賞で外国映画賞を受賞!
1981年、アーケードゲーム「ドンキーコング」で我々の前に初めて姿を現したマリオ。「ドンキーコングJR.」(1982)でヒールを演じた後、ゲーム&ウオッチ版「マリオブラザーズ」(1983)で初めて弟ルイージが登場。ここに現在まで続く「マリオ」シリーズが芽吹きをみせる。
同年、アーケード版「マリオブラザーズ」が発売。カメ、土管、コインといったシリーズのアイコンはここが初出。その後は「テニス」(1984)で審判をしたり、「ゴルフ」(1984)でゴルファーになったり、「レッキングクルー」(1984)で解体屋として働いたりと、アルバイト的な細々としたお仕事をこなしていたのだが、1985年ついにあの「スーパーマリオブラザーズ」がファミコン用ソフトとして発売される。
大魔王クッパに攫われたピーチ姫を救い出すため、マリオとルイージが大冒険を繰り広げるというこのゲームは、横スクロールアクションというフォーマットを確立。その後のゲーム業界に決定的な影響を与えた。世界累計販売本数は、移植版や再リリースを含めると5,800万本を超えると言われている。売り上げ的にも評価的にも、史上最高のゲームの一つであることは間違いないでしょう。
「スーパーマリオブラザーズ」の大成功もあり、シリーズは2024年現在でもバンバン新作が発売されている。世界シリーズ累計販売本数は4億本以上、「スーパーマリオカート」シリーズ(1992〜)などのスピンオフ作品も含めるとその数は8億8,000万本にも及ぶ。
「マリオ」は世界で最も売り上げたビデオゲームシリーズであるとされているのだが、第2位の「テトリス」シリーズの売り上げは約5億本。1位と2位の差を考えると、如何に「マリオ」の世界的人気が異常なのかがはっきりとわかる。マンマミーア!!
90年代に少年期を過ごした者にとって、「NINTENDO64」と「PlayStation」の二択は人生最初の大きな選択であった。クリスマスプレゼントにどちらを選ぶのか、その答えによってその後の人生観が決まると言っても過言ではない。それほどにこの2大ハードの登場はマイジェネレーションにとっての一大事件だったのだ。…「セガサターン」?知らない子ですね…。
悩んだ末にプレステを選択した自分にとって、実はニンテンドーにはそれほど思い入れがない。「スーパーマリオ64」(1996)もやってないし。
とはいえ、そんな自分でも当たり前の様に「マリオ」シリーズはいくつかプレイしてきている。「スーパーマリオランド」(1989)とか「スーパーマリオワールド」(1990)とか「6つの金貨」(1992)とか。そういえば、「ワールド」の攻略本に載っていたマリオの冒険の裏側みたいな小説がとんでもないブラックコメディでめちゃくちゃだった。あれほんとに酷い内容だったので、大人になった今だからこそもう一度読んでみたい。
まぁ一番思い入れが強いのは異色作「スーパーマリオRPG」(1996)なんだけど。ほんまこのゲームは最高や!ジーノ〜〜😭
前置きが長くなってしまった💦
本作は完璧なまでの「スーパーマリオ」の映画化。キャラクターデザインはゲームを上手く踏襲しており違和感がないし、ところどころで横スクロールゲームの様なアクションシーンが挿入される。あの名物難コース「レインボーロード」をマリオカートで爆走したり、各キャラクターのアクションが「スマブラ」シリーズ(1999〜)仕様だったりと、とにかくサービス精神が旺盛。
サウンドトラックの面でも、近藤浩治さんが作曲したお馴染みのゲーム音楽のみならず、あの迷曲「モンキーラップ」までも劇伴で使用。やはり音楽は大事で、聴き馴染みのある楽曲が流れてくるだけでキター!とテンションが上がってしまう。DK!ドンキーコング!DK!ドンキーコング!
ライトなファン層向けの目配せから、「ダックハント」(1984)や「パンチアウト!!」(1984)のイースターエッグと言う誰得な小ネタまで、まぁとにかく見どころ満載というか、ニンテンドーらしい遊び心に溢れている。さらにニンテンドーのゲームからだけでなく、日本のアニメからもネタを拝借。マリオとルイージのコンビネーション攻撃が完全に『エヴァ』のユニゾンキックだったのには笑っちゃいました🤣
画面の隅々までネタが仕込まれているので、一度観ただけでは到底全てを理解することは出来ない。何度も繰り返し鑑賞し、映画内の隠し要素をコンプリートすることも本作の楽しみ方の一つなのだと思う。
ゲーム界の現人神・宮本茂と、気鋭のアニメーションスタジオ”イルミネーション”がタッグを組んだ本作。映像のクオリティの高さと、詰め込まれたアイデアの豊富さは流石。”面白さファースト”といった具合の娯楽快作である。
ただ、ストーリーの薄っぺらさに関しては擁護の仕様はない。落ちこぼれの兄弟が最終的にヒーローになる、という百万回観たような凡庸な物語が展開される。「ブルックリンのピンチを救った!お前らはスーパーマリオブラザーズだっ!」って、そもそもNYにクッパを連れ込んだのはマリオなんだよね。というか、NYって水浸しでヤバかったんじゃなかったっけ?そのトラブルを解決してこそ、街に根差したヒーローと言えるのではないだろうか。…こういうツッコミは本作には野暮?
思えば、ニンテンドーのゲームってどれもストーリーは有って無いようなもので、はっきり言って「マリオ」シリーズのストーリーとか、一作たりともはっきりと覚えてない。
「ストーリーよりもアイデアと操作性」こそがニンテンドーの作風だが、それが映画にもはっきりと表れており、そこを見て「いかにもニンテンドーらしい!」と褒めるか、「ゲームと映画は違うんじゃボケッ!」と怒るかは観る人次第。ニンテンドーのゲームにどれだけ慣れ親しんでいるかによって、本作の評価は大きく変わるのでは無いだろうか。
特に「マリオ」に対して思い入れのない自分だが、本作の陽性な作風は大変好ましく、終始ニコニコしながら鑑賞する事が出来た😊
ただ、良くも悪くも「100%ゲームの映画化」という作品なので、「マリオ」シリーズの大ファン、もしくは一切「マリオ」を遊んだ事がない人が本作を観た時にどう思うのかはわからない。誰もが楽しめるファミリー映画のようでいて、意外に観る人を選ぶかも?
なんにせよ、本作は興行的に大成功を収めた。日本だけでも140億円、全世界興収が13億6,000万ドル越えだというのだから驚く。地球人マリオ好きすぎだろっ!!Σ(゚д゚lll)
当然シリーズ第2作も制作が決定。ポストクレジットを見る限り、どうやらヨッシーがキーパーソンになるようだ。
出来れば『2』にはワリオを登場させて欲しい!んで、サプライズゲストとしてカービィかサムスあたりを登場させてですね。『3』くらいでリンクとピカチュウを呼んできて、最終的には「ニンテンドー・シネマティック・ユニバース」(NCU)を展開。集めたヒーローたちを結集して『ザ・大乱闘スマッシュブラザーズ・ムービー』を公開!!これが実現したら確実にアニメ映画の歴史を塗り替える大ヒットになるぞ!!
てか、多分ニンテンドーも最終的にはこれを狙ってると思うんだよね。今頃、「スマブラ」のディレクター桜井政博さんがアップを始めてるかも…?
※音楽はゲーム音楽だけでなく、80’sのヒットナンバーもバンバンかかる。AC/DC最高っ!!
エンディングにELOの「ミスター・ブルー・スカイ」が流れるけど、そういえば同じくクリプラが主演を務める『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
(2017)ではOPにこの曲が使用されていたような。偶然?それともあえての選曲なのだろうか…?