「クッパは英語ではバウザーでしたか。」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
クッパは英語ではバウザーでしたか。
告白するとスーパーマリオすらほぼプレイしたことがなく、横スクロールしないマリオブラザーズやドンキーコングで止まっている人間なので、正直、この映画にふさわしい観客ではなかったと思う。実際、序盤のニューヨークで出勤する場面などは、おお、これはスーパーマリオの横スクロールだなと知識でわかるものの、一体どれだけのオマージュやイースターエッグを見過ごしていることか。それでもゲームを基調としたアニメ表現は目に楽しく、ニンテンドーの世界観がいかに豊かなものなのかを堪能した。
とはいえ、お話の他愛なさは意図的であったとしても食い足りず、一番気になったのは、ルイージが捕まったお姫さまポジションなのはわかるとしても(『ローグ・ネイション』のベンジーみたいなものか)、「ひとりよりふたり」というテーマを打ち出すにはあまりにもルイージの活躍パートが少なすぎないか。というか、マンホールかなんか(うろ覚え)を持って攻撃を受け止めただけじゃなかったか。せっかくなのだから、最後はコンビ技とかを繰り出してクッパに勝利を収めてくれないか、とは思ってしまった。
あとアニャ・テイラー・ジョイやジャック・ブラック目当てで字幕版で観たんだが、クッパは英語だとバウザーだし、キノピオはトードなのですね。ゲームファンはとっくにご存知のことでしょうが、さすがに字幕で出る名前が一切呼ばれないと落ち着かないものがある。