劇場公開日 2023年4月28日

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「映画の中のマリオは“プレイヤー(自分)”なんや」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー asukari-yさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画の中のマリオは“プレイヤー(自分)”なんや

2023年5月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

「マリオ」が映画になる。これだけで自分の中では衝撃だった。任天堂がついに動いたんやから。しかし、スーパーファミコンからだがマリオのゲームと育った自分にとって恐怖でもあった。

満足できる映画になるんやろか?

マリオはゲームだからこそ面白い。それゆえストーリーのある映画だとどうなる?イメージが崩れない?そんな不安を抱えながらもやはり興味が勝って劇場に足を運びました。

ストーリーとしては、ブルックリンで配管工を営むマリオとルイージは、街の地下で(マリオおなじみの)土管を見つけて吸い込まれる。2人そろって吸い込まれるも途中で逸れてしまう。マリオは1人見知らぬ土地にた投げ出されるのだが、そこはキノコ王国であった。マリオはルイージを探すため、すぐに出会ったピノキオの助けを借り、ピーチ城へ向かう、てなあらすじです。

そう、マリオブラザーズの出身はアメリカのブルックリン。なんと突飛なことか。しかも何をやっても失敗ばかりで上手くいかない。周りから“無能”と呼ばれ、自分自身で無能を痛感しては落ち込んでいる。こんなんマリオらしくないと戸惑いを感じ、はたやピーチ姫は度胸と技量を兼ね備えたスーパープリンセス。いやいやあなたいつもクッパに攫われてますがな。他のキャラクターはまだわ「そーやんなぁ」でええものの、メインの2人の設定に戸惑いを禁じ得ない。

しかし、そんなマリオにも唯一のモノが、

「僕は諦めが悪くてね」

どんなことがあっても、誰に言われても、やると決めたことには諦めることなくクリアしようとする。キラーにぶつかっても、ドンキーにボコボコにされても、クリアするまでトライする。そうか、

マリオはプレイヤー自身なんや。

マリオのゲームは、たとえどんなに難しく思っても頑張れば誰でもクリアできるような難易度設定になっている。つまり、“頑張り続ければいつかはクリアできる”ゲームなんです。もっとも、何度もトライしようと思わせる任天堂さんの技術がすごいんですが、そうやってプレイヤーに「諦めないこと」の大事さを伝えようとしているのではないか。これって人生においても通ずるところではないか。自分は小さいころからマリオの面白さゆえにずっと遊んできたが、映画を観ることでこんな視点を感じることができるとは。改めてマリオの凄さを実感しました。
しかし、この映画の凄さはこれだけではない。

「どんなけマリオと任天堂をリスペクトしてんねん」と思わせるシーンの数々・・・。

2Dマリオの動きをシーンに取り入れたり、マリオのコースをそのまま再現したかのような場所があったり、ドンキーコングの“モンキーラップ”を採用していたり。個人的によかったのはクランキーコングがご存命で出演してたこと笑。まあ探せば枚挙にいとまがない。あのキャラクターに、あの音楽に、あの道具がと・・・よくぞここまで盛り盛りにしたこと。そしてアクションシーンにおいて“爽快感”がすごいこと!
やはりマリオはアクションの爽快感があってこそ。それを映画という形で再現してき、やっぱり観てて楽しい!

たしかに映画においてマイナスと感じるポイントはいくつかある。ストーリー展開において正直「なぜそーなる」と思ってしまう箇所はある。しかし、マリオとは“楽しい”ものであり、映画は“ゲームのような楽しさ”を持っている。反面、マリオを全く知らない人にはどう受け止められるのか。それでも、ノリとテンポの良さ、そして爽快感のある動きはオススメですね。ちなみに、この記事を作成している時点で本作の世界興収はアニメ作品歴代3位の約12.5億ドル(!)。これは知ってる人だけでは達成できないのではないか?知らない人にも受け入れられたのではと個人的には思っています。

世界でもっとも知られたゲームキャラクターの映画。今回のはゲームさながらの爽快感に、なぜマリオが面白いのかを詰め込み、またなマリオが教えてくれた(?)「諦めないスタンス」を再発見させてくれた。意外にも人生における教訓くではなかろうか。そこまで伝えてくれるとは、

ホンマに楽しかった。

asukari-y