劇場公開日 2023年4月28日

「マリオを1mmでも知ってる奴は全員観ろ!飛ぶぞ」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 真中合歓さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0マリオを1mmでも知ってる奴は全員観ろ!飛ぶぞ

2023年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

文句無し1000%誰もが喜ぶ最高最強のマリオ映画を、マリオの生みの親である任天堂が”全力を出して”作った、まさに純度1000%の最高の映画でした!!!!

もうとにかく『知ってる』『これこれ!』『知ってる』『これこれ!』『知ってる』『これこれ!』『知ってる』『これこれ!』の大連続。

「マリオの映画って(笑)。あのゲームのでしょ?」なんて反応してる奴らを全員薙ぎ倒すレベルの圧倒的なクオリティを目の当たりにします。

もうね、何より紛うことなき完璧なマリオなのが良いんです!!全然不自然な点とかこれマリオじゃないよって部分が”0”なんです!!

ビックリするくらい想像通りのマリオが、マリオの世界が、最高のクオリティと最高の映像美で展開されていて、もうトップガンマーヴェリックやRRR並の満足感をお約束いたします。

そもそもテレビゲームが原作ではっきりとしたストーリーもピーチ姫を救いに行くキノコ王国の配管工というくらいしか無かったので、一体どういうストーリーになるのか?という不安は誰しも有ったと思います。

更に、事前情報ではかなり正統派な子供向けとも聞いてましたので、正直80%くらいの当たり障りの無いような作品を想像しておりましたが・・・・・

・・・・もう蓋を開いてみたらビックリ(笑)

普通に大人でも楽しめる、いやむしろ80年代ソングが多用されているようにあの頃子供だった”今の大人にこそ届けたい”最高のノスタルジービシビシな映画だったとは。んな事言っといて90年代生まれの自分でも聴いたことのあるような洋楽が満載でテンションぶち上がります。

ゲームの映画化という事でその辺映像作品として良い感じに落としてくるのかなあ~?と思ってたら、良い感じどころかハテナボックス叩いたりファイヤーゲットしたりをもう違和感無くかつ”メチャメチャカッコよく”映像化されていてもうヨダレでますよwwww

ドンキーお前ファイヤーなれたん!?マリオがスーパーマリオになる時ってあんな感じやったん!?マリカの一位潰すやつってそういう仕組なん!?みたいなもう解像度の高いマリオの世界とファンサービスの大波ででゴボボボボ。。。。。

そして肝心のストーリー展開も素晴らしい。まずテンポが最高で、良い意味で休みが無くずっと続いて行くんです。

それでいて現実世界にマリオ達は住んでいるので、いきなり会ったこともないピーチ姫を救いに行くという展開では無く、”弟のルイージを救いに行く”というお話になっていてそこで変に原作踏襲がされずに視聴者も違和感無く、かつ共感出来るストーリーになっていたのがまず上手い!

そもそも全身赤と緑のオーバーオールおじさんがキノコの王国で姫を救いに行くなんていうとても等身大にはし辛い設定を配管工という設定を掘り返して、そういう制服なんだなという事で落ち着けています。

それと冒頭でマリオ達が初登場する際に流れるスーパーマリオブラザーズのCM!!!もうね、いきなりゲームのタイトル出てくるかと(笑)。こういうメタ的かつファンサービス的な要素の波にもうぶっ○されるくらい波がすごいので、これ任天堂のファンはやばいだろうな・・・。

で、キノコ王国の方はなんかワープして辿り着くので、飽く迄もマリオ達はNYに住む人間ということでそこに兄弟愛を加えて観客の感情移入を促せているのです。なので、キノピオばっかのキノコ王国の中に何故かマリオとルイージとかいうピーチ姫にお近づきになれる特権持ちのおっさん二人組が居て、こいつらが王国の為に姫さんを助けに行きます!みたいな、こっちが少しIQを落として見なきゃいけないようにはなっていないんです。

普通にそのままの等身大で見れるんです。あのマリオを。これってすごいバランスだなあ~大の大人が本気でマリオ映画を作ったらこうなるってことだ。

続いてその他の登場人物達も最高で、みんながイメージ通りのキャラを全うしてくれています!!キノピオはちょっと面白い雰囲気の案内役で、ピーチ姫は頼もしいけどやはり姫らしい優しさも感じられて、クッパはちょっとメンタル弱めなthe悪役で、ドンキーなんかもう1mmもドンキーからズレてません。

映画だとこの辺変なテコ入れが入ったりしてそういう不安が無かったとも言えないのですが、みんなのイメージ通りのマリオのキャラをイメージ通りなんだけどそこに臭さや飽きは無く、より昇華させて新鮮味も与えてくれる最高のバランスでした。

それとここで吹き替えにも触れておきたいです。正直宮野真守(笑)が起用されて『あ~またこの鼻の穴か~』なんて思っちゃったんですが、マリオらしい声色で違和感が無くて良かったです。

他にもルイージの弱々しい感じとか、キノピオのちょっと高音気味の声だとか、ピーチ姫もクッパも全部のキャラが解釈一致想像通りの声色で流石任天堂の母国日本の声優が全力を出しているだけあります!と拍手を送りたいです。

そして最後に言及したいのがCGの美麗さ。日本は2Dアニメーションにおいて世界を突っ走っておりますが、やっぱりCGも良いですよ。というか、2Dアニメーションでは立体感の表現にやはり限界があります。そもそもこのような素晴らしいマリオの映画を今日まで日本単体で一作も作れていなかった事を恥じるべきだと思います。イルミネーションさんに大感謝です。これほどカラフルで美麗でカッコいいマリオを大の大人が全力で大金掛けて作ってくれたんですから。

映画史に残る作品です。

真中合歓