SHE SAID シー・セッド その名を暴けのレビュー・感想・評価
全174件中、21~40件目を表示
今の日本の人々に観て欲しい
METOO運動の端緒となったハーヴェイ・ワインスタイン事件を、それを暴いた二人の女性記者の目線で描く物語。
ジャニーズ事件が姦しい日本において、非常にタイムリーに感じた作品です。
映画界、そして自らが経営する会社に絶大な権力を有するワインスタイン。そのワインスタインに性的搾取され、訴えることが出来ずに絶望する女性たち。
被害者達の苦悩。そして彼女達に向き合う相対する記者たちの苦悩。
その苦悩の描写が秀逸であるからこそ、性犯罪を白日の元に晒した記事にカタルシスを感じることが出来ました。
事実をもとにしているだけあって、作風はリアル。派手な演出や(主人公の家族問題など)サイドストーリーに逃げることをしなかったことも高評価でした。
私的評価は、5にしました。
これはいい映画だー
正義を描くいい子ちゃん映画と思ってまあ見とくかくらいの気持ちだったのが良かったのか、思いの外感激してしまった。ゾーイ・カザンもキャリー・マリガンも大好きな女優なので心配なく見れたし、それにしてもキャリー・マリガンの垢抜けなさ、あんなにキュートな人なのにこの色彩のなさはさすが女優でした。その女優と言ったらもうアシュレイ・ジャッドのカッコよさね、ちゃんと出てくるんだもの。七光り薄ら女優のグウィネスとの格の違いを見せつけてくれてくれました。あとディーンがカッコよかったなー、こんな上司のいる職場なら安心して働けるよね。それにしてもやっぱり今これを見るとジャニーズのことがチラチラ脳裏をかすめる。ジャニーズの件も頑張った人たちがたくさんいるのでしょう。ぜひヤツが生きているうちにこの状態に持っていきたかったね、でもみんな頑張ったよと言ってあげたい。
今だからこそ、見てほしい作品
♯Too Me運動へつながっていった作品?
ジェンダー格差の問題だけでなく、世の中に存在するハラスメントについて考えたいのならぜひ見るべき1本だと思う。
一生を決めた出来事を忘れたふりをしたり、無かったことにするのもその人の選択であり、決して責められることではない。
後悔しながら心の叫びとして持ち続けた女性たちの勇気が社会を動かし始めた。
闇の深さは
2017年、ニューヨークタイムズ紙の記者トゥーイーとカンターは、大物映画プロデューサーのワインスタインによるセクハラ、性暴力の取材を始める。彼は多額の和解金で問題をもみ消し、被害者が法的に証言できないようにしていた。
MeToo運動のきっかけとなった、事実を元にした物語。加害者服役中のつい最近の報道を、映画化するアメリカってすごいな、と思いました。ただ作中でも出てくる別の加害者が、未だに大統領候補者であるというのは、この国の品格も落ちたものです。一方、日本では加害者が死んでから海外の報道で問題が明るみになり、被害者数も映画より多い模様。せめて死ぬ前に問題になっていれば。日本のほうが闇が深い。
背が高く、声も低く頼もしい役の、キャリーマリガン。若い頃のイメージとまるっきり違ってました。
マスコミの責務
#MeToo運動を全世界に広げるきっかけとなった、NYタイムズ紙によるハリウッドでの性的虐待事件告発記事を執筆したふたりの女性記者の実話。加害者は、何本もの超大作映画を製作して成功させてきた超大物プロデューサー=ハーヴェイ・ワインスタイン。
取材拒否やハリウッドからの圧力、加えて記者たちが抱える仕事と家庭の両立問題など、働く女たちの苦悩も加わったリアリティに満ちた脚本が良かった。
映画界で働くことを夢見た若い女性たちが、忌まわしい暴力によって未来を諦めたまま年老いてゆく様子は、性的虐待という犯罪の罪深さと残酷さを観る者に突き付けてきます。
奇しくも、わが国でも芸能界を長年にわたり牛耳ってきた人物による性的虐待事件が明るみになって騒動が起こっています。なぜ、NYタイムズに出来たことが本邦マスメディアには出来なかったのか。性に関わることは人権と深く結びついていて、それを蹂躙することは決して許されてはならないと、できれば加害者が存命のうちに真正面から報道するメディアが日本にもあって欲しかった。
そんなことを感じた映画でした。
虫唾が走る男
あのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ事件の映画化。
権力を振りかざし女性を我が物にしたあの忌々しい事件。
虫唾が走るとはまさにこの男。
女性が怒ればそうはいかない。
この映画は監督も女性で女性目線がしっかりと描かれていた。
製作総指揮にブラッド・ピットがいてくれるのは嬉しい。
グウィネス・パルトロウが被害にあった時の恋人として
当時もワインスタインに対抗してくれていたいい男。
ハーベイ・ワインスタイン
映画会社ミラマックスを取り仕切っていたハーベイ・ワインスタインがセクハラで告発され、有罪となった事件を取り上げたニューヨーク・タイムズ紙の女性記者二人(キャリー・マリガン、ゾーイ・カザン)の回顧録の映画化。
被害を受けていたのは主に女優で、仕事をちらつかせて迫っていたらしいが、ほとんどが示談で決着、おまけに秘密保持契約でしばられていた。
どうしてもジャニーズ事件と重なり、果たして日本のメディアは何をしていたんだろう。
条件付き閲覧権
奇怪な条件に驚かされるが、圧倒的な不公平な状況で締結される契約の無効性は問えないのかなどと思ってしまう。サスペンスな作りにしなかったり、エンターテイメント性を控えたのは好感を持てる。他方、調査は淡々と進展していくので、その難解さを捉えにくい。
「さすがハリウッド!」今に残る古い体質。閉鎖感、圧迫感のある物語なのに映画のキレは悪い。
「俺様の言うことを聞け」
権力を持った人間の自惚れ。
昔は多かったと聞いている。
実話。原作は良いはず。
しかし監督の力量、か…
最初から何を見せたいのか不明で
物語の進め方はよろしく無い。
動きのある中盤以降は集中でき、
気持ちは彼らと共にあった。
ニューヨークタイムズは知的集団。
責任を取れる覚悟があるからだろう
上司の決断力は羨ましい…。
ふたりの記者の努力は報われた。
アメリカだからそんな事は無い
ハリウッドだからしっかりしている。
それは幻想で、世界中どこにでもある。
もちろん日本も同じ、今もある。
だから「声を上げる勇気、仕組み」は必要。
※
セクハラの告発は米国の女性にとっても抵抗のあるものだということがよ...
セクハラの告発は米国の女性にとっても抵抗のあるものだということがよく分かる。
女優がプロデューサーから被害を受けた場合、「枕営業で仕事を取った」と言われてしまう。
大勢で声を上げることの重要性を世に知らしめた良作だ。
オフレコ・オンレコ
#Mee Too運動の話、ということでちょっと見るのを躊躇ってたけど。
性的描写はないので(台詞は多々ある)。
NYタイムズの記者達の話としてみると。
いかにして取材し、記事にならないかもしれない話を追っていくか。
その過程が興味深い。
過去は変えられないけど、声をあげることで後の人の力になる。
この言葉が重い。
兎にも角にもセクハラに風穴を空けた最強コンビ
『プロミシング・ヤング・ウーマン』のケリー・マリガンと『ビッグ・シック』のゾーイ・カザン。それぞれ偏見と差別に敢然と立ち向かう女性を、強烈なインパクトで演じきったふたり。
本作では知的で冷静な新聞記者を演じている。
そのギャップが見どころといえば見どころ。
特に、『プロミシング・ヤング・ウーマン』では、過激な手段でしか活路を見出せなかったケリーが、ここでは知的な手段で、性犯罪者のテレビプロデューサーを兵糧攻めにする。彼女の役は、元トランプの番記者。ずっと担当していれば、もっとトランプを糾弾できたのではと残念至極である。
性犯罪告発運動“=#MeToo 運動とは、ひとことで言えば、絶対に泣き寝入りしないこと。
いままで我慢してきた理不尽に対する飽くなき抗い。
何も#MeToo 運動に限らず、すべての理不尽を許さないこと。
ハーヴェイ・ワインスタインのようなクズを二度と出さないという強靭な意志。
兎にも角にもセクハラに風穴を空けた最強コンビ。
そう思って観ると、言いようもない戦慄が身体に走る。
せっかく良いもの作るのに。
なんか。。
こういうのって国を越えて本当にあるあるなのね。。
支配欲で動いてるとしか思えん。
オナゴが好きだけでここまで行かんだろ。
むしろオナゴに恨みでもあるのか?
気持ち悪いしかない。
被害者なのに、何年経っても思い出すだけでしんどい思いをしなければならない辛さ。
残念ながらこういう人はまだいると思う。
権力を使って人としての尊厳を踏みにじることを自分の強さだと勘違いしてるのね。
教養は大事だわ、やっぱり。
この犯人のプロデュースした映画、面白かった映画が何個も入ってたのも複雑な気持ちに。
作品に罪はない、けどこの作品が作られる間に怖い思いした人たちが沢山いたのかな、と思ったらとても悲しい。
そして多分みんな映画が大好きで楽しくて仕事してたんだろなと思ったら尚更かなしい。
#MeTooのきっかけとなった実話の映画化。
実在の映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインによる
セクハラを告発し記事にした2人の女性記者の物語。
映画界のこうした問題は、今、日本でも告発され問題になってますが、
そのきっかけとなったのが、この事件。これを映画化しよう
という発想もすごいですね。事実に沿って、淡々と話が展開していく。
そんなイメージですが、その過程がスリリングであり、
退屈しない。心に残る秀作だと感じました。
「SHE SAID」「シーセッド その名を暴け」 Me too 運...
「SHE SAID」「シーセッド その名を暴け」
Me too 運動が起こるきっかけになった話。
公正かつ、理念をもったメディアはまともな社会を築く上で必要不可欠だよなぁ・・。こうやって、権力を持った強力な取材対象にも臆する事なく取材して真実を白日の元に晒していく事の大切さよ・・。
日本のメディアは真逆で、隠蔽の手先になり、ヨイショの幇間になって提灯記事を書くことは得意だけど・・本気になって、政治家や例えば、ジャニーズの問題に切り込むメディア、メディアに属するジャーナリストは悲しいかなほぼゼロ。極少数のフリーランスしかジャーナリスとしての仕事をしていない・・。
民主主義の先進国であるはずのUSA でさえ、こんな感じで隠蔽されちゃっていたのだから・・日本なんて。現実は地獄の様相なんじゃないかと思ったりする。
「ウオーターゲート事件」の「大統領の陰謀」や「ペンタゴンペーパーズ」「グッドナイト、グッドラック」などなど・・正義の為に機能するメディアの映画はUSA では多くあるけど・・日本には無いよね・・それが悲しい現実を物語っているよなぁ・・・。
金とか権力しか拠り所ないと、立場を利用してろくな事をしない男が多いよなぁ・・。
困ったものだ・・。
※実際に被害にあった、アシュレイ・ジャッドが勇気ある告発者として出演。
ある時期から、作品に恵まれ無かったように見えたのは、こんな背景があったのかな?
とてもリアルに仕上がっている作品
記者の奔走や私生活、被害者の葛藤、加害者の妨害などがバランス良く盛り込まれていて実話を元にした作品としては上手く出来ていると思います。また、それに加えて役者さん達が皆さん演技が上手いのでドキュメンタリーと錯覚するほどリアルで見応えのある作品となっています。私は実話を元にした作品とは相性が悪いのですがこの作品は観て良かったです。
ただ、レビューの中に本作のような作品を作れるアメリカ映画は凄い、という意見がいくつか見られましたが、とは言っても既に判決が出てから作られた作品ですし、逆に今まで何年もの間、多くの女性が被害に遭い、周りの人に訴えたにも関わらず、誰も動かなかったのもアメリカの映画界なのだと思いました。
MeToo運動の起点
#MeToo運動のきっかけになったニューヨークタイムズ紙によるワインスタインの告発を描いている。
記者に課せられたのは実名付きの証言あつめ。
だが、関係者との接触をこころみるたびに、壁にぶち当たる。
女優らは権力と人気の失墜に怯え、ミラマックス職員らは訴えに示談が成立し、その後の行動制限まで約束させられている。且つ被害者は被害を秘密にして長い年月をすごしてきており、安寧が壊されることを畏れている。
ワインスタインはフェミサイドの女性弁護士までも味方につけている。人たらしな側面をもち、捕食対象ではない女性と良好な関係をキープしている。我を押しとおすために恫喝や脅しを用い、下の者を威圧で服従させることに長けている。
長い年月、かれの王国で何十人もの女性が被害に遭い、泣き寝入りしてきた。
──という規模と惨状が、被害者と会うたびにじわじわ広がっていく。
追うのはふたりの女性記者。いずれも子育て真っ最中。その母親な片面と記者の片面が、葛藤し揺れ動きながらも、なんとか王国の外堀を埋めていく。
このMotherlyな表現はMaria Schrader監督の味付けだと思う。が、Motherlyな一方、描写は冷静でスポットライトのような肌触りだった。
本編に出てくる女優の告発者はマッゴーワン、パルトロー、アシュレージャド。ジャドは本人が演じている。公表を拒んでいた女優や職員も記事発表のあと続々と名乗り出た。
それにともなってワインスタインの件とは別の性的被害をうけて泣き寝入りしていた女性らが、われもわれもと訴えに名乗り出た。それが世界じゅうに広がった。#MeToo運動のはじまりだった。
さいきん(2023)の海外報道ではDan Schneiderというプロデューサーのハラ疑惑があがっている。ギリースやグランデを輩出したキッズ番組チャンネルNickelodeonにながくいた。
ダライ・ラマもキモいハラ疑惑があがっている。少年とのやりとりで舌を吸ってとベロを出した映像が拡散されている。レディーガガのダメージジーンズの膝小僧をちょこちょこする映像もあがっている。
日本で少年をもてあそぶ性嗜好を満たすために芸能事務所をつくった男がいる。
美少年をあつめ寝食をあてがい夜な夜な未成年を捕食しつづけた。裁判所が認定しても権力と忖度に乗っかって悪さをつづけた。50年間で1,000人以上の被害者がいると言われている。サヴィルやワインスタインと同等かそれ以上だが、かれは殆ど報道に乗ったことがない。
映画の始めと終わりはミラマックスのいち職員だったローラの描写になっている。夢をたずさえ、わくわくしながら映画の世界に入ってきたローラだったが酷いことをされ何もかも投げ出してふさぎ込む。
性被害に遭うということは気持ちがズタズタに踏みにじられその悪夢が生涯つづくということだ。それを起と結で言っている。
システムと闘えるシステムが必要
力強い映画。
丁寧、繊細、かつ大胆にテーマを追っている。
ミラマックスのCEOとやらの、もしくはトランプとやらの、個人の性癖悪癖の問題ではない。
人類の歴史がある限りなんらかの力を他者に及ぼす地位を手に入れたものは大なり小なりこのような<権利>を手に入れるものだし、そこで被害者のほうにも泣き寝入りする人も戦う人も絶望する人もいる。問題は個人への攻撃、批判、告発ではなく、ありとあらゆるハラスメントをできる人、しても良い人、しても罪に問われずその権力も放棄しなくて良いという、権利権力支配側のシステムが強固にあるということ。
葛藤と困難の末、大手新聞、尊敬されるメディアで記事を出したとして、そこには達成感ももちろんある、この映画に描かれている全ての勇気と人間力のある人に脱帽する、が、重厚なシステムはなくならないし変わらないから、記事を出した後の、虚無感もあるだろう。
今の日本はもっとわかりやすい。アメリカでpc political correctness が表面上のみであっだとしたとある程度浸透していると仮定したとして、日本ではまだまだそんなものは存在しないもの等しく、国会で嘘をついてもおとがめなしその嘘に公文書を合わせていくスタイル、そのことで人が死んでもおかまいなしのおとがめなし、どころかますます権勢を誇る、国民の税金で賄われているものに対する私物感議員とか大臣という職位さえ家業と捉えて、その長年にわたり構築されたシステムに守られ声を上げたものがバカを見るこのくそ社会、ダブスタが横行するシステム、日本みたいにちっぽけな小さいムラでもそんなんだからましたアメリカの巨大システムに風穴あけたとて、このあとの徒労感と虚無感は否めたないだろうと思った。
本作品は素晴らしく、たくさんの人が見るべきものであり、
とくに主演の記者二人も素晴らしいが、やはり対抗する側のシステムの一つである新聞社の、この記者たちの上司たちが組織、システムとしてしっかり機能していることが素晴らしい。ボスとは、目的達成のためのリソースを確保しその道筋を承認などにより確保し切り開くもので、ふかふかの椅子に座り好き放題ハラスメントしたり人や物や権力を私物化する我のために使うものではない。
映画館で予告編見てなかったか知らなくてスルーしていたかと思うと、映画ファンでなければ観ることもないだろうから、そのこと自体が悔しく残念と思う。
全174件中、21~40件目を表示