SHE SAID シー・セッド その名を暴けのレビュー・感想・評価
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ニューヨーク・タイムズ紙の女性記者が暴いた映画業界の闇
ニューヨーク・タイムズ紙の女性記者が、高名な映画プロデューサーの、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・性的暴行事件を暴いていく過程を再現した映画です。
日本でも、最近、有名な劇作家が、自分が主宰している劇団の女優に性暴力を働いたという報道が有りましたが、華やかなショー・ビジネスの裏側は、このような行為が平然と横行しているのかもしれないと思いました。
この映画で参考になったのは、特報記事を作り上げるまでの過程、ニューヨーク・タイムズ紙の社内の様子で、新聞記者の仕事ぶりの一端を知ることが出来ると思いました。
内容が内容なだけに、性用語や性行為についての証言が、たくさん出てくるので、この映画は一人で見た方が良いと思います。
PLAN Bの未来が気になる
ニューヨークタイムズによるハリウッド大物ワインスタインのセクハラ報道。ブラピの会社の企画選択にストライクだったのだろうな。でも「PLAN B」は去年秋にフランスに売却したそうな。今後もこういう社会派(ハリウッドリベラル&民主党支持)な企画がラインナップされるかは不明だな。
事実は小説より奇怪なり
ハーヴィー・ワインスタインの醜いスキャンダルを描いた作品
これがフィクションなら、もっともっと話が大袈裟になり、真相を探ろうとする記者には、命の危険に晒されたり、会社から圧力があったりするだろう。
そういう部分を排せるだけのニュースインパクトが事実としてあったから
このような重厚な作品になったと理解できる
記者役の女優二人(マリガン&カザン)の怒りを全面に出さない
冷静で崇高な演技が特に良かった
しかしながら
個人的な感想だけど
ワインスタイン氏は、四六時中セクハラのことしか頭になかったのだろうかねぇ
彼には懲役の反省も必要だが、セラピーや去勢も必要な気がする
後ろ姿だけ見せる撮り方だったが、よく似た風体が、余計と汚らしく見えて
あの撮り方もGOODだった
女性記者二人の奮闘には実話と言う事もあり頭が下がります。 ただしこ...
女性記者二人の奮闘には実話と言う事もあり頭が下がります。
ただしこの手の映画、毎回違う事件が元ネタなのですが既視感が有るのも事実です。
アメリカでは数年前の事件が直ぐに実名で映画化されるから凄いですよね。
さすがハリウッド
ほんの数年前の出来事をしかも実話であり業界スキャンダルなのに臆すること無く、実名で映画化していることで、ハリウッドもまだ良識を、保っている映画人がいてくれてよかったです。
日本ではなかなかこの手の映画は作れないからね。
刺さる!
2017年にミラマックスのハーヴェイによるセクハラ、レイプを公にしたNTの裏?陰?にこんな骨太なストーリーがあったとは!
そもそも権力や暴力、立場を利用して、女性を(このこのお話しではないけど、子どもやお年寄りなども)を意のままにしようとする一定数の権力者大嫌い。
しかも自分の欲求を果たすためだけに。
その後被害者は緘口令を敷かれ、自らのプライドとともに長年苦しめられる。
日本でも某俳優や監督が、同じように「演技指導」の名の下に性暴力を振るって干されてるけど、全く理解の範疇を越えるよ。
みんなが口をつぐみ、妨害や圧力に負けずに立ち向かう2人の女性記者にどんどん感情移入して、心に刺さった作品でした。
あっさり風味だけどよかった
パルプフィクションを製作したミラ・マックスの創始者。
ウキペディアのワインスタインの写真。こんな奴に迫られたら怖いに決まってる。パワハラに屈した自分を恥じ、苦しむことになる。泣き寝入りしている被害者はたくさんいて、そういう人に限って傷が深くて、人に話せない。
巧妙に被害者に泣き寝入りを強要する示談契約書。逆にこれが大きな証拠となった。
被害者の気持ちを察すると、やっと時間が経過し忘れかけていたのに、マスコミの取材によって再び傷をえぐり返される。退職したり、業界を変えてその後の人生をひっそりと送っていても、報復されるかもしれない恐怖に怯える。
SNSが普及し、アシュレイ・ジャッドが声をあげたから、ワインスタインを懲らしめることができたが、結果の如何にかかわらず、取材にあたった女性記者の正義感と罪悪感の天秤が気になった。どんなに丁寧に慎重に取材しても、彼女らを傷つけるので、信頼を得て、オンレコの許可を得るのは困難を極める。キャリー・マリガンとゾーイ・カザンの二人とも出産、育児をしながら頑張る役。旦那もまずまず合格点。「ニューヨーク親切なロシア料理店」の小さい息子二人をワゴン車に乗せて家出するゾーイ・カザンの印象が残っているのでなおさらだった。「プロミキシング・ヤングウーマン」が記憶に新しいキャリー・マリガン。デスクのトップがしっかりしていて、ワインスタイン側の揺さぶりに屈せず、男気があって、いいチームだった。
女性記者の二人がメインで、全体にあっさり味。ワインスタインの描かれ方はアホ過ぎる。もっと狡猾でパワハラ全開だったにちがいない。
パワハラには厳罰大賛成。
どこか忖度があったのかなと偏見すらしてしまった。
2017年、世界の映画界を牛耳ったハリウッド界の怪物ハーヴェイ・ワインスタインが約30年にも渡って絶大なる権力を利用して80人以上にも及ぶグウィネス・パルトローはじめ女優、スタッフを性的蹂躙し続け、また権力と大金で口封じてたことを暴いたニューヨークタイムズのスクープはまだ記憶に新しい。
巨大権力に挑むジャーナリズムではアルパチーノ主演の煙草産業に挑む大好きな『インサイダー』以上に期待したけど、そのとてつもない事件からは表現数々のインパクトの作りの弱さに残念。
まさに世界に強烈なインパクトを与えるべき作品なのにここにもどこか忖度があったのかなと偏見すらしてしまった。
冷静な描き方に逆に熱量を感じる
記憶に新しい大スキャンダル、後に多くの女性達が実名で過去の被害を告白した、大きなムーブメントが起こったキッカケとなった事件。本作にはアシュレイ・ジャド本人が本人役で出演しており、綺麗で強さも兼ね備えていて、好きな女優の一人だったが、いつの間にか見なくなったなあ、と以前思っていたが、こういう事件が彼女の身に起こっていたのかと思うと、気の毒でならない。
映画としての本作は、声をあげられない人達の苦しみを伝え、裁かれるべき悪は世間に裁かれなければならないという正義感から、ひたすら真実を追う、ジャーナリスト達の姿を冷静に描いている。よりドラマチックに盛り上げたりせず、割と冷静に映像は語っているように感じ、だからこそ迷い苦しむ人達の感情、それを理解しつつ、真実を追い求めて戦う二人の記者と新聞社の人達の熱量を強く感じたように思う。ドキュメンタリーではないが、それに近いテイストのとても優れた作品だった。
23-007
金と権力を併せ持つ悪党、厄介な存在。
有名無名に関わらずその力の前に
声を奪われる。
私に起こった事が当たり前と
3人の娘達に思ってほしくない。
母の言葉は重い。
そして
この事件を記事にするために戦う2人も
また母親である。
本質的には女性の方が強い存在であるが故に
男共は地位や金、暴力で女性を屈服させようとするのでしょうか❓
だとしたら情けない、許せない😡
8×12くらい
性被害にあった女性が立ち向かう作品、「スキャンダル」「プロミシング・ヤングウーマン」を鑑賞してきたが、どれもどうも好きになれなかった。本作は、公開時点ではチェックインしておらず、評価が高かったがために急遽鑑賞することになったのだが、あまりハマらなかった過去2作の影響でそこまで期待していなかった。しかし、これが凄かった。素晴らしい作品だった。
実際に起こった事件であることは知っていたのだが、この事件に関しては完全に無知であった。映画業界の重鎮が、数多くの女優やスタッフに対し性暴力を加え、更に被害者には多額の示談金を支払う対価として、性被害にあった事を口にしないよう、書類にサインをさせる。映画を見ていく中で、このような衝撃の事実を知ることとなり、体の底から憎しみと悲しみが込み上げ、彼女らへの思いが募る。
日本でも近年、問題となっている映画業界の性被害。名前は伏せるが、映画監督や俳優による女優やスタッフに対する性暴力が明らかとなりつつあり、また、女性監督によるスタッフへの暴力・暴言も記憶に新しい。ようやく、このようにして告発が行われるようになったのだが、作中でもあるように、明るみとなっているのはほんの一部でしかない。大半は隠されたままなのである。この映画は、そんな被害を受けた全ての人に希望の光を与える、すごく意義のある素晴らしい作品だと思う。
シンプルな作りなのだが、それがいい。
彼女らが誠心誠意、真剣に事件や被害者に対して向き合っているのが伝わり、感情が揺さぶられる。そのシンプルさが故に、絵は弱く、映画と言うよりもドラマに近しいように感じるのは難点。しかしながら、実際に起こった事件をドキュメンタリー的に追いかけるこの真面目さが、作品に緊張感と迫力を出していた。
まだ8本しか新作を見ていないのに言うのはなんだが、今年一見応えのある作品でした。恐らく、この衝撃は年末になっても忘れないかと。多くの人に見て頂きたい、力作。女性、男性関係なしに、ぜひ。
その名を暴け、屈するな!
ワインスタイン氏の性癖、愚行、裁判、判決
それらについては、もう周知の事実であるから、
その辺の件(くだり)については置いといて…✋
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性被害に遭うと、被害者という立場なのに
好奇の目に晒され、何気ない言葉に
深く傷つけられるいわゆるセカンドレイプを
恐れ、声を上げられない。
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本作では、映画業界に携わり続けたい
スタッフや女優たちにとって、
示談による泣き寝入りの悔しさと敗北感たるや…
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オンレコを許可した女性たちの行動には
脱帽するとともに、彼女たちが腹を括るまでの
葛藤や覚悟にグっとこみ上げるものがある。
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ハーヴィー・ワインスタイン
彼が手掛けた数々の名作の裏側には
ワインスタインのみならず、
黙認していた業界や関係者たちをも
一網打尽にし、厳罰を与えよ。と思うばかり。
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ニューヨークタイムズ紙の女性記者2人の
気概に満ちた行動に心振るわされるし
2人の記者の夫たちのデキの良さよ。
夫たちの理解と許容量、協力、それらが
あったからこそ、あそこまで仕事に没頭する事ができたと
言っても過言ではない。
すばらしい家族の関係性だ。
こういう映画(強者の悪を弱者が暴く系)の中では 地味な方だと思う ...
こういう映画(強者の悪を弱者が暴く系)の中では
地味な方だと思う
派手さはないけれど、
着々と一歩一歩進んでいく過程が緻密に描かれていて
とても好感が持てるし、その努力に敬意を表したくなる
お疲れ様でした
声にならない声を伝えるのがジャーナリズムの役目。
かつてハリウッドでその強大な権力を誇った大プロデューサーのハーベイ・ワインシュタイン、彼はその権力を利用し傍若無人に多くの女性に性的暴行を繰り返した。
「権力は腐敗する」をまさに絵に描いたような人物。その犯した罪が二人の女性記者によって白日のものとされる。
全編にわたって息苦しさを覚えるほどの緊張感が漂う作品。まるで被害を訴えることができずに苦しんできた被害者の気持ちが作品全体ににじみ出ているかのような。
主人公の記者たちが取材をしても被害者たちの口は重く、なかなか取材は進展しない。しかし、やがて彼女らの熱意が伝わり、実名での告白も得られるようになる。
遂には記事は公のものとなり、これを機にワインシュタインは告発され、またこの記事がきっかけとなりミートゥー運動が世界に波及することとなる。
二人の記者と勇気を振り絞り告発した被害者たちの開けた小さな穴からこぼれる水流がやがて巨大なうねりとなって世界を変えてゆく様を見て溜飲が下がるとともに、強い意志があれば未来を切り開くことができるのだと希望も与えてくれる。
ハーベイはこの世にいったい何人いるのかと劇中では語られる。このように腐敗した権力による被害は氷山の一角に過ぎない。
日本にも多くのハーベイが存在する。腐敗した権力が特に顕著なのは政治の世界だ。
昨年奇しくも一発の凶弾によって政界とカルト教団との癒着が白日のものとされた。本来それはジャーナリズムの仕事だったが、それがほとんど機能しないこの国ではかような悲劇でしか成し遂げられなかったのかと思うと残念でならない。
ジャーナリストが自分たちの役目を怠らなければあのような悲劇は避けられたのではないだろうか。
報道の自由度ランキングが世界で71位の日本。その順位の低さに驚かされるが、さらに深刻なのはその理由が報道人による自粛であるというのがなんとも嘆かわしい。ロシアや中国のように権力に抗う報道をしたからといって命の危険までは及ばないこの日本で。
ちなみに本作の記事で全世界にミートゥー運動が広がったが、日本で起きた女性ジャーナリストレイプ事件の犯人とされる人物はいまだ逮捕には至っていない。
記事の掲載は、女性記者の家庭を守りながらのがんばりと被害女性の勇気があってからこそなんですね…
「スキャンダル」は知らない話だったけど、この映画が描くのは、世界中に広がりを見せた運動の話だったので、ミーハー的興味があった。でも、こちらはもっと悪質で、醜い内容だった。彼のプロデュース作品には、私の好きな「イングリッシュ・ペイシェント」や「グッド・ウィル・ハンティング」などたくさんあり、本当に残念でならない。何よりも、金で沈黙させるというやり方が許せない。しかも、職も奪う。数も尋常ではない。そして、それに加担しているのが、男性だけでなく、女性もいることに驚く。被害女性たちの心と体の痛みを理解しようともせず、権力を傘に着て欲望の赴くままにその悪行を続けた。誰か、意見したり、止めようとすることはできなかったのだろうか。誰も暴走を止められなかったことは、とても情けない。現在は収監されているそうだが、これからミラマックスの作品を観る時、複雑な気持ちで観ることしかできないと思う。アシスタントや女優たちの苦しみの上で完成された作品なのだから…
Authority
#Metooはなんとなく聞いたことはありましたが、その事柄や詳細までは知らなかったので、勉強がてらに鑑賞。
お話はシンプルで、女性記者たちが告発するまでの葛藤をひたすらに描く作品でした。平坦といえば平坦で、一歩間違えれば垂れてしまいそうな作品でしたが、ギリギリのラインで面白さを保っていたのが良かったです。ウインスタインの相当なクズっぷりが現実のものというのも中々に恐ろしいものです。
女性が強い立場になったと言われる事も多いですが、男性優位な社会はまだまだ強いと思いますし、平等っていうのはかなり難しいと思います。その平等にどれだけ近づいて互いを思いやれる世界になることを願っています。映画としての盛り上がりにはかけたのでこのくらいの評価で。
鑑賞日 1/15
鑑賞時間 13:15〜15:35
座席 B-5
NYTは嫌いだけど、称賛せずにはいられない。
2019年8月、ニューヨークタイムズ紙の編集主幹であるディーン・バケット氏の社内会議の音声が流出します。彼の発言は、「モラー報告書」で誤報が明らかになったトランプの「ロシアゲート疑惑」をあきらめ、「人種差別問題」を深く掘り下げて、反トランプの新しい報道ビジョンに掲げる事を主張するものでした。手っ取り早く言うと、「反トランプの偏向報道をしてきたが失敗した。次のネタは人種差別だ。」ですよ。
この内部音声の流出後、米ジャーナリストであるシャリル・アトキソンの発言が以下。
「NYT紙は、発生した真実のニュースの全てを、事前に決めた物語りに当てはめるつもりであり、発生した真実のニュースを型に当てはめて、人種差別の文脈で報道すると語っている。これが、彼らの【読者】が欲していることだと彼らは信じている。」
だからですよ。NYTの信頼度なんざ、今や地を這うレベルな訳で。日本の朝日新聞も、NYTに日本のネタを仕込み、「アメリカではこう報道されている」と、後日自分の新聞に書くマッチポンプ&逆輸入方式を取っていたりします。ネット時代に、そんな手は通じないってw
と言う事で、だいだいだいっ嫌いなNYTですが、この件についての報道に関しては称賛したい。
でもですね。
ある意味、皮肉なところはあるんですよ。
バイアスの掛かったNYTの報道を、はなっから嫌っていたトランプは、2016年の大統領就任後、NYTへの取材に対して非協力的な態度を取ります。それに対するNYT側の対策が「調査報道」。この映画に描かれた、ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターは、「調査記者」な訳ですよ。2017年、ワインバーガーの性暴行を暴くと言う成果を上げた後、NYT社は調査報道に更に力を入れて行くことを宣言するとになります。その後、成果が出たかどうかは、知らんけど。
映画本編の方はと言うと。
キャリー・マリガンが老けたよなぁ、ってのはあるんですが、魅力的なのは相変わらず。お嬢ちゃん役のイメージが、なかなか抜けないゾーイ・カザンですが、これは生涯代表作じゃないかと思えるほどの素晴らしさ。この2人に、オスカー上げて下さい!特に、ゾーイ・サガンが英国に渡り、必要だと言われてきた「Document」を手にした場面、財務部門の責任者から証拠を手に入れる一連の場面、被害者のうち二人が「実名を出しても良い」と連絡してきた場面、等々の演技には鳥肌が立ちました。
良かった。
とっても。
キャーリー・マリガン目当てで、リピート確定。
でも、やっぱり、NYTはだいだいだいだい大っ嫌いですw
終わらない戦い
まだまだ、深掘りできてないのだと思う。ニュース以上の衝撃的な事実や解決はなく。想定内の内容でしたが、彼女たちの苦悩を想うと涙がこぼれていました。
これからも、戦い続けるしかなくて、この戦いは終わらないだろう。と、感じると本当に恐ろしい。
尊厳を奪われることは誰しもが恐怖なはずのに、なぜ奪うのか。
被害者が逃げ回らなくて済むような世界になってほしい。
映画としては評価しづらいです。ドキュメンタリー的なものとしてみることをお勧めします。
天晴れな女性記者に完敗です!
女性新聞記者たちが苦難を乗り越えて勝利を掴む瞬間の感動は、まさにこの作品のハイライトでした。映画プロデューサーのセクハラを見事に暴露した瞬間でした。その映画プロデューサーの悪事の働き方は、用意周到に準備された契約書などを盾にしており、25年あまりの間にレイプを繰り返していたことが、白日の元に晒されなかった理由です。その間にどれだけの女性が苦しんだかと思うと怒りを禁じ得ません。しかし、二人の勇敢な新聞記者の地を這うような努力の積み重ねが、その悪事の大きな壁を突き壊したのでした。ある意味精神闘争の激しい攻防戦ともいえます。セクハラは人間の生み出す悲しい性でしょう。どんな時代でも組織があれば必ず発生するものと言えるかもしれません。人類は最初は女性しか存在しなかったところに、男性という生物が誕生しました。本来は女性を守るために発生したはずですが、腕力があるために戦争をし、男性社会を作り、女性が下に置かれたり蹂躙されたりしました。そして現代の会社組織でも権力を握った男性は、女性をコントロールしようとする馬鹿な輩が出てきます。性欲は人類の継続のためにあるものですが、突出した人間は、その性欲を満足させるために、現代の会社組織の中でも悪事を働きます。権力を持つとそれは容易に人間性のタガを外すものになるようです。しかし、やはり最終的には女性の方が本質的には強いのでしょう。ラストには鮮烈に女性が勝利します。映画プロデューサーは、2020年に23年の刑期が確定し、その男性に関係する女性86人が告発を行いました。女性新聞記者の奮闘により、一気に女性たちの真実の告発の歴史が開始されたのでした。天晴れな記者に完敗です。
全188件中、121~140件目を表示