「告発」SHE SAID シー・セッド その名を暴け 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
告発
性被害は女性のその後の人生に苦い影響を与える。
その事が一番傷ましい事でした。
欲望のままに権力者が弱い立場の女性を踏みにじり
一生消えない心の傷を残す。
映画界の仕事に憧れて夢を持って入った職場。
女優の卵が、良い役と引き換えに酷い辱めを受ける。
またはスタッフの若い新人がワインスタインの言いなりになり
一生後悔する。
彼から受けた屈辱を忘れていた女性は1人もいなかった。
2017年。
ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーキー(キャリー・マリガン)と、
ジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)は、ハリウッドに君臨する
映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの数十年に及ぶ性的暴行
について調査を開始する。
なんとハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ行為は
1990年代に遡るのだった。
映画プロダクション「ミラマックス」を1979年に設立。
プロデューサーとして驚くばかりの成功をする。
プロデュースした作品が有名な名作ばかりで驚くほどだ。
映画を深く愛したはずの大プロデューサーのした行為が、
映画に携わる女性たちを傷つけた事実。
ワインスタインを増長させて30年近く守ってきたのが、
ハリウッドの男社会のシステムの実態なのだ。
周囲が見逃して容認した事から性的虐待は30年近くに渡って
続けられたのだ。
彼一人の責任とは言えない。
ニューヨーク・タイムズ紙の告発により遂にワインスタインによる
悪質な事件の全容と真実が明らかになった。
これは実話である。
ハリウッドの女性の心や身体を蔑ろにする構造的体質の問題だと思う。
ワインスタインは現在、禁錮16年の刑を受けて矯正施設に収監されている。
映画「スキャンダル」2019年でもテレビ局でも同様の
セクシャル・ハラスメントの実態を暴いている。
セクハラを長期間続けたのはFOXニュースの創始者の元CEOだったが、
映画が公開されたときには故人だった。
映画・テレビ業界のセクハラと隠蔽体質は少しも変わったのか?
その後、世界に#meetoo運動は広がり、日本でも映画監督や俳優への
被害の告発が相次いだ。
しかしまだほんの出発点。
女性の人権を守る運動は根気良く永続的に続けて、根本から男社会の体質を
変えて行かなければならない。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。レビューの削除、私もあったのですが、いきなりなのでビックリしますね。映画見てそのまんまでもいいけれど、何か書いておこうと記しておくと、昔はこんなこと思ってたのかー、と懐かしくなったりします。