「あっさり風味だけどよかった」SHE SAID シー・セッド その名を暴け カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
あっさり風味だけどよかった
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パルプフィクションを製作したミラ・マックスの創始者。
ウキペディアのワインスタインの写真。こんな奴に迫られたら怖いに決まってる。パワハラに屈した自分を恥じ、苦しむことになる。泣き寝入りしている被害者はたくさんいて、そういう人に限って傷が深くて、人に話せない。
巧妙に被害者に泣き寝入りを強要する示談契約書。逆にこれが大きな証拠となった。
被害者の気持ちを察すると、やっと時間が経過し忘れかけていたのに、マスコミの取材によって再び傷をえぐり返される。退職したり、業界を変えてその後の人生をひっそりと送っていても、報復されるかもしれない恐怖に怯える。
SNSが普及し、アシュレイ・ジャッドが声をあげたから、ワインスタインを懲らしめることができたが、結果の如何にかかわらず、取材にあたった女性記者の正義感と罪悪感の天秤が気になった。どんなに丁寧に慎重に取材しても、彼女らを傷つけるので、信頼を得て、オンレコの許可を得るのは困難を極める。キャリー・マリガンとゾーイ・カザンの二人とも出産、育児をしながら頑張る役。旦那もまずまず合格点。「ニューヨーク親切なロシア料理店」の小さい息子二人をワゴン車に乗せて家出するゾーイ・カザンの印象が残っているのでなおさらだった。「プロミキシング・ヤングウーマン」が記憶に新しいキャリー・マリガン。デスクのトップがしっかりしていて、ワインスタイン側の揺さぶりに屈せず、男気があって、いいチームだった。
女性記者の二人がメインで、全体にあっさり味。ワインスタインの描かれ方はアホ過ぎる。もっと狡猾でパワハラ全開だったにちがいない。
パワハラには厳罰大賛成。
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