「働く女性の現実」SHE SAID シー・セッド その名を暴け ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
働く女性の現実
原題は「SHE SAID」で、「彼女は語った」という意味です。
邦題は「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」です。
実話なので、その名は、ハリウッドの大物映画プロデューサーである
ハーベイ・ワインスタインという事は分かっていますし、暴かれることも
分かっているので、「その名を暴け」という感じの内容ではないです。
ハリウッドの大物映画プロデューサーであるハーベイ・ワインスタインを
告発するために「彼女は語った」を中心に描かれています。
原題の方が、映画の内容を表しています。
セクハラを行うという場面はあえて、避けています。
映倫区分は、「G」でどなたでも鑑賞することができます。
特に、大学生等のこれから社会で働き、結婚し、子供を産むことになる女性に
向けた映画です。
友人の女性同士で、鑑賞し、映画について話あってみることをお勧めします。
事前にパンフレットを購入し、読んで、ストーリーと人間関係を把握しておく必要があります。
実話をストレートに描いているので、感動的なストーリーというより、ドキュメンタリー性が強く、会話が多く、字幕を読むのも大変です。
登場人物が多く、登場人物の家族も登場するし、登場人物の回想シーンでは、別の役者を使用しているので、人間関係がつかみにくいです。
ストーリーは、1992年から2017年までとうい長い期間を描いていて、展開が早く進むし、時間は前後するし、理解することは困難です。
この映画では、性的な被害にあった女性をサバイバーと呼んでいます。
映画の冒頭から、映画を理解するのは困難です。
セクハラを受けることになる前のローラ・マッデンが念願の映画の仕事に関わり、楽しそうに働いているシーンから始まります。
ニューヨーク・タイムズを始め、多くの米国メディアがドナルド・トランプ共和党米国大統領候補へセクハラに関する非難を行いました。
2016年11月8日、ドナルド・トランプ共和党米国大統領候補は、米国大統領選挙で女性初のヒラリー・クリントン民主党米国大統領候補に勝利します。
ニューヨーク・タイムズを始め、多くの米国メディアがドナルド・トランプ共和党米国大統領候補へセクハラに関する非難を行ったことは、映画「スキャンダル」でも描かれています。
事前に、同じ題材を扱う映画「スキャンダル」を鑑賞しておいた方が背景を理解できます。
ミラマックス社とザ・ワインスタイン社について知らないと、この映画を理解できません。
1979年12月19日、ミラマックス社は、ハーヴェイ・ワインスタインとボブ・ワインスタインの
ワインスタイン兄弟によって設立されました。
1993年6月30日、ミラマックス社は、ウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されました。
2005年9月30日、ハーヴェイ・ワインスタインとボブ・ワインスタインは、ミラマックス社を退社し、
ザ・ワインスタイン社を設立しました。
2010年12月3日、ミラマックス社は、フィルムヤード・ホールディングスに売却されました。
2017年10月5日、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラが発覚しました。
2017年10月9日、ザ・ワインスタイン社は、ハーヴェイ・ワインスタインを解雇しました。
2018年3月19日、ザ・ワインスタイン社は、連邦破産法適用の申請手続きに入りました。
ミラマックス社は、以下の映画をプロデュースしました。
・グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
・シカゴ
・コールド マウンテン
・キル・ビル
・アビエイター
アカデミー賞にノミネートされた映画、受賞した映画が多数あります。
ザ・ワインスタイン社は、以下の映画をプロデュースしました。
・シッコ
・愛を読むひと
・キャピタリズム~マネーは踊る~
・イングロリアス・バスターズ
・ジャンゴ 繋がれざる者
アカデミー賞にノミネートされた映画が多数あります。
ハーヴェイ・ワインスタインは、ロード・オブ・ザ・リングの三部作の製作総指揮も務めています。
以上で、いかにハーヴェイ・ワインスタインが映画界で大物プロデューサーであるか理解できるでしょう。
登場人物が多いので、セクハラを受けた人、セクハラをを告発する人、セクハラをした人、セクハラをした人を守る人に大きく分けて、大まかに把握すると良いでしょう。
特定の登場人物に感情移入がしにくいという感じです。
この映画で伝えたいことは「問題の本質は性加害者が守られる法のシステムにある」という一言に尽きます。
男女格差指数ランキング(2022年版)では、日本は、146ヶ国中、116位です。
アメリカは27位、韓国は99位、中国は102位です。
日本はこの映画の舞台であるアメリカはもちろん、韓国や中国より劣っているという事です。
日本にいると気か付かないと思いますが、この映画で描かれた内容より、日本で働く女性の
現実は醜いという事です。
2020年9月23日、アメリカの雑誌「TIME」は、「世界で最も影響力のある100人」の一人として、
伊藤詩織さんを選びました。
伊藤詩織さんは、勇敢にセクハラを告発した女性です。
日本でセクハラは珍しくないですが、勇敢にセクハラを告発した女性は世界でも貴重であり、影響力があり、だからこの映画が製作され、世界で公開されているという事です。
日本の男女格差指数ランキング(2022年版)では、日本は116位だから、伊藤詩織さんことが映画が製作され、世界に公開されることはないということです。
安倍晋三元首相が殺害され、最高裁判所は伊藤詩織さんと山口敬之さんの上告を退ける決定し、
山口敬之さんに約332万円の賠償を命じました。
伊藤詩織さんについて、忘れてしまったという人は、調べてください。
井の中の女性である神田うの(47歳)さんは、「羽田国際空港や成田国際空港という名前から安倍晋三国際空港にして欲しいな」と発言しています。
日本の女性は、男性に媚びるしか生きる道はないというのが現状です。
日本の男性なら大丈夫という事はないです。
2020年9月13日、菅義偉官房長官は、自民党総裁選に立候補し、フジテレビの番組で、
「私どもは選挙で選ばれているから、何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば、異動してもらう」と語り、自民党総裁になり、日本の首相になりました。
菅義偉官房長官は、官僚に忖度させて、政治家の駒として使い、官僚が何も意見が言えない状態にして、官僚に、国有地の安価な払下げ、公文書の改ざん、隠蔽、破棄などをさせた挙句、自殺する状態に追い込んでいます。
民間企業では、馬鹿な上司の意向を忖度できない部下は優秀だとみなされず、馬鹿な上司を忖度せざる得ず、パワハラを認め、辞職するか、過労死するしかないという事です。
自分は、課長が新人女性と不倫しているのを自慢しているのを聞いたり、副部長が女性社員と不倫し、妻にバレて、副部長が退職することになったり、部長が新人女性社員に不倫を迫り、新人女性社員が退職し、部長はお咎めなしということを経験しました。
自分は、パワハラに対するアンケートに、パワハラについて記入したところ、退職を強要され、辞職をさせられました。
日本では、パワハラもセクハラは珍しいものでばないです。