春に散るのレビュー・感想・評価
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おじさん構文の様な映画
その昔、ボクシング映画にハズレなし‼︎が合言葉だった。
邦画から足が遠のき映画館で観る機会が減っていたが、YouTubeに流れるCMを見て合言葉宜しく一人でレイトショーに。
久しぶりの映画館での邦画、それもボクシング映画。
往年の名俳優の演技、そして時代が経ったことを感じさせるそれぞれの顔。世代交代をした主役達。
あぁ自分も歳とったなぁと思うと、出て来る登場人物のキャラ構成もどっか懐かしい。
安定感のある名優達の演技がこの物語を支えている。
しかしその物語。
現代風にアレンジされてるが、それがおじさん構文みたいに色々とズレている。端折り具合も連ドラの1話を見逃したくらい端折る。
あと橋本環奈な…これ一番さむかったかな。ここは無名どころで塩顔な子が良かったな。流星と並ぶと絵面が一気にシラけるんよ。温度と合ってないというか。
題材はすごくいいから、監督はファーストラブの寒竹ゆりで連ドラにすれば良かったかもしれない。世代間ギャップをうまく繋いでくれただろうし、ノスタルジーと昭和の価値観の描き方は彼女の得意なとこだろう。
もしくはコーチ編、出会いと初戦編、最終戦編 の3部作の和製クリードにしても良かったかもしれない。
まぁここまでグチグチ言ったが、高評価なのは何となく理解出来る。わかりやすく誰も悪者もいなし、おじさんが若者に向けた無粋なエールだからかもしれない。
横浜流星、いいっす!
ボクシングをテーマにした映画は、
どうしても既視感のある物語に
なりがちだ。
数々の名作があるから、どこかで
観た場面が出てくるのはしょうがない。
でもこの映画は、長年ボクシングと関わってきた
沢木耕太郎の原作だけあって、一味違う。
佐藤浩市を始めとする、三人のおっさん、
片岡鶴太郎、哀川翔をコーチ役にしたのも、
新味を加えた。
そして何しろ、主演二人、佐藤浩市はもちろんだが、
横浜流星がいい!
どうしようもない現実を、拳ひとつで変えようとする
若者の焦燥、苛立ちが、がんがん伝わってくる
面構えと肉体だ。
対する窪田正孝も、さすがプロのライセンスを取った
だけあって、殴り合う場面はとてもリアル。
片岡鶴太郎の芝居も初めて、いいと思った。
’
ボクシング、やっぱり、映画に向いてるなぁ。
自由になれ! そのために練習しろ。でも立ち向かえ!
広岡が死んだ会長の言葉として「自由になれ、そのために練習しろ、そのために考えろ」というのは、ボクサーは色々な動機に後押しされてそこに至っているが、練習によりある境地に達し、自分の動機となっていた「しがらみ」から自由になれるという事だろう。それは、ボクシングに限らないのかもしれない。
黒木(横浜流星)も中西とのタイトルマッチで、右目をやられ見えなくなっている中でも、タオルなんか投げるなよと言い、今最高に面白い、新しい世界が見えることを言っている。すなわち徹底した練習の中で、単に母を守るという動機を超え、試合の中で新しい境地に至り「自由」になったのだろう。
広岡(佐藤浩一)は、自分の死んだ会長が好まなかった「打たれても向かってゆく、騙されても立ち上がる」、そういうボクシングがロスの日系人を励ましたという自分を拾ってくれたホテルのオーナーの言葉を今さらながら思い出し、会長が言っていた、「頭の良さだけで、打たれず打つ、倒されず倒す」というボクシングではダメだということに気づく。まさにそのスタイルのボクシングが、黒木に敗れた世界まであと一歩だった大塚のボクシングであり、大塚のジムの会長(山口智子)は、「うちは考えるボクシングなの」とスタイルが違うと黒木が所属することを断った。
しかし、大塚を負かした「打たれても向かってゆく、倒されても倒す」という黒木のスタイルに、最後の中西との世界一をかけたタイトルマッチでは、黒木を否定した大塚のジムの会長(山口智子)も黒木を応援するようになっていたのである。その姿勢には、人の心を動かす、励ますものがあったと彼女も黒木の戦いが終わって広岡に言っている。
こうしたスタイルは、生きる姿勢に繋がると感じた。
時に不公平な判定で負ける事だって人生にはある。広岡(佐藤浩一)はそれでボクシングを止めてしまった。でも、そんなことがあったとしても、立ち上がる、打たれても立ち上がる。若き黒木の姿勢に過去の自分ダブらせ、自分の人生を振り返り、そんな姿勢が人の共感を呼ぶオーラになり、人を励ましうる力にもなるのだと広岡も気づき、失明の危機がある黒木と最後まで挑戦した。そして、勝った。
「春に散る」とは、そうして倒れても立ち上がり続けて春を迎え、また次のステージへと再挑戦するリスタートでもある。広岡はもう心臓の心配をする事なく、黒木の「春」を見届けて人生を散らした。黒木も、ボクシングを通じた挑戦で春を迎えながらも、失明し別の人生へ「再再出発」をすることになる。
黒木は、死んで見えなくなっても広岡に「走れ」と発破をかけられながら、一回り成長した彼は、自転車にぶつかりそうになって、自転車に乗っていたオヤジからクレームを言われても、怒らず詫びてやり過ごす。これも、打たれても立ち上がった新たな姿の象徴だ。彼は次の春を目指してゆくのだろう。
☆
この映画は、広岡や彼の仲間も通して、年配の男の生き方を考えさせるという意味でも、私に刺激を与えて、残りの人生をどう生きるかを考えさせてくれた作品で、記憶に残る作品になった。
来年の桜が観れるだろうか‼️❓いや、悔いなく生きれるだろうか‼️❓
この映画はとても原作を🎞省略しています。
だから、この映画を観るためには、行間を鑑賞者が埋める必要があります。
例えば、ガソリンスタンドのエピソード、唐突ですよね、でも、このボクサーの生きる根源です、母親を守るためにボクサーになる、暴力男からボクサーアイテムを返してもらう、それでも、無謀だけど、不器用な象徴でもありますボクシング自体判定は理不尽です。
映画には演技が必要ですが、演技を超えるものがあれば、我々の魂を揺さぶります。
例えば、トムクルーズですが、日本にも稀有ですが例があります、チアダンでは演技の数十倍訓練してました。
この映画で、横浜流星や窪田正孝は演技の数十倍トレーニングしています、それはただ肉体だけでなく精神のぶつかり合いです。
こんな命懸けの映画に出逢えることは🎞凄い幸運です。
ありがとうございました😊😭これからも生きる糧になりました、最後のシーンで、私も走ることにしました、本当に良い映画でした🎬🎟
アスリートのセカンドマンキャリア
深読みかもしれません。
でも作中所々感じたのは、アスリートのセカンドキャリアについての課題意識。
佐藤浩一が好きで、そこに横浜流星が出るんだから、当たり前観るでしょっていう感覚くらいで観ました。
予想以上に良かったです。
ボクサー経験者なのかな?役者さん、半端なくリアルです。
チャンピオン役の窪田正孝は、怪演!すごい
そして橋本環奈ちゃん…こんな役もこなせるんですね。
必見です!
散るほど燃える!そして咲く!
居酒屋で騒ぐ若者、それを軽く懲らしめる男。それを目撃した若者。教えを乞うも断られる。課題をクリア、その熱い思いに打たれて師弟関係が築かれていく。目新しさは無いが、逆に非常に分かりやすい。
キャラクターも立っている。キャスティングが良くて、俳優自身の存在感とキャラクター性が上手く噛み合って分かりやすさ度に加算がされている。
片岡鶴太郎が良い立ち位置にいて、登場人物達の関係性や動きを上手く誘導していて便利そうだった。鍛えられた身体にも説得力が出ていて良かった。当初の役柄は酒に溺れていたはずだが。笑
他の登場人物達もそれぞれに役割があり、無駄がない。
ボクシングのシーンも迫力があって良かった。違和感が無いレベルで試合として見ることができた。試合前は高圧的、若しくは余裕綽々な表情をとっていても
リングの上では正に死闘。醜くても、なりふり構わず己を曝け出して、相手に向かっていく。
天才性を発揮しているような実力者も裏では血の滲むの努力を絶え間なく繰り返しているからこそ、その立場にいるのだ。というのがしっかりと描かれていて学びになる。
気になった点
横浜流星がそこまで熱狂的に生きる理由に対する背景が薄い。母親は問題はあるかもしれないが、普通に働いているし、親子の関係も良好である。
ボクシングについても多少過去の試合の説明はあったが、描写が無いため未練や熱意などの原動力を感じ取れない。
なので佐藤浩市に拒絶された後に食い下がって熱弁するシーンでも、何か頑張って言ってるな。程度にしか熱が伝わってこない。
最後の試合も、死力を尽くしながらも、本当にただ試合をしているだけである。お互いに何かを背負ったものがあったり、応援してくれる人の声があったり、負けられない理由があったり、そういうのが入ってこないので正直(興味が薄い方の)どちらが勝っても良い試合だった。
師弟関係に亀裂が入りそうで入らない。挫折しそうで挫折しない。映画全体を通してとても順調に、順風満帆に成功していく。
家庭持ちとの一戦、横浜流星は相手の妻と子の応援が目に入り、攻勢を弱めてしまう。それを見た佐藤浩一は辞めちまえ。と一喝する。
クライマックスの一戦前、目の状態から出場と棄権意見が分かれて激しく喧嘩など、一時的な亀裂が入る。ここらへんでドラマ性が生まれそうになるのだが、すぐに仲直りしてしまう。
試合が頓挫しかけた警察沙汰の件も土下座で即解決する。
ボクシングも結局主人公は一回も負けない。初っ端のジムでの大塚(坂東龍汰)とのスパーリングで出鼻を挫かれるのかと思えば、ダウンさせてしまう。ここで主人公の才能を示したんだろうが、最後の圧倒的な実力差があるとされている中西(窪田正孝)も怒涛の攻防の末、こちらも勝ってしまう。春に散る、って勝っちゃうんかい。と思ってしまった。
当初の佐藤浩市の「不公平なんていくらでもあるぞ」という言葉は一体なんだったんだろうか。
最初にも書いたがストーリー展開が王道すぎる。
・綺麗なジムに入会するかと思えば、そこのホープを倒し入会を断られる。
・仕方なく知り合いの小さいジムを拠点とする。
・ヒロインは最初ボクシングに対して恐怖を感じるが、主人公優勢になったら見方が変わる。
・礼儀を知らない天才ボクサー。
・居酒屋で応援にヒートアップする客達。
・ラストシーン、最初のテストを思い出して会話?をしてしまう。
原作は読んでいないけれど、いかにもザ・ボクシングストーリーという描写が多く、見ていて特に驚きがなかった。
他
主人公(佐藤浩市)が、ボクシングに見出した答えが以前の恩師である会長の言葉、ではなく、それを「それだけじゃダメなんだ」と否定し、思想を越えたのは良かった。
俳優陣がそれぞれ演技が上手い。佐藤浩市の佇まいは正に実力派ボクサーの過去を持つ静かな威圧感と挫折した経験、ホテル勤で得た謙虚さが姿勢や歩き方で感じ取れるたし、横浜流星も夢を追いかける熱血主人公!というキャラクターがとても合っていた。橋本環奈は目が大きくてビジュアルが妖精のようで、登場シーンの幸の薄さは少しホラー感があったが、役柄が新鮮で良かった。
また窪田正孝がとても良かった。飄々としたキャラクターと表情。でもそれだけじゃない、その中にある熱とか、鍛え抜かれた身体とか素晴らしいと思った。
春、現役を退いた男は蕾とも言える青年と出会い、その青年の夢をサポートし共に昇っていく。冬の時期を乗り越えてそしてまた春、青年は夢を実現させて満開に咲いた。
それを見届けて男は桜と共に散る。青年もまた身体に深刻なダメージを受ける。恐らく男の死を知って精神的にもダメージを受けただろう。だけどまた、青年は再スタートを切り芽吹く。また花を咲かすために、走りだす。
ということか。
期待通りの良作
2023年劇場鑑賞202本目。
ボクシング映画にハズレ無しだと思っているのですが、今作も例にもれず最高でした。
佐藤浩市の大ファンというのもありますが、窪田正孝も好きで、主役じゃないのかぁと思いましたがなんかムカつくチャンピオン役をさすがの感じで演じていたのでこれはこれでよし。「初恋」でもプロボクサーを演じて二回目ということで、身体はボクサーっぽい筋肉になっていましたね、横浜流星もそうでしたが。
本当の元プロボクサーの片岡鶴太郎もいい味出してましたね〜。
タイトルで大体最後の展開は予想できるのですが、その後も物語は続いて、最後のセリフで涙腺が崩壊してエンドロールになっても涙が止まらなかったのは山崎努の「長いお別れ」以来でしたね。いい映画でした。
今を精一杯生きる
原作未読で、ボクシング映画も格別好みではないが、評価の高さに惹かれて鑑賞。大変感動した。
ボクサーとして鳴らし、渡米したが、不公平な判定に納得できず引退した広岡仁一(佐藤浩市)。ホテル業に転身して成功するが、心臓疾患が判明して事業を譲渡し、帰国してかつてのボクシング仲間と一緒に静かに余生を送りたいと望む。
一方、母子家庭に育ち、母親(坂井真紀)を守りたい一心でボクシングを始めた黒木翔吾(横浜流星)。やはり不公平な判定に納得できず、半引退生活を送る。そんなとき、酒場で騒ぐ若者たちをたしなめた仁一が、逆恨みされて襲われるものの、これを簡単にノックアウトするのを目撃して、弟子入りを志願する――といったストーリー。
試合に勝ち続けてタイトル戦をつかみ取る翔吾だが、直前に網膜剥離の症状が判明。仁一は試合の辞退を説得するが、「今しかないんだ!」という翔吾に押し切られてしまう。たぶん仁一自身、翔吾の雄姿をその目に収める最後のチャンスだと悟ったのだろう。「今を精一杯生きる」というのが本作のテーマだと思う。
流星さんはプロ・ボクサーとしてまったく違和感のない鍛え上げた肉体とキレを見せてくれた。窪田正孝さんも自分のなかでは線の細いイメージがあったが、本作でふてぶてしいチャンプ・中西利夫を見事に演じている。予算に限りのある邦画でも脚本次第で十分に勝負できると感じさせてくれる作品。
ただ、平日とはいえ観客が自分を含めて4~5人だったのは気になる。
横浜流星、スパーリングの時はネックレス外そうよ
不公平な判定で負け、日本を離れ、アメリカでホテルマンとして成功を収め、40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、同じく不公平な判定負けでやけになってたボクサーの黒木翔吾が、居酒屋で出会った。騒ぎを起こした3人組に絡まれた仁一は3人を倒したあと、将吾も仲間だと思い、強烈なパンチを浴びせてしまった。仁一に人生初のダウンを奪われた翔吾は、配達のバイトをしながら彼を探し、やっと見つけ、ボクシングを教えてほしいと頼んだ。最初は断わってたが、かつてのボクシング仲間の佐瀬と次郎から河川敷ダッシュのテストをやらされ、それをきっかけに仁一は将吾にボクシングを教えることになった。仁一は翔吾に激しいトレーニングを課し、ボクシングを一から叩き込んでいった。翔吾はその後東洋太平洋チャンピオンとの戦いを制し、世界チャンピオン・中西との世界戦が決まった。さてどうなる、という話。
横浜流星も窪田正孝もさすがの迫力でボクシングシーンは素晴らしかった。観てて熱くなった。
佐藤浩市はもちろん味があったし、片岡鶴太郎も元ボクサーらしく形が決まってた。
山口智子は久々に観たが、相変わらず綺麗だった。
春に散る、って何だろう、って観てたが、なるほどね、だった。
ひとつ気になったのは、翔吾が2Rのスパーリングした時ネックレスを付けたままだった事。金属のものは危ないから外した方が良いと思った。
それ以外はほんと素晴らしく、感動した良い作品だった。
これをやらずに生きても仕方ないって言えること
通常の人間が観られない景色を観ることができた人、自分が果たせなかった夢を継いでくれる人を見つけた人、自分を守るためにボクシングを始めたと言ってもらえる人、大切な人と出会い再出発を一緒に迎えられた人、いろんな勇気をもらえた人、…。何だかんだ言っても幸せな人たちが集まる作品でした。
そして、散ってしまう前が大事なんだと気付きながら生きている人たちでした。
ボクシングの試合風景の見映えに救われたかな、試合結果が出来過ぎかな、とも思いましたが、人との出会い、つながりの大切さを感じることができました。
ジムにあった「人生に消しゴムはない」て言葉が気になりましたが、消しゴムはなくても誰かが補正してくれて赤ペンではなまるくれるときもあるんですよね。
ボクシングが際立たせる生命の輝き
素晴らしい作品でした♪
還暦越えした自分にはじんわりと心と五臓六腑に染みました、まだ佳い余韻の中にいます
高校生の時、眠るのを忘れて読み耽った沢木耕太郎氏の「深夜特急」に若い自分は生きることの意味や勇気を考えさせられ、元東洋チャンプだったカシアス内藤を扱った傑作ノンフィクション「一瞬の夏」で人生の挫折との向き合い方を学んだ生意気な若造だったあの頃、自分の人生の区切りの付け方や終え方なんて想像だにしなかった
この映画はボクシングという生命を昇華させる至上の競技の魅力、芸術的な凄さと美しさ、そして残酷さを余すことなく映像化することに成功している
同時に人生の挫折を乗り越える勇気の振り絞り方と自分なりの区切りやケジメの付け方も照れや衒いなく真摯に描く
それを僕は難なく素直に受け止めることが出来たことをまず感謝したい
原作は沢木耕太郎氏の小説「春に散る」
瀬々監督は沢木耕太郎がフィクション、ノンフィクション作品で生涯をかけて表現することに挑んでいる世界観を自分の文法で映画化
役者たちは一人残らずリスペクトに値する抑制の効いた演技で応えた結果として自分のような天邪鬼で頑固ジジイの心をゆっくりとほどくように開いてくれた
佐藤浩一さんの演技は円熟の極み
もう一人の主役、横浜流星さんは肩の力の抜けた演技でおそらくは新境地へ到達
共演者たちへの賛辞も惜しみなく贈りたい
まだまだ言い足りないが、殺人的猛暑にめげず是非劇場へ足を運んでいただき、あなたにもこの優れた作品を心で受け止めてもらいたいと、このジジイは素直に思ったわけであります
この作品を世に送り出してくれた関係者に感謝いたします😇
生き切りたいと覚悟出来た幸せを感じた
大人のドラマだと思った
終わりをはっきり見せつけられた仁一、このまま受け入れて過ごすか でも 何か心にモヤモヤがある でも何なのかははっきりしない
翔吾と出会ったことで 仁一は嬉しく 楽しいと生きている実感を掴めた事が羨ましいと思った
横浜流星の本気を佐藤浩市が受け止める
翔吾と仁一のようだ リアルがドラマの二人の関係に確かな説得力をもたらした
ボクシングシーン 練習から試合まで 横浜流星 窪田正孝 坂東龍汰の本気を感じた
プロに失礼のないボクシングシーンにしたいという思いで凄く練習したらしく 迫力があって 翔吾 中西 大塚の思いにも確かな説得力があった
仁一の老いと終わりの受け止め方は 実感する世代になった今と 想像するしかない世代の時とで全然違っている これは面白い感情だと思えた
映画は心情や背景を詳しく語る事はないけれど 表情や言葉や話し方で想像することが出来る
受け止められる年代になって 受け止める事が出来る事が嬉しくもある
試合シーンは圧巻
クライマックスの試合は、ただただ圧巻。横浜くんも窪田くんもプロボクサーにしか見えなかった。実際ライセンスを取得してるのだからそうなんでしょうけど、臨場感が半端なかったです。血や汗の飛沫が、雄叫びが、観客の表情とともにひしひしと伝わってきてエネルギーの熱にあてられた。
佐藤浩市さんの哀愁ただよう雰囲気が好きです。環奈ちゃんもヒロイン枠よりこっちのような重厚な作品にもっとでてほしい。最初の疲れきった無の顔からどんどん明るい表情になっていくのが自然でよかった。あと坂井真紀さん、お母さん役だけど本当に多才な女優さんですね。あのガソリンスタンドの男のシーンは他人事ながら、ちょっといい気味と思ってしまったのは、主人公視点にどっぷり入っていたからでしょうね。ただ、試合最後のところでスローになるシーンがあるんですが、いかにも感動してください余韻に浸ってください感があって興が覚めてしまいました。それさえなければ。
最後のシーンが佐藤浩市さんのあの場面で終わらなくてよかった。横浜流星くんのあの丘の台詞がとても好きなので。
桜は人生に例えられることが多いですね。花びらさえも美しい。70代の母と観に行ったんですが、大満足だったそうで、私も観れて良かったです。
満開の桜の下で散った広岡
魅せ場はやはり黒木と中西の試合でしょう。(全部魅せ場だけど)本当の試合を観ているようだった。映画の結末を知らなかったし、レビュー等も読んでいなったので、どちらが勝つのかわからず、結末を予想しても、どちらが勝っても物語は成立しそう。そして何より、最近横浜流星の良さに気付き、若手の推しの1人に。でも窪田正孝も推しの1人。どちらにも勝ってほしい。と本当に試合観戦している気分で魅入ってしまった。どの程度がシナリオなのかは知らないけれど、2人ともボクシングやるし、本気が伝わる。
たとえ失明しても試合がしたい。本人からしたらそうだろう。ただ広岡や母親などからしたらボクシングが出来なくなってからの人生のが長いんだから目が見えなくなったら、と辞めさせたいのは当然だろう。広岡が自分の心臓の手術を拒むのとは違うよね。私はもう広岡の年齢の方に近いから、このまま死んでもやり遂げたい広岡の気持ちはよくわかる。黒木が勝って、桜の下で散ってしまったけれど、満足したんだろう。
ボクシング場面だけでなく、周りの人達の人間性もわかるように描かれていて、全体的にとてもいい映画でした🥊
題材は良い
特に実際にリングでの試合シーンを演じる横浜流星、窪田正孝、坂東龍汰の仕上がりぶりは本物のボクサーと言ってもいいレベルになっていたと思う。
窪田正孝は実際にプロライセンスも取ったみたいだし。
ただ、全体的な内容は何か薄いかな。
全ての描写があっさりし過ぎていているというか、唐突感のある場面も多過ぎて、観ている側としてはいま一つ感情移入していけなかった。
例えば、
・ ボクシング界と距離を置いていた広岡(佐藤浩一)が帰国早々、かつてのジム仲間の佐瀬(片岡鶴太郎)、藤原(哀川翔)と同居生活を考えたところ
・ 広岡が拒絶していた筈の黒木(横浜流星)の指導に乗り出すところ
・ 広岡の姪(橋本環奈)が黒木に思いを寄せていくところ
・ 黒木のボクシングスタイルを嫌い、入門を拒否した真拳ジム会長・真田(山口智子)がクライマックスでは黒木を応援しているところ
・ 真田会長がジムの功労者三人のうち藤原だけはいつの間にかトレーナーとして受け入れてるところ
などなど。
黒木と中西の試合シーンのロッキーシリーズを意識したような描写も軽さを助長していたかな。
辛辣な言い方だが、ボクサー役の演者たちの熱量を雑な脚本と演出が削いでしまっているような印象だったかな。
ただ、横浜流星はひたすら、カッコいい。
山口智子!
原作:沢木耕太郎×監督:瀬々敬久
ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞🎥
「原作:沢木耕太郎×監督:瀬々敬久」というだけで観るしかない映画🙂
ボクシングドラマを軸に繰り広げられる人間ドラマが素晴らしく、スローモーションや無音の上手い使い方を観ると「映画ってイイな!」と思ってしまう感動作💕✨
40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)、偶然吞み屋で広岡を見かけた若手ボクサーの翔吾(横浜流星)は広岡に挑んであっさりとクロスカウンターくらって…😄笑
広岡はかつての仲間(片岡鶴太郎、哀川翔)や元の所属ジム会長(山口智子)などと再会。
そんな広岡に翔吾が「ボクシングを教えて欲しい」と頼みに来て、周囲の人々を巻き込みながら物語は進んでいく。
個人的に原作者の沢木耕太郎氏を好きなのは、新聞連載されていた「銀の森」(だったかな?)という「映画評」が本当に見事な筆致だったので「沢木さんの映画評を読んで映画に行ったこともあるし、観た映画の映画評を読んで感動再び…」ということが多々あったから。
その当時は自分もキネマ旬報「読者の映画評」に頻繁に投稿していて、「沢木耕太郎さんのような映画評を書きたい!」と思いながら文字数制限で削除を繰り返して映画評を書いては投稿していた。そんな自分の映画評が掲載されては喜んでいた時代もあった。(今は、映画評を書くのに手間暇かけるので投稿していない。)
話がそれたが、本作はさまざまな見どころあるが、詳細は映画をご覧ください……ということで記載しない。
ただ、久しぶりに橋本環奈を見たが、化粧っ気があまりないが、「やたら目が大きい!」ということに改めて(なんだか分からないが)すごさを感じた🤣笑
久しぶりに良い映画を観た……と思える瀬々監督の佳作であった🎥🌟🌟🌟
<映倫No.123790>
僕の好みとはちょっと違いました
映像として全体的に暗い印象を受けました。
家を取り壊しているところをスマホで撮影したり、タイトル戦が決まった直後の暴行事件で謝罪に行ってSNSで騒ぎになるのが一番困ると言われていたり、東洋太平洋のタイトルを取った後世界王者がスマホをいじっていることに対して腹を立てたり、スマホ全盛の現代が舞台のはずですが、鮮やかな感じのないどことなく暗くてザラっとした映像は、昭和のテレビドラマのようだと感じました。
お話の内容も、序盤の方で青年がボクシングを教えて欲しいといってきたときに、判定で負けたとか、赤コーナーに強いチャンピオンがいたら判定では勝てないというようなことを言っていたのに、結局彼は判定で世界王者のタイトルを取ったでしょう?
目の障がいが見つかって試合を辞退するのか敢行するのか揉めたり、年寄りのシェアハウスにボクサーの青年や姪の人やらが住み着いたり、出て行ったり。
僕には難しくて理解できませんでした。
僕はもっと、主題のわかりやすい話が好きなので、これは好みではないです。
全260件中、141~160件目を表示