春に散るのレビュー・感想・評価
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燃える闘志!! 優しさは試合では致命的な打撃となる!?
生まれたとき、母親を失ってボクシング以外
でも不公平な思いをして生きてきた
佐藤浩市演じる広岡。
運命の出逢いなのか、横浜流星演じる黒木と
出会った!
痛いパンチを喰らい、1度はボクシングを
やめた黒木だったが広岡にトレーニングして
ボクシングを再び始める姿が、バラバラに
なった家族がひとつになっていくように
見えました。
団地に住む青年の広岡が、母親を護りたい
一心でボクシングに打ち込む姿は
優しさと幼い日の心の傷を感じる場面でした。
目の傷、網膜がボクシング生命に関わること
になってもリングに賭けた宿命と
広岡が自分が達成できなかった夢を黒木に
託したように思いました。
おじを介護していた佳菜子が大分の故郷の
自宅を取り壊すシーン
黒木の母親に送ったプレゼントは
気持ちまで暖めるものでした。
対戦相手の中西、窪田正孝は
黒木の良きライバルとなって熱い試合を
見ることができました。
春に散る
桜が散るころになると父親のようにそばに
いてくれた人を思い出すラストシーンでした。
題名から想像出来ないボクサーたちの物語
若きボクサーの夢に共感した元ボクサーたち情熱が伝わりました。
一度は夢を諦めた人々を巻き込んで繰り広げられるチャンプへの道のりは人間と人間のぶつかり合いで観てる間にすっかり勝ち負けを忘れていました。
勝敗にかかわらず命を賭けて行われた試合を通じてテーマに結びつく翔吾や広岡の姿は涙目にならずにはいられませんでした。
優しい翔吾が変わってゆく姿を演じた横浜流星くん、カッコ良かったです!
【”一度しかない今を大切に生きる。”再起したボクサーの生き様と、彼に感化された様々な人の生き様を描いた作品。横浜流星と窪田正孝のボクシングシーンのリアルな凄さと、役者根性に敬服した作品でもある。】
■不公平な判定で負けた事をきっかけに渡米し、40年振りに帰国した広岡仁一(佐藤浩市)と、同じく不公平な判定で負けた事で一度はプロボクサーを辞めた黒木翔吾(横浜流星)の偶然の出会いと、広岡が黒木に放ったクロスカウンター。
黒木はダウンするが、再度ボクサー魂に火が付くのである。
◆感想
・沢木耕太郎の大作を2時間少しの上映時間にまとめているので、やや詰め込み感は否めない。
が、それでも今作が見応えがあるのは、黒木翔吾を演じた横浜流星と、WBAフェザー級チャンピオン中西を演じた窪田正孝、そして黒木の最初のライバルだった大塚を演じた坂東龍汰の鍛え抜いた身体と、邦画では珍しい、長くてリアルなボクシングシーンが後半展開されるからである。
ー 横浜流星は、フェザー級基準値である57.15キログラムに合わせてトレーニングしたそうである。
長いボクシングシーンが映画で珍しいのは、当然であるが役者さんの体力が持たないためと怪我を恐れてである。-
■今作の圧倒的な見所
・当たり前であるが、天才肌のWBAフェザー級チャンピオン中西と、黒木祥吾の決戦シーンである。
横浜流星と、窪田正孝の鍛え抜いた身体と軽やかなフットワーク、そしてそこから繰り出されるフック、ストレートパンチ。
リアリズム溢れる最終ラウンドまでの二人の闘う姿には、素直に敬服する。
邦画俳優で、あれだけのボクシングシーンを演じる事が出来る人って何人いるんだろうな、と思う。
横浜流星は世界空手選手権大会で優勝した経験を持つ”格闘家”の経験が大きいんだろうな。役作りの際にも、”格闘家の様な生活を送っていた。”そうである。
・黒木翔吾と出会い、絡み、自身の生き様を再び見出していく、広岡の姪、カナコを演じた橋本環奈や、黒木の母を演じた坂井真紀や、広岡と且つて三羽烏と言われていたサセを演じた片岡鶴太郎やジローを演じた哀川翔や、彼らが所属していたジムを引き継いだレイコを演じた山口智子(久しぶりに拝見。不老の人である。吃驚。)などサブキャラの面々も良い。
・心臓を患っていた広岡仁一が、桜の花の舞い散る中、桜の木の根元で事切れていたシーンもしんみりする。
ー 本望だったんじゃないかな・・。-
<ラスト、眼を痛めていた黒木翔吾が、カナコにお弁当を貰って背広をビシッと着て、再々出発するシーン(いつの間に!)も良かったな。
そして、広岡仁一の”走れ!”という声が聞こえたかのように、爽やかに晴れ上がった空の下、堤防を走り始める黒木の姿。
今作は、邦画のボクシング映画の逸品だと思います。>
皆んな年取りました
瀬々監督がボクシング映画というのはこれまた意外である。
ボクシング映画というのは題材が限られているので、内容も他のボクシング映画と同様にある程度画一的になってしまい、展開が読めてしまうのは仕方が無い。
本作も正直言ってストーリー的には他のボクシング映画とそんなに大差は無いが、やはり横浜流星と窪田正孝との本気のファイトシーンが良かった。
試合後お互いに称え合うのが清々しい。
ただボクシング映画のスローモーションによる演出は個人的に好きではないのと、佳菜子の立場がストーリー的に微妙なので星-0.5である。
そういえば片岡鶴太郎も昔ガチでボクシングやっていましたよね。昔の写真はその時の写真でしょうか。
佐藤浩市や山口智子といった昔トレンディドラマの全盛期だったベテランの俳優さんは皆んな年を取りましたね。そこが一番驚きました。
ボクシング映画だけではない傑作
見ごたえあり
内容的には王道だと思うが、それでも感動する映画になっていました。
キャストも豪華だし、横浜流星のボクシングの仕上がりと体の仕上がりはすごいにつきる。
ミット打ちをする仁も大変だったんじゃないかな、と見ていて思いました。
最後の攻防は、細かいところをみれば顔を殴り合うところの手の動きなど気になるところはあるが、見ごたえ十分で、見入ってしまいました!
映画の中身とは違うが、エンドロールで関わる製作者の多さをみて、改めて映画を作る大変さを感じましたし、ふだんの自分の仕事で関わる人の大切さと感謝の気持ちを持たないなということも感じさせられました。
自分にとっては、色々と気づきや発見を与えてくれる映画でした。
託した夢。
過去に理不尽、不公平な判定負けの経験がある元ボクサーオヤジと少しブランクのある若者のボクシングの話。
飲み屋で若者3人といざこざの仁一、飲み屋を出た後にその若者3人に絡まれる、元ボクサーの仁一はその若者を軽くあしらう、それを見てたもう1人の若者が仁一に近づき仲間だと勘違いされ構えられる、ボクシング経験のある若者翔吾もとっさに構えたがあっさりカウンターで人生初のノックダウン...翔吾が仁一へ「俺にボクシングを教えてくれ!」と言った事から始まるストーリー。
元々空手の経験ある翔吾演じる横浜流星さんと現役でボクシングを習ってる中西演じた窪田正孝さん、ラストの世界戦の戦いは見応えあったし胸が熱くなった!
戦いの終盤、翔吾が中西を圧してるシーンで山口智子演じる令子が「黒木いけぇー」と発したセリフにはさらに胸が熱くなり涙。
仁一の古き元ボクサー仲間のサセケン(片岡鶴太郎)と次郎(哀川翔)の関係性も観てて良かった!やっぱ翔さんは荒くれた役がいいね!
自分の変わりに夢を果たしてくれた翔吾、翔吾の勝利を見届けた後に桜の木の下で散った仁一は悲しかったけどあの散り方は渋かった!
その直後、ラストでタイトル「春に散る」はもちろん計算なのはわかるけどさらに渋くてカッコ良かった!
人生を賭けたボクシング
もうすっかり
ハズレではない
114本目。
新作を公開初日に観られる、ビバ平日。
しかも割引だし。
全体で見れば、いいと思うし、決してハズレではないと思う。
縦軸の2人の物語もいいんだけど、横軸のドラマが分かりやすく散りばめられてはいるけれど、ちょっと多い。
連ドラ並の多さ。
で、我々が思っているボクサー、格闘家のイメージだったり、ボクシング映画あるある的な物語に、その枠から外す事って、出来ないのかなと言う疑問だったりで。
移ろいゆく季節を何とかやりくりしてはいるけらど、色々ちょっとってのもあるけど、役者さんのスケジュール的にそうするしかないんだろうな。
横浜流星は好きな役者だけど、瞬間に生きる役が多い気が。
まあ、それが似合うちゃ、似合うんだけど。
何歳になっても夢は持てる。
なんといっても圧巻のボクシングの試合のシーン。鈍く響く打撃音がリアル感を増して、その場で試合を見ているかの如く臨場感を味わえた。ちょっと漫画的な表現とでもいうのか、翔吾のシュッシュッと口から吐き出す音とパンチの動きで、スピード感って、音でも表現できるんだなと思った。
一度夢を諦めて第二の人生をそこそこ成功させてきた広岡氏が、翔吾と出会って第三の人生の夢を見出していく。
何歳になっても、夢はもてる。
そしてそれは必ずしも一人で叶えるものだとは限らない。誰かと一緒に掴む夢もあるんだなぁと思った。なんかそれはとても良い。
歳を重ねることは、その人の人格の最終型に近づくことだと思っているのだけど、それは同時に他人を受け入れ難くなり、より頑固に自分の考えが正しいと思いこんでいくから、結果的に一人になりがちなのではと思っていた。だから人は一人で生まれて一人で死ぬんだなと。
でも広岡と翔吾は年齢も性格も真逆なのに、同じ夢を追いかけることで理解し合って受け入れ合っていく。
人生の途中で諦めた夢や憧れを、衰えゆく身体では叶えられないことを、それを叶えられる希望がある誰かが一緒にもう一度夢見てくれたら、それはなんで幸せなことだろう。一人じゃないって素敵!
先に原作を読んでしまったから、どうしても比べてしまうけど、原作より翔吾はやんちゃで最初どこのやんちゃ坊主が出てきたかと思ったら、推しだったわ。
仁さんは原作(クレバーでリッチなイケオジ。常に冷静。弱者守りがち。かなりタイプ)と同じで浩一さんのイメージもそのまんまだった✨
何歳になってもいつどこで新しい出会いと胸躍るような日々が待っているかわからない、希望に満ち溢れた映画でした。
あとボクシングに対する意識が変わったかな。
格闘技全般苦手だったけど、ただ殴りあいをしてるんじゃなくて、頭脳戦なんだということを知った。
是非大事な人と一緒にご覧ください。
勿体無い
横浜流星さんを始め、ボクサー役の俳優の方はどの方も本当に凄かった。体も動きももはや役者では無かったと思う。
だから、貧困描写が美談寄りで結果困ってる感がないとか。
長編の物語を2時間に収めてる以上仕方ないかもしれないけど、橋本環奈さん周りの人間関係の距離感の詰め方がスキップしすぎとか。
ガソリンスタンドで働く母とか。
セリフも行動もとにかくなんか古臭い。
令和、ていうか平成でもないんじゃないのか?と思いながら見てたけど、スマホ出てくるし。
乗り切れない、というかめちゃくちゃ置いてかれた感がすごかったです。
クリードのボクシングシーンを知ってると、編集でブツブツ切れてるのが勿体無いと思ってしまう。
今回、ボクサー役をされた俳優さんたちはクリードのあのシーン以上のことが出来るポテンシャルがあると思う。
それぐらいよく体も精神も作り込んでいた。
タイトルなし(ネタバレ)
40年ぶりに米国から帰国した広岡仁一(佐藤浩市)。
元は、世界チャンピオンを狙える位置まで上がったことのあるボクサーで、渡米後5戦し引退、偶然拾ってもらったホテルで事業を継ぎ成功を収めたのだが、これも引退しての帰国だった。
そんな広岡が飲み屋で偶然出会ったのはボクサーの黒木翔吾(横浜流星)。
酔っ払いに絡まれた広岡が一撃で絡んできたふたりを倒すのを見、挑んでいった翔吾だったがクロスカウンターで返り討ちにあってしまう。
あまりのすごさに後日、広岡のもとを訪れ、ボクシングを教えてほしいと懇願する翔吾・・・
といったところからはじまる内容で、ここへ広岡が所属していた一流ジムの会長(前会長の娘)や、同じジムで広岡と三羽烏とうたわれた元ボクサー、業界トップジムに所属する世界チャンプ、さらには広岡の姪が加わって話が深まっていきます。
基本的なストーリーは、令和版『あしたのジョー』といってもよいほどで、それをトレーナーサイドから描いたといった感じ。
なのだけれど、多彩な登場人物を短いエピソードで処理しながら、映画に深みを与えていくあたりは、原作の良さもあるのだろうが、脚本・演出も冴えているということだろう。
(原作は沢木耕太郎、監督は瀬々敬久、脚本は瀬々と星航)
上手いエピソードは、仲違いしていた広岡と兄との関係。
兄の死、ひとり残される姪(兄の娘。橋本環奈扮演)、取り壊される実家・・・
淡々と撮ることで深みが出てきました。
そして、見どころは当然にしてボグシングのファイトシーン。
中盤までのファイトシーンは、出し惜しみというと失礼なのかもしれないが、短く、ファイトシーンを期待している観客を巧みにじらしてきます。
で、世界チャンプ(窪田正孝)との一戦は、ほとんど劇伴もなく、リアルなファイトが繰り広げられます。
いやぁ、これほど長いボクシングシーン、少なくとも日本映画にはなかったんじゃないかしらん。
映画紹介記事などを読むと、このファイトシーン、コレオグラフ(振付)なしのアドリブも多々あったとか。
これにはビックリ。
広岡が所属していたジムの会長役は久々の山口智子。
映画出演は岩井俊二監督『スワロウテイル』以来か。
あれは、20世紀の映画だぞ。
広岡へかつて抱いた恋心など微妙は演技もした上での貫禄、御見それいたしました。
なお、タイトルがいつ出るかも見どころです。
春に散ったのは何か
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