劇場公開日 2023年9月1日

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「母さん、よく分からないけど」こんにちは、母さん サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0母さん、よく分からないけど

2023年9月4日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

ああ、温かいなぁ。
山田洋次監督、90歳にして記念すべき90本目の作品。前作の「キネマの神様」は結構酷かったけど、今回は安定の山田洋次流ヒューマンドラマが見れました。「家族はつらいよ」のように大笑いできるような映画ではない(橋爪功いないし)けど、大泉洋と吉永小百合がなんとも言えないいい味を出していました。

それほど目新しいものは無いけど、2時間たっぷりと実家の匂いを堪能出来る。息子愛に溢れた母親の愛、それを気付かぬうちに受け継いでいた息子と孫娘。さすが親子だな。そう思えるシーンがいくつもあって、とっても心が朗らかになります。不器用さだって、母親譲りなんだから。山田組初参戦とはとても思えない、大泉洋の伸び伸びとした演技が、作品を面白おかしく彩っていました。まだまだ美しい、吉永小百合とはどっからどうみても親子としか見えず、最高のコンビネーションでした。

永野芽郁演じる孫娘・舞、大泉洋演じる明夫の妻の描写がかなり薄く、そこをもっと深堀してくれれば更に上質な家族ドラマになったと思うけど、何しろ永野芽郁も山田洋次の作風にぴったりでめちゃくちゃ良かった。なんかココ最近の出演映画でいちばん輝いていたし、可愛かった気がするのは何故だろう笑 山田洋次はやっぱり、役者の魅力を引き出すのが上手い。まだまだ現役で頑張って欲しいな。でも、無理はなさらないで。

この昭和な雰囲気がたまらなく居心地がいい。
高齢者の恋愛でも、どこか美しい。登場するキャラクターに無駄がないし、ヒューマンドラマとして完璧な出来。人事部長という設定も最大限生かされており、多少違和感はありながらも、家族3人ともなんだかんだで人がいいと見事に着地しているのが素晴らしい。色々あるけど、なるようになるさ。3人の涙、3人の笑顔。とても綺麗なまとめ方で、後味スッキリでした。明日から頑張ろう。

やっぱり、いい映画でした。
劇場は空席が10席もない状態で、おじいちゃんおばあちゃん大盛り上がり。一緒に笑って、すごく楽しかったです。だけど、もうちょっと静かにしようね。クレヨンしんちゃんの時の子どもたちよりもうるさいよ。あと、堂々とスマホで写真を撮っているおばあちゃんも。スタッフに報告しようと思っていたけど、せっかくいい映画で気分悪くなるのも嫌だったので、結局そのまま帰宅。でも、絶対にダメだからね!?吉永小百合が綺麗なのは分かるけど!

サプライズ