劇場公開日 2023年9月1日

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「ほのぼの系と思うとやや肩透かしを食らいそう。」こんにちは、母さん yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ほのぼの系と思うとやや肩透かしを食らいそう。

2023年9月2日
PCから投稿

今年292本目(合計942本目/今月(2023年9月度)2本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

 予告編ほかでは、映画のメインの筋であろうところの「母親のありがたさ」などが主軸のように思えますが、その話は5割くらいで(半分くらい)、残りは会社の人事がどうだの、憲法20条(ネタバレ回避のため条文番号のみで記載)といった無関係な話題に飛んでしまう点がどうかな…といったところです(しかもストーリーの主軸にはあまり関係してこない)。

 あったかほのぼの系か…と思うと、あちらこちら話題は飛んでしまうし、中には法律系資格持ちの立場では???な展開になってしまう部分もあるし、今週の映画の枠としては比較的安牌な枠にはなると思いますが(麻雀ではない…)、あったかほのぼの系「だけ」だと思って見に行くとやや肩透かしを食らう(関係のない話題が出てきて何を主軸にしたいかややぶれる)といった感じです。

 ただ、今週の中では本命対抗にはなるかな(競馬新聞ではないけれど)といったところです。後述(後で投稿)しますが、「アステロイド・シティ」が極端に変ちくりんな状態で、結果としてそうなっている、という特殊な事情もあります。

 ストーリーというストーリーが存在せず(一応ありますが、ほのぼの軸はストーリーがないし、他の部分に触れるとネタバレになってしまう)、なかなかに評価の難しいところです。

 採点に関しては下記を考慮したものです。
特に行政書士とはいえ法律系資格持ちとしては気になった点になります。

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 (減点0.3/あはき・マッサージ法に対する配慮が足りない)
 ※ 正式名称は「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」

 ・ 路上生活者の支援のパートで「マッサージはこちら」という部分がありますが、映画の中での描写およびエンディングロールにも記述はないですが、やや微妙な気がします。

 マッサージを業として行うには資格を必要とし(同1条)、これに違反すると行政罰もあります(13条の7)。「業として」は「反復継続して行う」ことを意味し、対価を取るか取らないかは論点ではありません。

 このことは、針きゅう、マッサージ等が、現在の令和5年度においても、視覚障碍者の方の福祉的政策としての独占業務として与えている(逆に健常者(ここでは、視覚に障害がない、という意味)では、専門学校の入学に制限があるなど、福祉的な制限がかかっています)事情からくるもので、一方で映画の描写内で正規のマッサージ師が来ている描写もないところがややまずいかな…というところです。

 ※ この点は、特にマッサージの場合、「はり・きゅう」と違い、無資格者であっても常識的な範囲で行う限り健康被害も生じないものの(よって、刑事罰の論点に発展しにくい)、一方でそれを無制限で放置すると、福祉的政策の趣旨を没却する、という論点です。

 (減点0.2/いわゆる「炊き出し」などについて)

 ・ これを取り締まる法律は、「食品衛生法」という行政法規ですが、このような「炊き出し」についても、一般的な都道府県・市の保健所からの「お願い」として、法の満たす範囲ではない「届け出を必要としなくても、連絡だけはしてください」ということになっています。これは「食中毒発生時の把握」のほか「有料無料に関する認識のトラブル防止」の2論点(特に前者のほうが大きい。何を出すかによっても異なる)によるところがあり、その都道府県・市(通常は、中核市以上。一部例外あり)の一般的な上記の関係は理解しうるので、この描写(届け出の描写)がないのは、やや問題であろうというところです。

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yukispica