「【”命は親から貰った宝物。そして起きた奇跡の邂逅。”娘を白血病で亡くし、家族、職の全てを失い、償いの為に骨髄移植のドナーになった男と、彼の行為により白血病を克服した少女との物語。】」いちばん逢いたいひと NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”命は親から貰った宝物。そして起きた奇跡の邂逅。”娘を白血病で亡くし、家族、職の全てを失い、償いの為に骨髄移植のドナーになった男と、彼の行為により白血病を克服した少女との物語。】
ー フライヤーより。
”10年ほど前、自身の娘が白血病になり、家族で乗り越えた経験を持つプロデューサーの堀ともこが、競泳の池江璃花子選手が白血病を乗り越え、東京オリンピックに出場したのを機に、「白血病と骨髄移植」、「ドナー登録」について理解を深めて欲しいと、少女が白血病になった二つの家族の物語が交差するドラマティックなエンターテインメント映画を企画。その想いに賛同したキャストが集結した。”-
■11歳の楓はある日、授業中に倒れ、急性骨髄性白血病と診断される。
楓にとって、抗癌剤治療や放射線治療は過酷だったが、隣のベッドで同じ病気と闘うイケメンの同年の男子、与志だけが唯一の心の支えだった。
同じ頃、IT企業を経営する柳井健吾は最愛の娘を白血病で亡くし、妻との関係は冷え込み、更に娘を助けるために会社の金を横領していた事が発覚し、獄に繋がれる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最初に敢えて記載するが、申し訳ないが今作の映画としてのクオリティはやや低い。特に前半の柳井健吾が娘を亡くした前後の描き方だろうか。
・だが、この映画が発信するテーマ性の尊さと、後半の柳井健吾の旧友の理髪店の男の善性溢れる姿や、成人した楓(倉野尾成美)が、自分に再び命を吹き込んでくれた”いちばん逢いたいひと”に会うために且つて柳井から送られて来た瀬戸内海の写真を基に、その場所を訪れるシーンでの”奇跡の邂逅”の際に、自死しようとしていた柳井に対し楓が言った”命は親から貰った宝物。何で、自分で死のうとするの!”という台詞は、刺さったなあ。
<ラスト、且つて自らが命を助けた楓の後ろ姿を、命を助けられた柳井がを見送るシーン。楓は柳井が自分のドナーであった事を知らずに去る。
柳井も自らその事を言わない。
だが、柳井は且つて言っていた”生きる意味を感じたい。”と言う思いを初めて感じたのではないかな、と思ったシーンであった。>