錚々たる作曲家、作詞家、歌手の中で、一番多く言及されていたのは作曲家のジョン・バリーだった。バリーによるボンド映画テーマ曲の最初の聞き手はマイケル・ケイン(テレンス・スタンプとの話に笑えた)とは!ギターと金管がガッツリ組んでるこのテーマ曲は、作品によって、ストーリーによって(例えばダニエル・クレイグ=ボンド第一作「カジノ・ロワイヤル」での使い方は凄い❗️)従来と異なる使い方で新キャラクター紹介や観客へのメッセージを担う。ダニエル最後の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」ではレクイエムとして最初の音に使われている(ハンス・ジマーによる)。ジョン・バリー(1933 - 2011;ボンド映画に25年関わった後、退いた。一つの仕事の括りとして25年間というのはいいと思う)はヨークシャー出身で、その地域の炭鉱のブラスバンドが彼の金管への愛の根底にあるのでは、とコメントされていた。フランス映画「ファンファーレ」でも北フランスのさびれた炭鉱町のブラスバンド楽団は欠かせない存在だった。
ボンド映画60年の歴史を音楽で振り返るこのドキュメンタリーは、ボンド映画が常に「現在」に軸足をおいていること、オーディションによって時代を反映した音楽ジャンルと歌詞とミュージシャンを選んでいる作業を続けていること、ボンド映画にとって音楽は最も重要な要素の一つであることを、音楽への愛と共に伝えてくれる。編集が素晴らしいので、映像・音楽・トーク、名シーンなど含めてゴージャスで充実したひとときを過ごせた。