「メインで描かれない感情や描写を読み取れる所が好み」ファイブ・デビルズ むしばさんの映画レビュー(感想・評価)
メインで描かれない感情や描写を読み取れる所が好み
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嗅覚が優れている少女が、匂いから過去へタイムリープするスリラー。
時をかける少女やオルファクトグラム等、嗅覚と記憶の話は好みなので鑑賞。
個人的に不倫(浮気)を愛の物語と言うことには抵抗があって、
手放さざるを得なかった恋の物語の方だなと。
親子愛も含めたら愛にはなるのだけど。
ホラーではなかったので人には勧めにくいが私は好きだった。
主人公のヴィッキーがかわいい。
閉鎖的なフランスの山村の話で、ナチュラルに差別意識を隠さないところは
すごく既視感…(田舎あるある)。いじめも辛い。
タコを叩きつけるところは悪魔、鍋でカラスの死体や尿を煮込むところと、
ツリーへの放火は魔女のメタファーかな?
ヴィッキーが原因なのだけど、悪意があったわけではなかった
(嫉妬や焦りはあったとは言え)、でもとんでもない結果になってしまう、
という流れが辛い。
意外性なく始終予定調和ではあるが、メインで描かれない感情や描写を
読み取れる所、説明しすぎない所が良い。
父親の状況や心情を考えるととても辛い。(描写はないが十分想像はできる)
ラストシーンの少女、てっきりヴィッキーの子供で因果応報されるのか…?
と思ったけど、他の人の考察を読んだら父親&ナディーヌの子供とあり、
因果応報感は弱いけれど、理屈ではしっくりくる。
これから先を予感させるラストがとても良い。
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