「タイムリープ映画ではなく「愛のかげり」映画」ファイブ・デビルズ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムリープ映画ではなく「愛のかげり」映画
ボニー・タイラーの「Total Eclipse Of The Heart(愛のかげり)」といえば80年代の隠れた名曲(全米No.1にもなったし隠れたでもないけど)。時折映画に使われてて、その度にいい曲だなーと思い直す。今回も上映前にこの曲が流れてて、どんな使われ方をするんだろうということが気になってしまった。
話は嗅覚の鋭い娘がある匂いをかいでタイムリープ(と言っても実体はない?ほとんどの人が見えない状態だし)で自分が生まれる前の母の行動を見ることになるというやつ。タイムリープや特殊能力系ではあるが、それよりも家族愛や愛する人との再会を描いた物語だった。
もう少し特殊能力の設定をちゃんとしてほしいとは思ったし、登場するキャラたちの関係性ももう少し説明がほしいところ。ジュリアと別れた後に夫とつきあうことになった流れも全くわからないとどう感情移入していいのか戸惑ってしまう。
でも「愛のかげり」よ。この使われ方がよかった。デュエットするシーンとか妙に切なくなってしまった。あの2人の気持ちもだけど、観ている夫の気持ちも切ない。この曲のおかげで評価が上がってしまう。
最後はハッピーエンドとはいかずに、別れを予感させる若干モヤモヤする終わり方。でも、悪くない。
(以下、ラストシーンについて記述があります。ご注意を。)
最後に出てきたあの子。他の人のレビューも読んだが2つ考えられるようだ。でも私はヴィッキーの娘説に一票。少女の姿だったことを考えると、ジュリアがタイムリープ?してきたヴィッキーを見て驚く意味がわからない(少女時代に見て兄の娘だと知っているから)。特殊能力の説明はおざなりのくせに、最後はあんな能力の遺伝的なシーンを入れてくる。いらなかったかもなとは思う。