西部戦線異状なしのレビュー・感想・評価
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旧作が偉大すぎる。
盗むべからず
映画ごときを見て反戦を気取る私の軟弱さ。
得る物なし
本能までも奪うのか戦争よ
主人公パウルは、ふたりの敵兵の死に遭遇する。
敵のフランス兵と味方の一番の仲良しのドイツ兵。
死を認めたくないがために死体を揺さぶり、彼らのポケットの中身を引っ張り出す。
家族の写真、身分証明書等々。
銃を持った兵士が、ひとりの人間として焙り出される。
戦争が終わったら故郷に帰って思う存分やりたいことがある。
そう言っていた人間が、一瞬の剣と弾で帰らぬ人となる。
パウロの悔し涙は、命のはかなさを深く刻む。
まばたきを1回したとたん、命が失われていく。
容赦ない冷徹な映像と無機質なロック。
パウルと友人がフランス人の農家に忍び込み鵞鳥を盗むシーン。
そのシーンには、底抜けの笑いと底抜けのペーソスが隣り合っている。
ただ飢えて、鵞鳥の肉を食べたかっただけなんだ。
パウルが最後まで肌身離さず持っていた女性のパンティ。
本能までも奪うのか戦争よ。
泥のなかを這いずり回る場面!!
むごすぎる
戦争に英雄なんていない
捨て駒
148分間の地獄
アカデミーノミネートはなぜ?
胸踊る新兵、塹壕戦など、何度も擦られた
第一次大戦のテッパンネタが満載。
今、リメイクするのはなぜなのかと、
ふと思う。
原作は1929年出版で本作公開(2022年)
から93年。
翌1930年映画公開から92年。
1979年のテレビ放映から43年。
今年は開戦から108年。
ちなみに終戦からは104年。
どれも中途半端。そんな中、
1つキリの良いヤツ見つけた。
「原作者のエーリヒは、生誕125年。」
はて?
ウクライナとロシアが背景にあった
としても、それでなぜに第一次世界大戦
なのか、イマイチ理解し難い。
ちなみに、1930年公開の前作は、
第3回アカデミー賞作品賞、監督賞受賞。
さて、第95回アカデミー賞国際長編映画賞
(ドイツ代表作)の行方は?
凄まじい作品
戦場の日常、究極の疑似体験。
史上最高の戦争映画と言っても過言ではない。
それくらい凄まじい作品だった。
安易に美化しないリアルなストーリー展開も含め高評価を付けざるを得ない。
プライベートライアン以降、映画における戦争描写はリアリティを増していったが、本作は一つの到達点と言って良いかもしれない。
数多ある戦争映画の中でも「理不尽さ」で言ったらずば抜けていると思うし、これが戦場の日常なのだろうと納得せざるを得なかった。
第一次世界大戦を舞台にした映画というと近年は「1917」などがあり、あちらはノーカット長回しの没入感を売りにしていた。
しかし個人的には本作の方がよほど没入感が高く、映像面でもドラマ面でも優れていたと確信している。1917はいわゆる「主人公補正」が強く、フィクショナルなストーリーだった。故にエンタメとして見るしかない。
しかし本作はそうではない。
祖国の為に戦地に赴いた4人の若者は、"偶然カメラに映った兵士"にすぎない。
どちらかといえばドキュメンタリーに近い。
彼らの"目"を通して我々は想像を絶する凄惨な戦場を目の当たりにする。
だから2時間28分という長尺ながら、一切の隙がなく油断ならない。いやそれどころか、一定の緊張感が最後の最後の最後まで持続する。
息つく間をも与えない。
エンタメ的に都合の良いストーリー展開などここにはない。目の前にあるのは理不尽な戦争だけだ。
この疑似体験を経た後、戦争にヒロイズムを感じる人間はまずいないだろう。
戦争が如何に愚かで酷く非合理的なものか、それを言葉ではなく映像で見せつける。分からせる。
いつの世も命を落とすのは未来を生きるべき若者だ。
そしてその命を踏み躙る愚かな決断をするのは年老いた時の権力者達だ。
このロジックがある限り、時代を経ても愚かな戦争は起こり続けるのだろう。そして新たな命は失われ、永遠に帰ってくることはないのだ。
アバンで描かれたとある兵士の死が、まさかあのエンディングに綺麗に繋がるとは。
戦争の本質を示唆した巧みな演出は本当に見事だった。
アカデミーノミネート作品、この機会にぜひ!
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