西部戦線異状なしのレビュー・感想・評価
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戦地に行って死ぬのは今も昔も君たち若者だ
第一次世界大戦のドイツとフラン軍が塹壕を掘って一進一退の消耗戦を続け、両軍ともにただ負傷者と戦死者の山を築いただけの空しい戦いを描く。 映画の中の若者は血気盛んに戦場に飛び込むが、そこで目にするものはただ死者の姿だけだ。そして、自らも血を流して死んでゆくのだ。 老人は死をイメージしやすい。なぜなら、死はもう隣にあると認識しているから。若者は普段死を意識することはないだろう。戦場は死と隣り合わせ、恐怖におののきながら初めて生命の尊さを知ることになる。 100年前であろうと現在であろうと、戦争の現実は若者が死ぬことだ。近隣国との摩擦が高まれば、それに応じてナショナリズムも高まる。その中にあって、若者こそ冷静に対応するべきだろう。
旧作が偉大すぎる。
1930年のアカデミー作品賞というマスターピースがあるものの、アメリカ映画ではなくドイツ映画として製作するということに意味があるだそうだ。独仏の戦場だから当然なのだろう。しかし旧作の映画史に残るあまりに有名なクライマックスがあるため、相当なるプレッシャーだったと想像できる。しかしこんな企画が通るというのも、Netflixならではだろう。
盗むべからず
ナタのようなものを振り下ろして撲殺する、格闘で刃物を相手を文字通り滅多刺しする主人公。戦争映画ではあまり見ない、まるでバイオレンスサスペンスのようであるが、人を殺める行為に変わりなく生臭くリアルである。軍人としてそれでも練度を積んでいく主人公、しかしながらマシーンになれぬ人の姿をよく表す。 将軍や上級役人が出てくるが、政治的側面としての戦争を論じるには至らない内容。生活格差表現は情緒に過ぎる。荒らされた農家には同情しか覚えないところ。戦地にのみシンパシーが寄りすぎてて、それ以外が切り捨てていないか。終盤のカットのくだりから、高地戦を思わせるような展開は蛇足感が強い。
映画ごときを見て反戦を気取る私の軟弱さ。
教科書的凡作プライベトラ〜からスターの恩着せがましい汚れ熱演とヒロイックで献身な感動誘導を抜ききる試みで、厭戦純度を極限まで高める試みに成功。 だが見て決意したはずの反戦も一晩寝ると忘れる。 映画ごときを見て反戦を気取る私の軟弱を気付かせた功績を評す。 支持。
得る物なし
戦争には何もない。 夢も理想もなく、得るものは何もない。 ただただ失って行くだけ。 時間も希望も友も全て失って行く。 戦争の恐ろしさを永遠に見せる凄まじい映画だった。 音楽が恐怖心を煽り、 カメラワークが臨場感と没入感を高める。 その時の空気感から戦争に行かなきゃダメでしょ? 友だちも行ってるし!みたうな軽いノリと 若い時の無敵感は一瞬にして消え去り、 どこから銃弾が飛んでくるか分からない中、 銃弾に向かって走って行く。 こんな事が本当にあったのか?と ただただ恐ろしくなり、 見てるだけで足がすくんだ。 恐ろしい映画ではあったが、 見終わって一息つくと、このダラダラした日常を 幸せと感じることが出来た。
凄惨な戦場にて
第77回英国アカデミー賞作品賞受賞作。
Netflixで鑑賞(Netflixオリジナル映画・吹替)
原作は未読、1930年版は鑑賞済みです。
ドイツ文学である原作が、ドイツ語で改めて映画化されたことに意義を感じました。初めてドイツ映画を観ましたが(ネットフリックスの資金力のお陰かは分からないけれど)、ハリウッド映画と遜色無い迫力と迫真の演出に心奪われました。
愛国教育によって自ら兵士に志願した若者たちが戦場の過酷な現実を知り、心も体も蝕まれていく…。旧作でも描かれていた要素はそのままに、原作にも旧作にも無い停戦協定のシーンが挿入されたことで、戦場の兵士と戦場から遠く離れた場所にいるお偉いさんとの待遇の違いが明確に描写されていて、戦場の過酷さがより際立つ構成になっているのが巧みでした。
旧作でも印象的だった、砲弾穴で鉢合わせして刺し殺した敵兵もまた人間であったと主人公が衝撃を受けるシーンは、より生々しくなっていて、胸が痛みました。
さらに驚いたのは、結末が大きく変わっていたこと。旧作のラストシーンも悲劇的でしたが、変更したことで一層戦争の悲惨さが浮き彫りになった様に感じました。
戦争が齎す悲劇を冷徹に描き、反戦のメッセージを突きつける本作は、戦争が起きている今こそ観るべき作品でした。
本能までも奪うのか戦争よ
主人公パウルは、ふたりの敵兵の死に遭遇する。 敵のフランス兵と味方の一番の仲良しのドイツ兵。 死を認めたくないがために死体を揺さぶり、彼らのポケットの中身を引っ張り出す。 家族の写真、身分証明書等々。 銃を持った兵士が、ひとりの人間として焙り出される。 戦争が終わったら故郷に帰って思う存分やりたいことがある。 そう言っていた人間が、一瞬の剣と弾で帰らぬ人となる。 パウロの悔し涙は、命のはかなさを深く刻む。 まばたきを1回したとたん、命が失われていく。 容赦ない冷徹な映像と無機質なロック。 パウルと友人がフランス人の農家に忍び込み鵞鳥を盗むシーン。 そのシーンには、底抜けの笑いと底抜けのペーソスが隣り合っている。 ただ飢えて、鵞鳥の肉を食べたかっただけなんだ。 パウルが最後まで肌身離さず持っていた女性のパンティ。 本能までも奪うのか戦争よ。
泥のなかを這いずり回る場面!!
炎に焼かれて人間の体がうごめく姿 銃弾に倒れ、失血して息を引き取る姿 戦争の残酷さ、悲惨さが描かれていました。 眼を開いたまま、動かなくなる人間の短い生涯 閉じた瞳から先ほどまで会話していた人間の物悲しさが表現されていました。 極寒の地で白い息を吐きながら食を取っていました。仲間の死を見て涙しながら それでも戦い抜いていく戦争の過酷さがリアルでした。
むごすぎる
テイストとしては「プライベート・ライアン」と「1917命をかけた伝令」に違いかな。 どんな戦況でも、お腹が空いてしまう若い兵士。相手兵士へのリスペクトなど、配信映画とは思えない出来栄え。音楽がハンス・ジマーっぽいかなと思ったら違った。
すごかった
戦場の過酷さが容赦なくえぐい。しかしもっと興奮してもよさそうなものなのに、夜中子どもを寝かせて小さいボリュームで見ていたせいかあまり興奮しない。自分が青年でもなく、つらい思いをしているのがうちの子よりずっと大きいからか、感情移入ができなかったせいか。
ずっと生き残っていたのに、農家の子どもにお腹を刺されて死ぬのはつらい。機関銃を乱射している戦線に突っ込んで行っても弾が当たる人と当たらない人がいる。ガチャとしか言いようがない。戦争なんてうっかり志願するものじゃないとつくづく思う。ウクライナにも行かない方がいい。
語るべき真実がある、しかし口を閉ざすのだ
原題
Im Westen nichts Neues
感想
エーリヒ・マリア・レマルクによる1929年の同名小説を原作としたエピック・反戦映画。
ものすごく重たい作品でした、観終わって胸を締め付けられる思いです。
ただ壮大なスケール、圧巻の映像美には脱帽しました。
さすがアカデミー賞に色々とノミネートされた理由がわかります。
停戦まで残り15分で突撃って…。
最後のフリードリヒ将軍の突撃命令はイラっとしましたね、自分は現地で戦わないくせに。そして背いたら殺すってどうしようもないです。兵士からすると停戦で終わると思っていたのにですね…
塹壕戦はしたくないです
友人のドックタグは取りたくないです
新兵の仕事はドックタグ集め
僅か数百メートルの陣地を得るため300万人以上の兵士が死亡
第一次世界大戦では約1700万人が命を落とした
※西部戦線異常なし
戦争に英雄なんていない
ひたすらに戦場での恐怖、上層部の身勝手な指示による理不尽さ、人が一瞬で死ぬ呆気なさと虚しさが押し寄せてくる。 戦争の英雄なんているのか??そう思った。 第一次世界大戦はイギリス、フランス側視点の作品が多いが、ドイツ側でも同じ。希望を持った若者たちが悲惨な現実に絶望し、人間性を失っていく。 その凄惨な現場と美しい映像の対照性が印象に残る。 各キャラの内面をあまり描かず淡々と進んでいくので、感情移入はしづらいが、死への呆気なさは強調されていたので良かった。
捨て駒
2023年2月24日 映画 #西部戦線異状なし (2022年)鑑賞 第一次世界大戦を敗戦国のドイツの若い兵士の視点から見た作品 末端の兵士は単なる戦う機械としか思われていない感が満載 人間味を失う一瞬が怖いと思いました
148分間の地獄
最初から最後まで目を逸らしたくなる戦場が続き、物凄い緊張感と圧迫感で、観賞後の疲労がすごい…。 一般市民が文字通り使い捨ての兵士として前線に立たされる日々は地獄でしかなく、今その瞬間まで話していた友の命が一瞬で消えてしまう。終わりも見えない。 戦争がもたらす苦しみ、やるせなさが容赦なく描かれ、ガツンと来ました…。
『西部戦線1918』については、レビューを書いたのは、長らく僕一人
『男に権力を与えれば、野獣になる』が
『人に力を与えれば、獣になる』
となっていた。かなり意味が違うと思う。この映画の主旨は『男に‥』だと思う。
さて『西部戦線異状なし』系の映画は3種類見たが、この映画は『西部戦線一九一八年』からの着想が多かったと感じた。勿論、元祖からの着想も多数あった。従って、オリジナリティとしての緊張感が全く無い。
90年前の映画のリメイクを見る価値があるのかと感じる位のレベル。だから、本家を見てからのレビューを見る方々には望む。『西部戦線1918』については、レビューを書いたのは、長らく僕一人と言うのが情けなくなる。
また、あれから、100年以上経って、全く同じ事を、地を変えてやっていて、その国に武器を供与しようとドイツはしている。原発に誤って誤弾が、無いことを祈っている。
第一次世界大戦で、数メートルの領地獲得で1700万人死んでいると、反戦を訴えているが、噛み砕いて解釈すると、だから、第二次世界大戦では、ナチスドイツは領土拡大をして、ロシア人を殺戮したのだ。と言っている様に聞こえる。それは事実だが、そのドイツが武器供与するのは、歴史を学習していない証拠だし、こう言った映画は作れないと思う。アメリカに負けた言い訳をしている様に見える。
そもそも、第一次世界大戦と第二次世界大戦は全く違う戦争だと考えるべきだ。ソレは、第二次世界大戦の争いは侵略戦争が主体だと言う事だ。
そして、今の戦争もそれと全く同じ。だから、この映画を見て、反戦を訴えられても、感動一つしない。
追記
そもそも、この映画のストーリーは破綻している。気が付くと思うが、僕は最初気づかなかった。でも、見終わって、許せなくなった。この映画は戦争映画ではない。ファンタジー映画になると思う。
追記2 原作がそうなんだ。原作読んでいないから、驚いた。原作読んで見ようと思うが、この映画の評価は変わらず、
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