タバコは咳の原因になるのレビュー・感想・評価
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【福田雄一監督の「女子ーズ」もビックリの、フランス版シュール過ぎる”タバコ戦隊”ナンセンスコメディ。】
ー フランスのおバカ映画と言えば、フィリップ・ラショー監督の一連作があるが、カンタン・デュピュー監督を忘れていたよ。
映画館で「地下室のヘンな穴」を見て、オカシナ作品だなあ、と思った事を想い出したよ。だーが、この作品はそれを上回る脱力系のシュール過ぎる戦隊ナンセンスコメディだったのである。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭、アクタースーツを着た、アンモニア、メタノール、ベンゼン、ニコチン、水銀を名乗る(この時点で相当におバカ)男女5人の”タバコ戦隊”が、真面目にビニールでできた着ぐるみ怪人と、お決まりの採石場で戦っている。
そして、5人の手から出したタバコの様なチョロットした煙で、怪人を破壊するのである。
・だーが、変なネズミみたいなヌイグルミのボスは涎をダラダラ流して、”チームワークが足りない。”と言って5人に結束力を高めるために、合宿するように命じるのである。
・そして、5人は池の近くの変な銀色の丸い建物に入るのである。そこには、冷蔵庫の中にオバサンがいて商品を売っていたりするのだが、夫々が怪談話を始めるのである。
■その怪談話の中で気にいった作品。
若い男が、裁断機に挟まれてオバサンがそれを元に戻そうとするのだが、順送りのボタンを押してしまい、男はグチャグチャになってしまうのだが、口だけは残りペラペラしゃべって、オバサンがそのグチャグチャをバケツに入れて、男の母親に持って行く時に吸っているタバコを口に咥えさせたら、タバコに慣れてない男が吐いてしまうという、モー、訳の分からない話でアール。
<地球制服を謀る宇宙人家族も、相当に変で、夫婦と息子で食事をしているのだが、夫は変な色のスープを飲むと絶命し、妻と息子は喜ぶというお話でアール。
今作は、ホント、カンタン・デュピュー監督の頭の中はどうなっているのか!と思ってしまう、福田雄一監督の「女子ーズ」もビックリの、フランス版シュール過ぎる戦隊ナンセンスコメディなのであーる。>
そりゃそやろ?なタイトルからオチまで何もかもデタラメなバカフレンチ戦隊ヒーロー映画
主人公はベンゼン、メタノール、ニコチン、水銀、アンモニアの5人からなる戦隊ヒーロー、タバコ戦隊。5人の力を結集して亀怪人を倒すが、ディディエ隊長からチームワークに難ありと指摘され、早速秘密基地に篭ってチームワーク強化合宿を始めるが・・・という大脳のどこから湧いてきたネタなのか見当がつかないキテレツな話。
監督は珍作との噂が高い『地下室のヘンな穴』のカンタン・デュピュー。まず戦隊モノなのでちゃんと郊外の採石場みたいなところで怪人と戦うわけですけど、亀怪人の倒し方がメチャクチャグロテスクでドン引き。その後もうっかりミンチ製造機に足を突っ込んだお兄さんが大変なことになったり秘密基地の冷蔵庫を開けるとパートのおばちゃんがいたりワケの解らないカットが山ほど出てきて、一体何を観せられてるのか途方に暮れます。それでいて配役は豪華で、リーダーのベンゼンを演じているのが『友よ、さらばと言おう』や『この愛のために撃て』等のフレンチノワールで渋い名演を披露していたベテラン、ジル・ルルーシュ。メタノールを演じているのが『今宵、212号室で』や『デリート・ヒストリー』に出ている甘いマスクのイケメン、ヴァンサン・ラコスト。そんなちゃんとしたキャリアの俳優がユルユルの世界観の中でダラダラしているのを眺めているとだんだんこちらも感覚が麻痺してきて、ディディエ隊長がずっと緑色のヨダレを垂らしている謎の生物なのにやたらと女性にモテたりするとかの何の意味があんねん?みたいな設定にもヘラヘラしてしまいます。だいたいタバコ戦隊のくせに全員嫌煙家ですと宣言したりとかもうデタラメもええとこ。ただ、このダラダラした感じって実は昭和のバラエティにあったノリと同じで、ドリフだったり小松政夫だったり伊東四朗だったりが毎日のようにテレビでやっていたやつ。実はフレンチと昭和のお笑いって地続きなんじゃないかと妙なところに感心したりします。そんな作品なのでオチもデタラメですが満足度は高めです。
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