アイアム・ア・コメディアン

劇場公開日:

アイアム・ア・コメディアン

解説

政治的な発言をきっかけにネットで炎上し、テレビから消えたお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔の3年間を追ったドキュメンタリー。

ネットや演芸番組での政治的な発言などから「嫌われ芸人」「炎上芸人」などと揶揄され、テレビでその姿を見ることがなくなったウーマンラッシュアワーの村本大輔。テレビに自身の居場所を失った彼は、活動の中心を劇場やライブに移し、自身の求める笑いである「スタンダップコメディ」を追求する。日本全国をまわって年間約600ステージをこなし、スタンダップコメディの本場であるアメリカ・ニューヨークでの武者修行にも挑む村本。毎晩コメディクラブに立ってネタを磨く姿やさまざまな人との出会い、パンデミック禍の苦悩、家族との関係など、マスコミの最前線からは姿を消しながらも、人生を真摯にコメディに捧げ続ける芸人・村本大輔の3年間をカメラが追っていく。

監督は、日本で生きるクルド人の青年を取材した「東京クルド」で知られる日向史有。

2022年製作/108分/G/日本・韓国合作
配給:SPACE SHOWER FILMS
劇場公開日:2024年7月6日

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(C)2022 DOCUMENTARY JAPAN INC.

映画レビュー

5.0観ろ。

2024年9月28日
iPhoneアプリから投稿

数年前から村本のファンで、たびたびSNSで炎上したり
テレビに出ると批判が続出する中でなぜ自分は
村本に惹かれるのか、今回のこのドキュメントをみて改めて言語化してみることにする。

村本の放つ言葉にはテレビ業界や、テレビの向こうの観客への媚びがない。
だからこそ、他の芸人のようにその場で爆笑をさらって後には何も残らない笑いと違って
心の中に一片のモヤモヤを残す
そのモヤモヤを不快に感じて排除しようとする人は村本を嫌いになるのだろうが、そのモヤモヤに嫌でも向き合う人はそのモヤモヤを半笑いで投げかけてくる村本という人間を無視する事はできなくなるのだ。

稚拙な英語でスタンダップコメディに挑戦する姿も、中卒でありながら首相や政治家にNOを叩きつける姿も
笑い飛ばす人は多いのだろうがそんな事をできる人が他にいるかと聞かれたら思いつかない。

人は自分が幸せな時に悲しい話しを長く聞くのは苦痛である。
村本は悲劇の中の喜劇を拾いだし多くの人にその声を届ける。観客は笑って、泣く。

この映画では多くの問題を提唱しながらも『コメディアン』として生きる村本の背中を真っ直ぐに映し出す。
ナレーションも、撮影者とのやりとりもほとんどなく
静かにその姿を追う。

世間から嫌われ、疎まれる男の純粋で熱い熱量に
観客は虜になるに違いない。

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猫柴

5.0「貪欲に学ぶ」ってこういうことかと

2024年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

僕は何度も唸りながらこの映画を見ました。米国で挑戦することを決めた村本さんのもう本当に貪欲なその姿勢は心を打たれるというか、その感心自体が諸刃の剣というか、切っ先がキラリとこちらにも向かってくるような気がしました。俺は戦ってるぞ、お前はどうだ?みたいな。僕はこの映画、かなりシビれましたよ!

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Kaz

4.5面白かったんですが

2024年9月4日
Androidアプリから投稿

飲酒のシーンが多く、アルコール依存症なのでは?と心配になりました。

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通行人

4.5はみ出して生きる美学

2024年9月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

確かに村本大輔をテレビで見なくなって久しい。だがそれは彼自身が望んでいたことだと思っていた。

「テレビに出ている彼らはコメディアンではない。タレントだ」と言っていたが全くもってその通り。

村本大輔のネタはテレビ向きではない。笑いに政治を絡めようが絡めまいが、笑いの琴線は人それぞれなので、向かない人は文句も言いたくなるだろう。ただコメディアンという職業にこれだけ純粋に真剣に向き合っている芸人はなかなかいない。テレビ受けしたくて日々努力しているお笑いタレント。テレビにそっぽ向かれても、自分の信じた道を進もうとする芸人。どちらがいい悪いという話ではない。

不器用でもまっすぐな生き方をしていたからといって、いつか報われるとは限らない。「不器用で」「まっすぐで」そんな生き方しか出来ない。だから周りに合わせることができない。故に周囲からは「はみ出して」生きているように見えるだけで、彼、村本大輔は至極真っ当に自分のやりたいことをやっているだけなのだろう。

辿々しい英語でジョークを並べ、全く無反応なときどんな気分だっただろう。

辿々しい英語で必死に想いを語り伝え、客席から笑いが起きたときどんな気分だっただろう。

日本語の独演会でも、早口ではあるが決して流暢とは言えない語り口。時には言葉に詰まり滑舌も悪く、時には聞き取りづらく「えー」とか「あー」でごまかしたり。客席は次の言葉を待ち固唾を飲んで見守っているほんの一瞬の間があったり。とにかく見ていてヒヤヒヤしてしまう。

だけど、そんな彼の一生懸命な姿は、応援したくなる。背中を押したくなる。黙って見守りたくなる。思いっきり抱きしめたくなる。

自分の好きなことを自分で決めて自分で進んでいく生き方を「はみ出した生き方」なんて言ってはいけない。

誰かが言っていた。
「みんな村本大輔になればいい」 と。

本作鑑賞後、なぜか目頭が熱くなっていた。鼻を啜っていた。

なんだかとても幸せな気分になった。

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shin