シターラ　夢を抱け、少女たち

　台詞なしのアニメ。ある国の話。

ーーー　国民絶滅計画　ーーー
　ある国民に「夢を持て　社会で活躍するべきだ　結婚したら損だ　子どもができたら大変だ　子育てで自分の人生が台無しになる」と、女性に　社会の歯車になるよう、奴隷のように働くよう　教育すれば、その国民の出生率及び人数が減る。他の人口が多い国にとっては都合がよい。人が減って余った領地を使えるわけだから。

　若い女性が　沢山　子どもを産み育てるのが最善である。今作に登場する国の政策が悪いと決めつけるのは、早合点なのだ。

パキスタン・アメリカ合作のアニメーション作品。

「毎年、世界中で1200万人の少女の夢が児童婚により断たれます」

貧困などの理由で、少女が年上の男性に嫁ぐという児童婚が行われているパキスタンの実情。
明るいタッチのアニメーションとは裏腹に、非情な現実を描いている作品。

アニメーションの技術は、人物の動きがややぎこちないのが勿体無かったが、
台詞無しのサイレント作品で、ふとした時に見せる悲しそうな表情で物語っている。

紙飛行機を作って遊び事が好きな姉妹の幸せな日常が、ある日、突然奪われてしまう。

ラスト、行ってしまった姉に向けて飛ばした、大空を舞う紙飛行機のように、
彼女たちにも自由と平等が訪れてほしい。

主人公の部屋に飾ってあった写真(ポスター)はアメリア・エアハートの写真。
現実が3Dアニメを引き立たせる。

娘たちの現実は、こう言った発展途上国でなくとも酷い現実があると僕は思う。こんな国でなくとも、日本であっても現状は厳しいと思う。勿論、児童婚が良い訳では無いが、自由と民主主義の国が、こう言った貧国を作り出しているとも考えられる。