フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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すべての出来事には意味がある。
毎度の遅がけレビューにてストーリーは割愛。
ミシェルウィリアムズとポールダノの好演がとにかく素晴らしく、どの場面も終始魅了されました。
特に母ミッツィの弾く美しいピアノの音色(グランドピアノは勿論スタインウェイ&サンズ)と、至る所で使われる光と影の対比の演出がジョンウィリアムズ御大の音楽と相まって印象的でした。
葉巻を燻らす矍鑠なジョンフォード監督の言葉も素敵!
(こちらのキャストは後で知ったらまさかのお方)
そこからのウィットに富んだこれぞスピルバーグ節と言わんばかりのラストカットに思わずニヤリ。
『バビロン』や『ワンス・アポン・ア・タイム・インハリウッド』を観た時と同じく、この時間がまだ終わらないで欲しいぐらい多幸感に溢れた約2時間半でした。
ややわかりにくい点、「点滅に関するシーン」の配慮不足はあるけど…(後者要注意)
今年71本目(合計723本目/今月(2023年3月度)6本目)。
※ 投稿順番がぐちゃぐちゃになって申し訳ないです。入れ替わりにドラえもんを見ているのですが、ドラえもんにレビュー要素はないと思うので飛ばします。個人的には水瀬いのりさんのファンクラブに入っているので、ハンナさんが良かったです。
さて、こちらの映画です。
「映画の中で映画を作る」ストーリーで、ここ最近でいうと多くの方が比較対象にされている「エンドロールのつづき」にどうしても似たような部分はあります。ただそれは、映画のメカニズム(技術)等がどうしても同じであり、映画を作ろうと思った子供等がいろいろ工夫して成功して…という「大きな筋」において、映画タイトル名や有名監督かどうか等は違っても、「結局、そのストーリーの筋で描く限りあまり変わりようがないし変えようがない」という部分に尽きる部分はあります(よって換言すれば、本監督さんが好き、という方には積極的に推せる)。
一方、この映画、「公式には」アナウンスがありませんが、序盤から主人公は成功を収めるため、いろいろな取材を受けるシーンがあり、したがって写真を撮られるシーンが「結構」多いです。一応警告(注意書き)はない扱いですが、「ちょっと厳しいかな…」というところです(ただし、明確に注意書きがあるものと比べると、やや落ちる。この手の「ちかちかするシーンには注意しましょう」は、個人差はもとより、体力の消耗差も出てくる?)。
確かに既存作品(特に1月の「エンドロールのつづき」)に比べると「やや似ているし、その長いバージョンかなぁ…」という部分はあるものの、明確に違う点もあるし、こういう知的な映画を見るのも良いな、と思います。
また、「エンドロールのつづき」と違い、序盤から工学・物理の話を結構してきますので注意です。映画を見るとわかる通り、この時代のアメリカはコンピュータの黎明期のころで、今(2022~2023年)ではおよそ見ることがないような単語がどんどん出てきます(中には日本では「死語」と言えるものもある)。この点は配慮が何もない一方で、「コンピューターを発明する映画でもない」ので、わからないなら飛ばすのも一つの手です。
減点までは「ややフラッシュシーンに対する配慮が足りない?」点は思えましたが、どなたも書かれていないということは私の体力がたまたまよくなかったという可能性もありますし、「一個人の意見」としては書いておきますが、減点なしにしています。
芸は身を助ける
先だって劇場で予告編を観た時、有名とはいえ映画監督の人生映画なんてとは思ったが、評価が高かったので観る事にした。
それにしても親子3人で観る人生初めての映画が殺人もある様な列車の脱線事故映画かなとあきれた。その衝撃映像が影響して家で鉄道模型を買ってもらうが、普通は鉄っちゃんの方へ行くのにママがカメラを与えたもんだから映像へ行くんだね。
ミシェルウィリアムズ扮するサミーはユダヤ系と言う事で差別を受けたりするんだけど、カリフォルニアへ行ってからちょっと展開が変わったね。
途中意味の分からない所が二カ所ほどあって、ママの情緒不安定さがさっぱり理解に苦しむが、良い家族とは言えないし、まあ結局芸は身を助けると言う事なのかな。成功者なんだからまあこんな生い立ちだったよと言う内容だったね。
期待してたのとちょっと違った
印象的だったのは、家族、学校関係のゴタゴタでつらいシーンの合間合間に、あ!スピルバーグだ!っていうカメラワーク?とか表現のシーンが入ってくるところにワクワクした。
この言葉・考え方を覚えておきたいなっていうセリフもいくつもあった。
仕事でストレスが溜まっていてどうしようもない時に映画館に行ったので、観ながらスピルバーグ監督に文芸作品よりもエンターテイメントって感じの映像を求めてしまっていたので、もっと違うコンディションの時にもう一度観たい。
現実は映画とは違う、という考えをスピルバーグが人生の中で何度も直面しながらも映画を撮り続けてきたのかなと思うと考えさせられた。
親子って何だろうっていうのも、考えさせられた。
余裕ができた時にもう一度観たい、でも、もう一度観るにはけっこう気合いがいる作品…。
字幕戸田奈津子っていうのが嬉しかった。
苦痛と憎愛と地平線
初期の作品を除くと、思いの外相性の悪い監督。そんな監督の自伝…なんて思ってたいたのだけれども、流石でございました。これまで描くことの出来なかった過去と、当時口に出来なかった思いが溢れていて、所々感電死しそうになってました。
この映画の素晴らしい所は「夢を語っていない」所。呼吸困難になりながら生き延びていた主人公が何かを掴むまでの物語。掴んだのかすらも曖昧だし。そこら辺がやっぱり上手いんでしょうね。個人的には終わり方が最高でした。
呪いの様な日々に身を焦がす人へのエールな作品でございます。お試しあれ。
スピルバーグ家の物語
スピルバーグが成功するまでのサクセス・ストーリーだと思っていました。
ファースト・カットのお母さんがメインだったんですね!
やはり、メロドラマは苦手なようです。良いシーンは有りますが、全体的に良くないです。
最後のこの人にこの役を演じさせたスピルバーグ、汚いなー‼️
スピルバーグの作品を観るのに参考になるがスピルバーグマジックのネタバレに落胆するかも
映画作りの危険と怖さ、喜びに楽しさをひしひしと感じると共に、
彼の作品群のモチーフに歓喜驚嘆する画面作りに傾倒する根源を観れて良かった。
そして、常に民族問題に対する刷り込みがなされているが顕となって彼にはそれが唯一の社会問題なのであろう。
巨匠スティーブン・スピルバーグが、
映画監督になるという夢をかなえた自身の原体験を映画にした自伝的作品だ。
作中に原体験の逸話が幾つか投映される。
どの場面がどの作品だっか、幾つ発見したか?
そんなことを思いながら既にいつの間にか、
スピルバーグに侵されてしまっていことを思い知った。
*:..゙((ε(*´・ω・)っ†*゚¨゚゚・*:..☆
巨匠監督誕生までの前日譚!! スピルバーグ監督の少年期の葛藤と,モラリストたろうとした両親の苦悩をフィルムが淡々と捉えた青春愛憎映画
巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画監督として頭角を現す前の、少年期における人間形成の過程を描くドラマ映画であり、少年期の彼の投影であるサミー・フェイブルマンの成長が主軸ではあるのですが、主演はミシェル・ウィリアムズ演じるサミーの母リアであり、彼女が夫とともに"良き親・良き配偶者"であろうと努めつつもままならない現実に傷付き悩む等身大の大人たちの物語でもあります。
また、幼年の折に映画の魅力に取りつかれてのめり込む豊かな好奇心の発露と成功体験、両親との相克や同年代の少年からの被差別によるコンプレックスと衝突、そして淡い恋…等々、実に瑞々しいジュブナイル的青春映画としても胸を打つ一本でした。
ホームドラマとして、そして青春映画として非常に楽しめたのですが、スピルバーグ監督は大衆を楽しませるエンターテイナーとしての側面がかなり強いということが本作であらためてよく解りました。
つまりは、己の存在理由を掛けて、世の中への挑戦状のように自身の内奥のマグマを叩き付けるような内省的な作家とは対極に位置するであろう、ということです。
職業選択に際しても、母の後押しで父からも映画業界に進むことを全面的に支持されており、その点、両親や周囲の反対を押し切って己の信じる道に飛び込む類の人生形成を経た人のギラつきのようなものは感じられません。
もちろんそれが悪いということではなく、それがゆえに広範な人々が享受出来る娯楽のチャンネルを掴みえたということでしょうが、そうした創作活動の源泉を垣間見られたという意味でも意義深い作品でした。
映画は紛れもなく芸術である!
現在76歳になったスピルバーグの人生も、いかに完璧な軌跡を描いていたかを知る貴重な名作だと思います。初めて大スクリーンで観た列車などの衝突シーンから彼の映画人生はスタートします。おそらくこの映画を観た時のショックは、彼の精神の小宇宙の激震だったのでしょうか。それが、彼の使命を覚醒させ、映画人生の爆進が始まったと思うと感無量です。育った環境は、比較的裕福で、芸術家肌でピアニストの母、ITの秀才である父、賑やかな3人の姉妹に囲まれ、ほとんど好きなことを阻害されることもなく順調に天才性を育みました。もちろん人生には幸福に見えるものばかりが存在することはありません。半分恵まれていれば、残りの半分は不幸に見えることが訪れます。そのリアルさを存分に作品の中で描き切っていて見事だと思います。ユダヤ人であるがための差別、宗教の問題にも触れています。途中まで家族はまるで絵に描いたような仲の良さで協調的なやり取りがありますが、後半は母親の不倫?によって家族は崩壊します。それでも、その経験は今のスピルバーグにとっては、映画を創作する幸せの因になっていると確信しているのでしょう。人生は、さまざまなことが起こりますが、全てが最終的には、幸せと愛に満ちていると言えるのかもしれません。セリフの中で「出来事は全て意味がある」という言霊がありましたが、その意味は全て愛なのでしょう。いずれにしても、こんな名作に触れられた至福の時に感謝します。
追記 少年から青年になる時代に、観る人を楽しませる映画ストーリーの仕掛け作りに精を出していたものが、後年、世界的ヒットを成し遂げた「ジョーズ」(サメ)に見事に生きているかと思うと、天才の人生シナリオはやはり完璧なのでしょう!
私に語学力があったなら
字幕に頼らずその場所に入り込めたのなら、きっとこの映画はもっと素晴らしかったんだと思う。
事実半分、創作半分と受け止めておくけれど、でもやっぱり天才の歩む道ってのは波瀾万丈なんだなぁ。
私には非現実的な出来事、これまで私が出会ったことのないような人々、そして好奇心が『スピルバーグ』を作り上げたのね。
遊び心もあっておもしろかった。
何より役者の方々が素晴らしかった。音楽も然り。
巨匠も最初は、しくじり少年
こんな方におすすめ。
●自主映画を撮ったことがある。
●できない壁に、ぶち当たったことがある。
●50〜60年代の外国映画を見たことがある、または好き。
●譲れない夢があった、またはある。
正直個人的には、地味な印象だけど。
ちらっと監督作品を連想するシーンもあり。
1人の映画人が、どうその芽を伸ばしていったか。
家族との関係、時に母親の描写が印象的でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「映画は決して覚めない夢」
イジメ迫害が!
スピルバーグの少年期から青年期の色々な葛藤が事実に沿ってよく描かれて居る。
芸術家の母と技術家の父とのすれ違い。
価値観の違う夫婦はどこでも有る対立。
宗教差別による葛藤も人種差別も、色々な対立が存在する人間社会。
この様な家族・社会の対立が、スピルバーグの作品の原点が有るのかと思うと映画作品にこの様な表現が少ないのは納得される。
人間の存在の矛盾をつくづく感じる。
これでイイのだと思える作品
スピルバーグの自伝的映画が、アカデミー作品賞候補に挙がった!?
その興味だけで観にいきました。
有名映画評論家(町山氏)が
ずいぶんと前にスピルバーグの青春時代のことを
「映画オタクで、いじめられっ子の陰キャだった」と語っていましたが
その触れ込み通りに描かれていました
(本人が描いたのがスゴイ!)
本編は展開力が素晴らしく
母親のキャラ付けも面白く
編集も、映像、音楽も付けるクレームは見当たりません
映画のお手本というべき作りでした
なんで作品賞候補になったのか分かりません
普通に面白いけど
テレビ東京のお昼の枠で見るような映画かな
とも思いました。
他の監督のクレジットだったら、ここまで評価されなかったかも
最後にデビッド・リンチを連れてきたのは
スピルバーグ流エッジの効いた演出でしたね。
自伝的であり家族を描きエンタメでもある
スピルバーグ監督と巨匠ジョン・フォード監督の概要を頭に入れておくと、自伝的要素をより堪能出来て感想が違ってくる作品。
内容的には、少年が色々な経験を経て、どのように映画に関わり、映画を愛するようになったかを描く。自らの人生をベースにエンターテイメント作に仕上げる辺り、やはりスピルバーグは天才ですね。
後半からエンディングに掛けてはニヤリが止まらないです。そして、いつもの通りネタバレ厳禁で上映に臨んだので、あのサプライズキャストには鑑賞後もうひとニヤリ。
ラスト数分に詰まったもの
特に劇的な展開があるわけではない
しかし、ラストカットの不自然なカメラの動きに様々な思いを感じた
尚、この作品はデヴィッド・リンチがすべてをかっさらっていきます!(笑)
This is a different kind of missing.
ズルい
涙あり笑いありの感動作であり、スピルバーグの自伝的作品とのこと。
ハリウッド的に家族の危機やらいじめの克服やら盛り上がりはあるものの、映画への情熱と才能が環境にバックアップされた人なんだなとは思う。
今年は「エンドロールのつづき」という、愛悪の環境を異常なまでの映画愛で乗り越えた作品があるので、ちょっと旗色悪いかも…
しかも最後にあの人が全部持ってくからな〜…
ズルい。
フェイブルマン家の話
スピルバーグ監督の自伝的作品と宣伝していたので映画に対する思いや映画制作がメインの映画かなと思っていましたが家族の映画で少し物足りなく感じました。
家庭環境や学校生活も困難があるが、それでも恵まれている環境で生活出来ていたのでそこまで同情的には観れませんでした。
ただ母親の存在感が強い為、家族映画になっているのかなと思いました。
個人的に母親が子供に対する態度があまり好ましくないのが見ていて不快でした。
それでも映像は素晴らしく芸術と家族の話など良い部分もあり楽しめる映画でした。
スピルバーグのファンなら120%楽しめる
幼い頃の映画との出会い、夢中で撮った8ミリ映画、両親との関係、学園生活や初恋、映画人との出会いなどが、150分という時間の中にみっちりと詰め込まれており大変見応えのある作品になっている。一人の少年の夢への希望、葛藤と成長を過不足なく描き切った手腕は見事で、改めてスピルバーグの無駄のない語り口には脱帽してしまう。唯一、母親が別居を切り出すシーンに編集の唐突さを覚えたが、そこ以外は自然に観ることが出来た。
また、あれだけの巨匠であるのだから、やろうと思えばいくらでもマニアックに自分語りができるはずであるが、そうしなかった所にスピルバーグの冷静さを感じる。確かに彼の”私的ドラマ”であることは間違いないのだが、同時に夢を追い求める若者についてのドラマとして誰が観ても楽しめる普遍的な作品になっている。
ファンの中にはハリウッドで成功を収めていく過程をもっと見てみたかったという人がいるかもしれない。そのあたりは資料を探ればいくらでも見つかるので別書を参照ということになろう。とりあえず本作ではスピルバーグの人格形成や家庭環境、映画界に入るきっかけといった草創期に焦点を置いた作りになっている。
とはいうものの、自分もスピルバーグの映画をリアルタイムで追ってきたファンの一人である。やはり幼少時代の映画との出会いや、仲間と一緒に8ミリカメラを回して自主製作映画に没頭するクダリなどは、特に興味深く観れた。後の「激突!」や「未知との遭遇」、「プライベート・ライアン」等の原点を見れたのが興味深い。
また、両親の不仲や暗い学園生活、ユダヤ人であることのコンプレックス等、プライベートな内容にかなり深く突っ込んで描いており、スピルバーグの人となりが良く理解できるという意味でもかなり楽しめた。
そしてもう一つ、ただの映画賛歌だけで終わっていない所にも好感を持った。
映画は人々に夢と希望を与える娯楽であるが、時として大衆を先導するプロパガンダにもなるし、心に深い傷を植え付けるトラウマにもなるということをスピルバーグは正直に語っている。
例えば、サミーは8ミリカメラで家族のプライベートフィルムを撮影するのだが、そこには映ってはいけないものまで映ってしまい、結果的にこれが平和な家庭生活に亀裂を入れてしまう。映画に限らず映像メディアが如何に罪作りな側面を持っているか、ということを如実に表したエピソードのように思う。
あるいは、彼は高校時代の思い出にクラスメイトが集うイベントを撮影して、それを卒業のプロム会場で上映する。ところが、これが周囲に思わぬ物議を呼んでしまう。これも映画は編集次第で誰かを傷つける”凶器”になり得る…ということをよく表していると思った。
デビュー時こそエンタメ路線で次々とヒット作を飛ばしたスピルバーグであるが、ある頃から彼は社会派的なテーマを扱うようになった。世間ではオスカー狙いだのなんだのと言われていたが、決してそれだけではなかったように思う。彼は映画が人々に与える影響力の大きさということを信じて疑わなかったのだろう。
観終わってすぐに内容を忘れてしまう映画もあるが、良くも悪くもいつまでも心に残っている映画もある。そんな映画が持つ功罪を、スピルバーグはこの青春時代に身をもって知ったのではないだろうか。彼の作家性の基盤はすでにこの頃から培われていたのだと思うと、本作は更に興味深く観れる作品である。
映画って本当に良いもんですよね~
スピルバーグの自伝的作品ということでしたが、めちゃくちゃ面白かったです。
デビュー作の激突が好きでもう何度も観かえしていますが、こういう原体験があったんですね。
それにしてもママの役の俳優さんは自分は認知していなかったのですが、演技が素晴らしいですね。過去作いろいろ観てみたいと思いました。
いずれにしても映画って本当に素晴らしいですね。観て良かったです。
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