フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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映画の魔力
映像で嘘をつくこと、それはとても危ない行為である。しかし、それは抗いようもないほどに魅力的なことでもある。何せ、世界を丸ごと作れるような、そんな感覚を味わえるのだから。主人公は小さい頃からの8ミリカメラで自主製作の中で、すでにそれに気づいている。単なるミニチュア模型でしかない列車の衝突がなぜ、こんなにも衝撃的なものに見せることができるのか。嘘にも関わらず、なぜこんなにも本当にように感じられてしまうのか。
映像は嘘をつく。嘘だから夢を描ける。時に現実の家族の像を歪ませることもできるし、嫌な同級生をヒロイックに見せることもお乏しめることもできる。全ては映像の世界における「神」たる作り手次第。
その嘘は、確実に現実世界にも作用する。同級生はドキュメンタリーの光景を本当のものであるかのように享受する。「ドキュメンタリーは嘘をつく」という書籍を書いたドキュメンタリー作家もいるが、まさにその通りのことが起きている。
それでも、映画作りに取りつかれた人は、邁進するしかない。そして、つまらない現実を生き抜くためにも、魅力的な嘘に僕らはたまに耽溺する必要がある。
コンピューター技術と芸術との間に生まれた”映画の子”
かつて名物司会者のJ.リプトンが番組で「お父様はコンピューター技師でお母様は音楽家。『未知との遭遇』で電子音楽(シンセサイザー)を使って宇宙人と交信しようとした理由もそこにあるのでは?」との指摘をしたことがある。確かにスピルバーグの映画人生において、<最新技術と芸術性の融合>は切っても切れない。その着火点というか、喜びや悲しみと共に体内に刻まれた本質のようなものが、本作には詰まっている。ただし直球の自伝ではなく、創作上の人格を借りた形式で。この辺りも実にスピルバーグらしいところで、印象的な場面にあるように、映像は事実以上に物を言うし、見せたくない部分はカットすれば良いのだ。勢いに乗せて颯爽と捲し立てるのでなく、穏やかな光と共に親身に語りかけてくるような作りがいつも以上に心地よい。名作群の発想の原点とも思しきちょっとした描写も見逃せない。何度も観て、映画術の源泉を読み解きたくなる名作である。
笑いあり、涙ありの“スピルバーグができるまで”
もしスティーヴン・スピルバーグがいなかったら、1970年代以降のハリウッド映画はもちろん、世界の映画の歴史もずいぶんと違ったものになっただろう。この半世紀の映画史に多大な影響を与えたスピルバーグが、少年期に両親に連れられて行った劇場で初めて映画に出会って夢中になり、買ってもらった8ミリカメラで列車の模型や家族や同級生たちを撮影して作品に仕立て、ついには映像制作の仕事を手にするまでを、自身を投影したキャラクター“サミー・フェイブルマン”の話としてつづった自伝的映画だ。
大きなスクリーンで斬新な映像を目にしたときの興奮から、お気に入りのシーンを身近な物や人で模倣し再現する喜び、そして自らストーリーを考案しそれを映像化して皆を楽しませる達成感まで、映画体験の魅力と映画作りの面白さがたっぷり詰まっているのは言うまでもない。だが、才能と運に恵まれた主人公の単純なサクセスストーリーではなく、天才や秀才のそばにいながらも真の理解者にはなり得ない“普通の人”が抱く孤独や、ルックスや身体能力に優れた人気者が内に秘める葛藤など、一握りの成功者以外の人々、あるいはどんな人にもある心の弱い部分への目配せも忘れていない。原題が“The Fabelmans”となっている点にも注目。冠詞が付いた姓の複数形は家族を指す。そう、これはサミー少年だけの話ではなく、「フェイブルマン一家」の話でもあるのだ。
見所はたくさんあるが、ネタバレにならない範囲で終盤の撮影所でのシークエンスに触れたい。ここで登場する大御所監督のキャスティングがまずサプライズだが、彼が語る映画作りに関する金言が、ラストショットのカメラワークで茶目っ気たっぷりに伏線回収される。カメラの動きひとつでユーモアと余韻を残すなんて、やっぱりスピルバーグはすごい。
スティーブン・スピルバーグが映画監督になる夢を叶える「自身の自伝的作品」。映画が持つ陰と陽の両面を描くことに成功した名作!
本作は、第95回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優賞(ジャド・ハーシュ)など7部門にノミネートされています。
タイトルは意味不明な「フェイブルマンズ」となっていますが、これは本作の主人公サミー・フェイブルマンという名前からきています。
さて、本作を見る上で絶対に知っておきたいのは、本作はスティーブン・スピルバーグ監督が自分の記憶をたどり自身を描いている点です。
それを踏まえているかどうかで、物語の深みが変わってくると思います。
本作で上手いのは何といっても脚本でしょう。
単なる自伝的な作品ではなく、サミー・フェイブルマンという主人公を通して緻密かつ流れるように物語が構成されている一方で、キチンと伏線回収が上手くなされ、かなり練り上げられた脚本に仕上がっています。
才能ある「映画監督」というと華やかな世界のように感じますし、実際にそういう面はあるのでしょう。
ただ、本作では、映像表現に潜む「陰」の部分にも焦点を当て、厳しい現実も映し出すなど圧倒的なリアリティーがあるのです!
本作は現時点で76才のスピルバーグ監督が初めて挑んだミュージカル映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の次に作った作品だからなのか、前作のセルフパロディのようなシーンがあったり、笑えるシーンもあります。
本作を見ると、スピルバーグ監督が20代にして撮った「ジョーズ」が世界歴代興行収入1位を記録するメガヒットになったのも納得できるでしょう。
「映画とは?」を考える上でも見ておきたい名作の誕生です!
Engaging Memoir by a Hollywood King
This year, The Fabelmans should be every Film 101 class' first watch. Spielberg shows the fun and inner conflicts of making movies, and how doing such intertwined with the highs and lows of his personal life at school and at home. The film is punctuated when a fellow peer director makes an humorously evocative cameo, delivering a brief yet defining lesson in art that should be hard to forget.
観方
まずは、面白かった。
長かった。
母ちゃん破天荒。
父ちゃんぼっち。
チャドはクソwww
まるっきり何の期待もなく観たけど面白かった。
天才って何かしら片鱗があって
ああやって作られるんだって思った。
まあ、何処までが本当でどこからが作り話なのか?
全部作り話でもなんでもいいんだけどさ
作品長い!
でも、観れたw
中だるみがあるわけではないんだけど
観終わってから、なんかだらだらしてた印象が・・・
なんせ終わるまでに2回もトイレに行った。
(コーヒーの飲みすぎw)
気になったのは、あんなに都合よく機材が周りにあるって凄いな。
と。
と、レビューを書いているうちにこの作品んて何だったんだろう?
面白かったし、長いけど観やすかったし・・・
あと、なんかあったっけ?
まあ、頑張って観れば2.5時間は時間が潰せて
もしかしたら人によっては充実した時間に感じるかもしれない。
って、いつも以上にまとまらないレビューになってしまった。
最後に
観て損する作品ではないと個人的には思っている。
スピルバーグの手腕でしっかり鑑賞できる。のだが、後でよくよく考えて...
スピルバーグの手腕でしっかり鑑賞できる。のだが、後でよくよく考えてみるとあんまり面白くないストーリー(笑)
なかなか微妙な家庭に育ったんですね。
ユダヤ系ってだけでのイジメ、さあ黒人で女性のハリスは大統領となれるのか(笑)
スティーブンスピルバーグ監督の半生を描いた作品です。あっという間の...
スティーブンスピルバーグ監督の半生を描いた作品です。あっという間の2時間半で、感情の機微が繊細に描かれていてとても面白かったです。あと、最後にスポットライトを浴びてた彼の彼女役の女性がとても美しいです。
映画の申し子
2024年6月5日
映画 #フェイブルマンズ (2022年)鑑賞
#スティーヴン・スピルバーグ 監督の自伝的作品
科学者の父と音楽家の母という対照的な両親のもとに育った少年が、映画づくりに夢中になり、夢を叶えるまでの日々
スピルバーグの青春映画って初めて見た気がする。何でも上手に撮る人だな
遅ればせながら鑑賞😓
巨匠スピルバーグ監督の自伝映画。
きっと、ずっとこの映画を撮りたくて、温めて温めて作製した熱量が伝わります。
スピルバーグはやはり天才的ですが、一歩間違えたら人生を破滅型の人間であり家族の存在や周囲の人間がいなければ現在のスピルバーグがいなかった可能性もあるだろうなーって思わされました。
母親の存在も、小さい子供がいながら恋をしている母を大好きなフィルムを通して知ってしまう。ワガママで自由放漫に映る。しかし、自分の人生を生きろと後押しする母親を軽蔑する反面、愛する存在であると言う事が映像を通して心に刺さる。
相反する存在で、真面目で絵に描いたような父親。
終盤にお互い交わる事は無くても終わりではないと。切ないです🥹
好きを貫いて行く事は犠牲を伴う事。スピルバーグは若い頃から理解していて葛藤している姿をシンプルに写し出されているのが引き込まれる。常に自分を俯瞰していて、映像のフィルムの中に自分の人生を覗いているんだろうなーと思ってしまいました。
いつまでも、心は青年のままでいるんだろうと思ってしまいます。本当に自分を曝け出した映画なんだろう。
素晴らしい映画です。
スピルバーグ映画の原点
どれほど多くのスピルバーグ映画を楽しませてもらったか!という意味で彼の自伝的な半生を知る意味が感じられた作品でした。タイトルには寓話という意味もあるそうですが、完全な実話ではないものの、スピルバーグ映画の原点を垣間見るようで興味深い内容でした。青年期に遭遇する複雑な家庭環境や学校でのトラブルは観ていて暗い気持ちにさせられましたが、でも、エンディングが素晴らしい!そこら辺がやっぱり、夢を仕事にしてきたドリームワークスな感じがよかったです。
難しいが面白い
スピルバーグ自らの原体験、って書いてあるけど複雑な家庭すぎるだろ!
家族の不和を表すシーンが多すぎてなかなか集中してみるのが難しいけどご飯食べながらそれぞれがあれやこれや話すシーンの密度がすごい
もっとじっくりみたらまた味が出てくると思う
終盤のローガンとフェイブルマンのロッカールームのシーンは不安定にセンシティブに不思議な時間でピリピリして面白い。体育座りしている人が逆転するし、別のいじめっ子をぶっ飛ばすし、タバコも渡されるし最後は仲良く指を上げる。映画の力が関係性を変えたんだと思う。ここが原体験じゃないかなあ
最後の地平線の話と一番最後アングルが変わるのはもう少しわかりやすいけど面白い
解説記事がとてもよかった
スティーブン・スピルバーグの自伝的作品。 映画業界に足を踏み入れる...
スティーブン・スピルバーグの自伝的作品。
映画業界に足を踏み入れるまでが描かれている。
ピアニストである母親は芸術家として子供の才能に気づいた。複雑な両親ではあるが、あの母親の理解がなければ今はないのかなと。
ラストは未来に向かって前進する感じがとても素敵でした。
期待してなかったけど面白い
スピルバーグの半生を描くのかと思ってたから子供時代に絞って描いてくれて濃厚で面白かった。そしてデビッド・リンチ大好きなのであの使い方は嬉しかったなー。だけどもっと短くても十分面白い映画だったのでは?と思うよ。
出てくる人みんな理不尽で笑う。良い家族だねえ。 ポールダノちゃんが...
出てくる人みんな理不尽で笑う。良い家族だねえ。
ポールダノちゃんが大きくなっちゃってて愕然としたけど、役作りだよね?そうだと言ってくれ!
ラストのアレ、可愛い🩷
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